宅建士 権利関係 問49:民法債権
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが媒介する不動産売買における弁済に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア売買代金の弁済は、原則として売主の住所地で行うが、売主が弁済の受領を拒んだ場合(受領遅滞)、買主は免責されずあくまで供託が必要である。
- イ売主が代金受領を拒んだ(受領遅滞)場合、買主が代金を供託した場合でも、代金債務は供託の時に消滅するのではなく売主が払渡しを受けた時点で消滅する。
- ウ不動産売買において第三者(買主の友人D)が売主に対して買主の代金債務を弁済した場合、買主Bが反対していれば第三者Dの弁済は効力を持たない。
- エ弁済の充当について、費用・利息・元本がある場合は費用→利息→元本の順で充当するのが法定充当の原則である。正答
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複数の債務がある場合の弁済充当の順番は民法で定められており、費用→利息→元本の順で充当します(民法489条1項)。よってエが正答です。これは債権者(売主等)を保護するため元本よりも先に利息・費用を回収させる仕組みです。
民法489条1項は「費用、利息及び元本を要する場合において、弁済をする者がその全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、費用→利息→元本の順で充当する」と定めます(法定充当の原則)。エは正確であり正答。アについて、弁済の場所は「持参債務」の原則(民法484条:弁済は債権者の住所地)ですが、受領遅滞(民法413条)が成立すれば買主は弁済の提供をすれば(口頭の提供または現実の提供)履行遅滞責任を免れます。「供託が必要」と断言するアは誤り(供託は受領拒絶時の完全な免責手段の一つですが必須ではない場合あり)。イについて、供託による弁済(民法494条)が成立した場合、債務は供託の時に消滅します(最判昭和37.9.4等)。「売主が払渡しを受けた時点で消滅する」とするイは誤り。ウについて、第三者弁済(民法474条)は原則として有効ですが、①債務の性質が許さない場合(一身専属等)、②当事者が反対の意思を表示した場合は第三者弁済が認められません(民法474条2項・3項)。ただし「買主が反対」の場合についても民法474条2項は「正当な利益を持つ第三者」の弁済を保護しています。一般的に利害関係のない第三者(Dが友人として単純に好意で弁済する場合)は債務者の意思に反する弁済ができません(民法474条2項ただし書)。ウの記述は「債務者反対→第三者弁済無効」として概ね正しい方向ですが、正当な利益ある第三者(保証人・連帯債務者等)には例外があるため一律に「効力を持たない」と断言するウは不完全であり誤り。
弁済(民法473条〜504条)は債権消滅の基本原因です。弁済の提供(民法492条〜493条)は現実の提供(現金・目的物の持参等)が原則ですが、相手方が受領拒絶の意思を明確にした場合は口頭の提供で足ります。受領遅滞(民法413条)は債権者が弁済の受領を不当に拒んだ場合に成立し、効果として①債務者の過失による目的物の損傷・滅失責任の軽減(故意・重過失のみ責任)、②増加費用の債権者負担となります。供託(民法494条〜498条)は弁済の目的物を供託所(法務局等)に預けることで債務を消滅させる制度です。供託が認められるのは①受領拒絶(民法494条1項1号)、②受領不能(民法494条1項2号)、③債権者不確知(民法494条2項)の場合です。第三者弁済(民法474条)については、①正当な利益がある第三者(保証人・物上保証人・後順位担保権者等)は債務者・債権者の意思に反しても弁済できます(民法474条2項本文)、②正当な利益のない第三者は債務者の意思に反する弁済ができず(民法474条3項)、債権者の意思に反する弁済もできません(民法474条4項)。弁済による代位(民法499条〜504条)は弁済した第三者(保証人等)が債権者の権利を代位取得する制度であり、保証人が主債務者に代位する場合(民法499条)が典型例です。宅建実務では、残代金の決済(弁済)方法・場所・費用負担の確認と、ローン代金弁済後の抵当権抹消(弁済証書の受領と抹消登記申請)の実務手順が重要です。令和2年改正で受領遅滞の効果(民法413条)が明文化され「債権者の費用負担増加」が条文上確認されました。司法書士・弁護士実務では、供託(受領拒絶時)の正確な手続と受領遅滞解除(民法543条との関係)が債権回収の重要論点として取り扱われます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。