権利関係50民法債権

宅建士 権利関係 問50:民法債権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

不動産の贈与に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 書面によらない贈与契約(口頭の贈与)は、当事者双方が履行を完了するまでは、各当事者が撤回することができる。
  • 不動産を贈与する場合、書面(贈与契約書等)が作成されていれば、その後に贈与者が翻意しても撤回することはできない。
  • 贈与者Aが死亡した時に不動産を受贈者Bに贈与する「死因贈与」は、遺言と同様の方式(公正証書遺言等)によらなければ効力を生じない。
  • 負担付贈与において、受贈者が負担を履行しない場合、贈与者は贈与契約を解除することができる。正答
正答:負担付贈与において、受贈者が負担を履行しない場合、贈与者は贈与契約を解除することができる。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドライン・RETIO通達も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

負担付贈与は、受贈者に一定の義務(負担)を課して行う贈与です(民法553条)。受贈者が負担を履行しない場合、贈与者は売買等の有償契約と同様に解除できます(民法553条:双務契約の解除規定を準用)。よってエが正答です。

標準試験対策の基準レベル

民法553条は「負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同様の担保の責任を負う」と定め、民法541条の双務契約解除規定が準用されます。受贈者が負担を履行しない場合は催告後解除が可能です。エは正確であり正答。アについて、書面によらない贈与(民法550条)は「各当事者が撤回することができる」とされています(民法550条本文)が、「履行を完了した部分については撤回できない」という例外があります(民法550条ただし書)。「双方が履行を完了するまでは」撤回できるというアの表現は「一方の履行完了」で撤回不可となることを考えると正確ではなく誤りの方向(「各当事者が自己の部分を履行完了したとき」は撤回不可の解釈もある)。イについて、書面による贈与(民法550条ただし書解釈)は撤回できないとする見解が有力ですが、「書面があれば翻意しても撤回不可」という断言には争いがあり、契約の合意解除は可能です。また書面の存在でも受贈者の同意なく一方的撤回が不可かどうかは場合によります。イは概ね正しい方向ですが本問の最も適切な正答はエです。ウについて、死因贈与(民法554条)は「その性質に反しない限り遺贈に関する規定を準用する」と定められますが、遺言の方式(公正証書遺言等)は死因贈与には不要です(死因贈与は生前の合意による契約であり遺言の方式規定は準用されません:最判昭和32.5.21等)。「遺言と同様の方式が必要」とするウは誤り。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

贈与(民法549条〜554条)は不動産取引において相続対策・税務対策として重要です。書面によらない贈与(民法550条)の撤回権は、当事者を書面作成(慎重な意思決定)に誘導するための政策的規定です。「履行が完了した部分は撤回不可」の原則から、不動産贈与の場合は「登記移転が完了した時点」が履行完了とされ、それ以前は書面があっても撤回が問題になる場合があります(判例:最判昭和40.3.26は登記移転・引渡しで履行完了)。死因贈与(民法554条)は「贈与者の死亡によって効力が生ずる贈与」であり、贈与者の生前に合意が成立します。遺言(単独行為)との区別は合意の有無であり、遺贈(遺言による財産移転)と異なり死因贈与は生前の合意による契約です。ただし死因贈与には遺贈の規定の「準用」(民法554条)があり、①受贈者が贈与者より先に死亡した場合の取扱い(失効:民法995条準用)、②撤回権(生前の死因贈与は遺言と同様に撤回できるとする判例あり)などは遺贈類似の処理がなされます。負担付贈与(民法553条)では①担保責任(売主類似)、②解除(双務契約規定準用)が認められます。不動産の負担付贈与(例:老後の扶養を条件とする土地贈与)では、受贈者が扶養義務を履行しない場合の解除と登記移転後の返還問題が実務論点です。宅建実務では贈与による取得物件(相続前の生前贈与等)の売買において贈与の方式・効力確認と贈与税の課税関係(不動産取得税・贈与税)の説明が必要です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独자作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

関連論点

贈与・負担付贈与・死因贈与頻出度C

権利関係の他の問題

1
民法総則
2
民法総則
3
民法総則
4
民法総則
5
民法物権
6
民法物権
権利関係の一覧

科目別に解いて、宅建士に合格

4科目のオリジナル問題。各問に根拠条文・国土交通省ガイドライン・RETIO通達とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。