権利関係44民法債権

宅建士 権利関係 問44:民法債権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが媒介した不動産売買契約が解除された場合の原状回復義務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 売買契約が解除された場合、買主Bは原状回復として受け取った宅地を返還し、売主Aは受け取った売買代金を返還するが、代金の利息は返還不要である。
  • 売買契約解除後、Aが代金を返還する際には、受領時からの利息を付して返還しなければならない(民法545条2項)。正答
  • 売買契約が解除された場合、第三者Cが解除前に当該宅地に抵当権を設定していた場合でも、解除の効果は遡及するためCの抵当権は当然に消滅する。
  • 継続的契約(賃貸借等)においても、将来への効力消滅だけでなく解除の遡及効が認められる。
正答:売買契約解除後、Aが代金を返還する際には、受領時からの利息を付して返還しなければならない(民法545条2項)。

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売買契約が解除された場合、売主は受け取った代金を「受領時からの利息を付けて」返還しなければなりません(民法545条2項)。これは買主が代金を渡してから解除まで不当に利息分の損をしないよう保護するためです。よってイが正答です。

標準試験対策の基準レベル

民法545条2項は「当事者の一方が前項本文の規定により解除をした場合において、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。この場合においては、金銭を受領した者はその受領した時からの利息を付して返還しなければならない」と定めます。イは正確であり正答。アについて、「利息は返還不要」とするアは民法545条2項に反するため誤り。ウについて、解除の遡及効(民法545条1項:「当事者の一方が解除した場合、その契約は最初からなかったとみなされる」)は「第三者の権利を害することができない」(民法545条1項ただし書)とされています。解除前に抵当権を設定したCは545条1項ただし書の「第三者」として保護されます(ただし登記が必要:最判昭和33.6.14)。「当然に消滅する」とするウは誤り。エについて、賃貸借等の継続的契約(状態が継続している契約)については、解除の遡及効(545条1項本文)は認められず「将来効のみ」とされています(民法620条:賃貸借は将来効のみ)。継続的契約にも遡及効があるとするエは誤り。

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解除(民法540条〜548条)の効果・第三者保護は宅建試験の頻出領域です。改正民法(2020年施行)では解除の要件(帰責事由不要の原則:民法541条・542条)と解除の効果(民法545条)の整理がなされました。解除の遡及効(民法545条1項本文)とただし書(第三者保護)は旧法と同様の内容が維持されています。民法545条1項ただし書の「第三者」は解除前の第三者を指し(解除後の第三者は民法177条の対抗問題)、保護要件として「登記を具備していること」が判例(最判昭和33.6.14)で必要とされます。解除後の第三者との関係については、解除者と解除後に権利取得した第三者は対抗関係(民法177条)となり先に登記した方が優先します(最判昭和35.11.29)。解除の効果として①遡及的無効(当事者間:最初からなかったと同様)、②原状回復義務(民法545条1項本文・2項:金銭は利息付き返還・物は使用利益返還)、③損害賠償(民法545条3項・415条:帰責事由がある場合)があります。賃貸借の解除(民法620条)については遡及効なし(将来のみ)であり、賃貸借期間中の賃料は返還不要です。宅建実務では、ローン特約による解除(宅建業法37条の2類似問題)、手付解除(民法557条)、債務不履行解除(民法541条・542条)の各場面での原状回復義務(手付返還・代金返還・損害賠償の有無)を正確に把握することが重要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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