問題
宅地建物取引業者Aが媒介する不動産売買における弁済に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
複数の債務がある場合の弁済充当の順番は民法で定められており、費用→利息→元本の順で充当します(民法489条1項)。よってエが正答です。これは債権者(売主等)を保護するため元本よりも先に利息・費用を回収させる仕組みです。
民法489条1項は「費用、利息及び元本を要する場合において、弁済をする者がその全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、費用→利息→元本の順で充当する」と定めます(法定充当の原則)。エは正確であり正答。アについて、弁済の場所は「持参債務」の原則(民法484条:弁済は債権者の住所地)ですが、買主は弁済の提供(現実の提供、又は債権者があらかじめ受領を拒んだときは口頭の提供)をすれば、その時から債務の不履行によって生ずべき責任を免れます(民法492条・493条)。「供託が必要」と断言するアは誤り(供託は受領拒絶時の完全な免責手段の一つですが必須ではない場合あり)。イについて、供託による弁済(民法494条1項)が成立した場合、「弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する」(同項後段)。「売主が払渡しを受けた時点で消滅する」とするイは誤り。ウについて、弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができませんが、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、その弁済は有効です(民法474条2項ただし書)。「売主が知らなかったときでも効力を持たない」とするウは誤り。
弁済(民法473条〜504条)は債権消滅の基本原因です。弁済の提供(民法492条〜493条)は現実の提供(現金・目的物の持参等)が原則ですが、相手方が受領拒絶の意思を明確にした場合は口頭の提供で足ります。受領遅滞(民法413条)は債権者が弁済の受領を不当に拒んだ場合に成立し、効果として①特定物の引渡債務では、債務者は履行の提供をした時から引渡しまで自己の財産に対するのと同一の注意をもって保存すれば足りる(民法413条1項:注意義務の軽減)、②履行の費用が増加したときは増加額は債権者の負担(同条2項)となります。供託(民法494条〜498条)は弁済の目的物を供託所(法務局等)に預けることで債務を消滅させる制度です。供託が認められるのは①受領拒絶(民法494条1項1号)、②受領不能(民法494条1項2号)、③債権者不確知(民法494条2項)の場合です。第三者弁済(民法474条)については、①正当な利益がある第三者(物上保証人・後順位担保権者等)は債務者・債権者の意思に反しても弁済できます(民法474条1項・2項の反対解釈)、②正当な利益のない第三者は債務者の意思に反する弁済ができず(民法474条2項本文。ただし債権者がそれを知らなかったときは有効)、債権者の意思に反する弁済もできません(民法474条3項本文。ただし債務者の委託を受けて弁済する場合で債権者がそれを知っていたときは有効)、③債務の性質が許さないときや当事者が第三者弁済を禁止・制限したときは第三者弁済はできません(民法474条4項)。弁済による代位(民法499条〜504条)は弁済した第三者(保証人等)が債権者の権利を代位取得する制度であり、保証人が弁済して債権者の抵当権等を行使する場合が典型例です。宅建実務では、残代金の決済(弁済)方法・場所・費用負担の確認と、ローン代金弁済後の抵当権抹消(弁済証書の受領と抹消登記申請)の実務手順が重要です。令和2年改正で受領遅滞の効果(民法413条)が明文化され「債権者の費用負担増加」が条文上確認されました。司法書士・弁護士実務では、供託(受領拒絶時)の正確な手続と受領遅滞解除(民法543条との関係)が債権回収の重要論点として取り扱われます。
- 民法第489条・第484条・第492条・第494条・第474条・第473条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

