問題
不動産の贈与に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
負担付贈与は、受贈者に一定の義務(負担)を課して行う贈与です(民法553条)。受贈者が負担を履行しない場合、贈与者は売買等の有償契約と同様に解除できます(民法553条:双務契約の解除規定を準用)。よってエが正答です。
民法553条は「負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する」と定め、民法541条等の解除規定が準用されます(負担の限度で売主と同様の担保責任を負う点は民法551条2項)。受贈者が負担を履行しない場合は催告後解除が可能です。エは正確であり正答。アについて、書面によらない贈与は「各当事者が解除をすることができる」とされています(民法550条本文。2020年施行の改正で「撤回」から「解除」に改められた)が、「履行の終わった部分については、この限りでない」(同条ただし書)。「履行の終わった部分も含めて解除できる」とするアは誤り。イについて、民法550条が解除を認めるのは書面によらない贈与に限られ、書面による贈与は、贈与者が翻意しても一方的に解除することはできません(合意解除は別)。「書面があってもいつでも解除できる」とするイは誤り。ウについて、死因贈与(民法554条)は「その性質に反しない限り遺贈に関する規定を準用する」と定められますが、遺言の方式(公正証書遺言等)は死因贈与には不要です(死因贈与は生前の合意による契約であり遺言の方式規定は準用されません:最判昭和32.5.21等)。「遺言と同様の方式が必要」とするウは誤り。
贈与(民法549条〜554条)は不動産取引において相続対策・税務対策として重要です。書面によらない贈与(民法550条)の解除権は、贈与意思を明確にし軽率な贈与を防ぐための規定です。「履行の終わった部分は解除不可」の原則から、書面によらない不動産贈与では、引渡し又は所有権移転登記があれば履行が終わったものとされています(判例:最判昭和40.3.26は、引渡しがなくても登記の移転で履行が終わるとした)。死因贈与(民法554条)は「贈与者の死亡によって効力が生ずる贈与」であり、贈与者の生前に合意が成立します。遺言(単独行為)との区別は合意の有無であり、遺贈(遺言による財産移転)と異なり死因贈与は生前の合意による契約です。ただし死因贈与には遺贈の規定の「準用」(民法554条)があり、①受贈者が贈与者より先に死亡した場合の取扱い(遺贈の失効を定める民法994条を準用するかは見解が分かれる)、②撤回権(生前の死因贈与は遺言と同様に撤回できるとする判例あり)などは遺贈類似の処理がなされます。負担付贈与(民法553条)では①担保責任(売主類似)、②解除(双務契約規定準用)が認められます。不動産の負担付贈与(例:老後の扶養を条件とする土地贈与)では、受贈者が扶養義務を履行しない場合の解除と登記移転後の返還問題が実務論点です。宅建実務では贈与による取得物件(相続前の生前贈与等)の売買において贈与の方式・効力確認と贈与税の課税関係(不動産取得税・贈与税)の説明が必要です。
- 民法第553条・第541条・第551条・第550条・第554条・第549条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

