宅建士 権利関係 問53:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
普通借地権(借地借家法3条〜8条)の更新に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア借地権の存続期間(30年)が満了した場合において、借地権者が引き続き土地を使用し、かつ賃貸人(地主)が異議を述べたとしても、法定更新(借地借家法5条1項)が当然に成立する。
- イ地主が更新を拒絶するためには正当事由(借地借家法6条)が必要であり、正当事由の判断においては「地主の土地使用の必要性」「借地権者の土地使用の必要性」「従前の経過」「土地の利用状況」のほかに「財産上の給付(立退料等)の申出」も考慮される。正答
- ウ借地権の更新を拒絶する通知は、存続期間満了の1年前から6か月前の間に行わなければならないが、この通知は書面によらなければ効力を生じない。
- エ借地権の存続期間が満了し、地主が更新拒絶の通知をした場合、正当事由がなくても更新は拒絶できる。
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普通借地権の更新拒絶には「正当事由」が必要です(借地借家法6条)。正当事由の判断要素として、地主側の事情・借地権者側の事情・立退料等の財産上の給付が考慮されます。よってイが正答です。立退料は正当事由を補強(補完)する要素です。
借地借家法6条は「借地権の存続期間の満了の場合…借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときであっても、借地権の存続期間の更新の請求について異議を述べたとき、又は土地の使用の継続について異議を述べたときは、更新されない」とし、異議には「正当事由」(同条各号)が必要と定めます。正当事由の判断要素(借地借家法6条各号)は①借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情、②借地に関する従前の経過、③土地の利用状況、④借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出(立退料等)。イは正確であり正答。アについて、地主が「遅滞なく」正当事由のある異議を述べた場合は法定更新は成立しません(借地借家法5条1項ただし書)。「異議を述べても当然に更新」とするアは誤り(正当事由ある異議で更新は拒絶可能)。ウについて、更新拒絶通知の時期(1年前〜6か月前)は正しいですが(借地借家法26条の類推・実務上の一般的期間)、通知の書面要件については借地借家法上の更新拒絶通知に書面要件はありません(口頭でも可)。「書面によらなければ効力がない」とするウは誤り。エについて、正当事由なし更新拒絶は認められないためエは誤り。
普通借地権の更新制度(借地借家法4条〜6条)は地主の更新拒絶を困難にしています。法定更新(借地借家法5条)は①期間満了後に借地権者が使用継続、②地主が遅滞なく異議(正当事由あり)を述べない場合に成立します。更新後の存続期間は最初の更新20年・2回目以降10年(借地借家法4条)。正当事由(借地借家法6条)の判断は総合衡量であり、地主の必要性が高くても借地権者の必要性も同等であれば立退料なしには正当事由が認められない場合が多いのが実務です。立退料の相場は①建物評価額、②移転費用、③代替地・代替建物確保費用等を考慮して裁判所が判断し、高額になる場合があります。建物買取請求権(借地借家法13条)は更新拒絶(正当事由あり)の場合に借地権者が地主に対して建物を時価で買い取ることを請求できる権利です(借地権者の保護)。定期借地権(借地借家法22条〜24条)は更新がなく期間満了で確定的に終了します(法定更新・建物買取請求権なし)。宅建実務では借地権付き建物の価値評価において残存期間・更新可能性・地代水準・正当事由の見通しが価格に大きく影響します。また定期借地権(一般定期借地・事業用定期借地)の選択は将来の更新リスク管理として重要です。近年の裁判例では「地主の必要性が極めて高い(建替え・相続分割等)場合でも立退料1,000万円超を命じる」例が増えており、不動産鑑定士・司法書士試験では更新拒絶正当事由と立退料算定の判例蓄積が重要な出題素材となっています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。