宅建士 権利関係 問52:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
借地権の対抗要件に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア借地権者Bが土地賃貸借の登記をしていない場合でも、借地上の建物の登記があれば、土地所有権を取得した第三者Cに対して借地権を対抗することができる。正答
- イ借地上に建物を有する借地権者Bが、建物の登記(表示登記・保存登記のいずれかで足りる)によって対抗要件を備えていた場合でも、建物が滅失すれば対抗要件を失い、新建物の登記をするまでは第三者に対抗できなくなる。
- ウ借地権の対抗要件として、借地上建物の登記に必要な「借地権者名義」とは、借地権者本人名義のみでなく、その配偶者名義の登記でも対抗要件として有効である。
- エ借地権の登記(土地の賃借権の登記)は、賃貸人の協力なしには行えないため、借地権者は賃貸人に対して登記への協力を請求する権利を持つ。
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借地権者が土地の賃借権登記をしていなくても、借地上に建物の登記(所有権保存登記等)があれば借地権の対抗要件として機能します(借地借家法10条1項)。土地の登記を取得するには地主の協力が必要ですが、建物登記は借地権者単独でできるため、この規定は借地権者を保護する重要な制度です。よってアが正答です。
借地借家法10条1項は「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる」と定めます。建物の登記(表示登記・所有権保存登記のいずれかで可)が借地権の代替的対抗要件となります。アは正確であり正答。イについて、建物が滅失した場合でも、借地権者が滅失後2年以内に「建物を特定するために必要な事項・滅失日・新建物の再建意思」を建物の所在地の見やすい場所に掲示すれば対抗力を2年間維持できます(借地借家法10条2項)。「滅失すれば直ちに対抗要件を失う」とするイは誤り(2年間の掲示措置で維持可能)。ウについて、建物登記は「借地権者本人名義」でなければ借地権の対抗要件として機能しません(最判昭和41.4.27:子名義の建物登記は不可)。配偶者名義でも対抗要件にはならないため、ウは誤り。エについて、土地賃借権の登記は賃貸人の協力が必要(不動産登記は権利者・義務者共同申請が原則)ですが、改正民法605条の解釈上、借地権者は賃貸人に登記への協力を請求できると解されています(賃貸借の目的に従った義務)。ただし「権利を持つ」の断言は現行法上慎重に判断すべき点があり、この部分の内容は概ね正しいですが本問の最も適切な正答はアです。
借地権の対抗要件(借地借家法10条)は宅建試験の最頻出事項の一つです。借地権の登記(土地賃借権の登記)は理論上可能ですが、実務上賃貸人(地主)の協力が得られないことが多いため、借地借家法10条が建物登記による代替対抗要件を認めています。建物登記の要件として①借地権者本人名義(配偶者・親族名義は不可:最判昭和41.4.27)、②建物登記(表示登記・所有権保存登記のいずれかで足りる)が必要です。建物滅失後の対抗要件維持(借地借家法10条2項)は2年間の掲示措置により対抗力を維持できます。掲示事項は①建物の種類・構造・床面積等の特定情報、②滅失年月日、③新建物を建築する旨及びその種類・構造・床面積です。定期借地権(借地借家法22条〜24条)の対抗要件についても借地借家法10条が適用され、借地上の建物登記で対抗力が認められます。宅建実務では、借地権付き建物の売買における対抗要件確認(建物登記の有無・名義人・土地賃借権の登記の有無)と、売買に伴う借地権の承継(地主への事前通知・同意取得・地主の承諾料の相場確認)が重要業務です。地主の承諾なく借地権を第三者に譲渡することは民法612条違反となるため、売買に際しては必ず地主の承諾が必要です(無断譲渡は解除事由:ただし信頼関係破壊の法理適用)。令和3年民法改正(所有者不明土地問題対応)では借地上の建物が登記されていない場合の対抗力問題が論点となり、表示登記だけでも対抗力を有する点(借地借家法10条)の実務的重要性が再確認されています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。