宅建士 権利関係 問55:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
普通借地権の譲渡・建物の処分に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア借地権者Bが借地上の建物(借地権付き建物)をCに売却する場合、地主の承諾は不要であり、C はBの借地権を当然に引き継ぐことができる。
- イ地主が借地権者Bから第三者Cへの借地権の譲渡を拒否している場合、裁判所は地主に代わって許可(借地非訟手続き:借地借家法19条)を与えることができる。正答
- ウ借地権者Bが地主の承諾なく借地上の建物を増改築した場合、それだけでは地主による借地権の解除は認められない。
- エ借地権者Bが借地権を相続により取得した場合、地主の承諾が必要であり、承諾がなければ相続による借地権取得は地主に対抗できない。
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地主が正当な理由なく借地権の譲渡を拒否する場合、裁判所の借地非訟手続き(借地借家法19条)で地主の承諾に代わる許可を取得できます。これにより借地権者を保護します。よってイが正答です。
借地借家法19条1項は「借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し又は転借をしても借地権設定者(地主)に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転借を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる」と定めます。イは正確であり正答。アについて、借地権付き建物の売買(借地権の譲渡)には地主の承諾が必要です(民法612条)。承諾なしの譲渡は地主に対して対抗できず、解除事由にもなります(ただし信頼関係破壊の法理適用)。「地主の承諾不要」とするアは誤り。ウについて、増改築禁止特約(地主の書面承諾なく増改築しない旨の特約)に違反した場合、これは解除事由となり得ます(信頼関係破壊の程度による)。特約がある場合は「それだけで解除認められない」とは言えないためウは誤り(特約の有無によります)。エについて、借地権の相続(包括承継)は地主の承諾不要です(相続は権利の承継であり譲渡ではない)。「地主の承諾が必要」とするエは誤り。
借地権の譲渡・転貸(民法612条)と借地非訟手続き(借地借家法19条〜20条)の関係は宅建試験の重要論点です。普通借地権の譲渡・転貸には地主の承諾が必要ですが、地主が不当に拒否する場合は裁判所への申立て(借地非訟)で解決できます。借地非訟手続きの対象は①第三者への借地権譲渡・転貸の承諾(借地借家法19条)、②建物の増改築の承諾(借地借家法17条2項)です。建物増改築の扱いについては、増改築禁止特約がある場合は特約違反が解除事由となり得ますが(信頼関係破壊の法理:最判昭和39.7.28等)、特約がなければ増改築は借地権者の権利として認められます(建物は借地権者の所有物であり適切な改修は認められる)。増改築許可の申立て(借地借家法17条2項)は特約がある場合の手続きです(特約なければ申立て不要)。借地権の相続(包括承継)は地主承諾不要(最判昭和43.1.26等)です。これは相続が財産の包括的移転であり、当事者の信頼関係を前提とする賃貸借の「当事者変更」とは性質が異なるためです。特定承継(売買・贈与等)は地主の承諾が必要であり相続と区別が重要です。宅建実務では、借地権付き建物の相続売買において①相続による権利取得の確認(相続登記・遺産分割確認)②地主への通知(慣行として通知)③新借地権者への地代改定等の交渉が実務手順です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。