宅建士 権利関係 問56:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
普通建物賃貸借(借地借家法26条〜28条)の更新と正当事由に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア賃貸人が建物賃貸借の更新を拒絶するためには、期間満了の1年前から6か月前の間に賃借人に対して更新しない旨の通知をすれば足り、正当事由は不要である。
- イ賃貸人が期間満了の1年前から6か月前の間に更新拒絶の通知を行い、かつ正当事由がある場合でも、賃借人が期間満了後も使用継続し、賃貸人が異議を唱えなければ法定更新となる。
- ウ期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人から解約申入れをする場合、申入れから6か月が経過すれば賃貸借は終了するが、正当事由がなければ解約申入れ自体が無効である。正答
- エ賃貸人が自ら居住するために賃借人に退去を求める場合、「自己使用の必要性」があれば正当事由が自動的に認められ、立退料の支払いは一切不要である。
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期間の定めのない建物賃貸借における賃貸人からの解約申入れには「正当事由」が必要です(借地借家法28条)。正当事由がなければ解約申入れは無効であり、6か月の経過後でも契約は終了しません。よってウが正答です。
借地借家法28条は「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6か月を経過することによって終了する。ただし、建物の賃貸人が解約の申入れをするには、正当の事由があると認められる場合でなければならない」と規定します。ウは正確であり正答。アについて、賃貸人が更新拒絶通知を正しい期間内(1年前〜6か月前)に行っても、正当事由(借地借家法28条)がなければ更新拒絶はできません(借地借家法26条1項〜28条の一体的理解)。「正当事由不要」とするアは誤り。イについて、更新拒絶通知の時期(1年前〜6か月前:借地借家法26条1項)と正当事由の両方が満たされた場合でも、賃借人が使用継続しかつ賃貸人が「遅滞なく」異議を述べなければ法定更新(借地借家法26条2項)となります。ただし賃貸人が正当事由ある適切な更新拒絶通知を行い、期間満了後に「遅滞なく異議」を述べれば法定更新は成立しません。「賃貸人が異議を唱えなければ」という部分は、「更新拒絶通知後に期間満了直後に異議を述べない場合」として理解できますが、正当事由ある通知をした賃貸人が再度異議を述べない場合の処理は複雑です。本問の正答はウです。エについて、自己使用の必要性は正当事由の一要素ですが、賃借人の生活・事業への影響・従前の経過・立退料等を総合判断します。「立退料が一切不要」とするエは誤り(裁判所は立退料を考慮)。
普通建物賃貸借の更新拒絶(借地借家法26条〜28条)は実務上最重要テーマです。更新拒絶通知の要件は①期間満了の1年前から6か月前の間、②更新しない旨または条件変更しない限り更新しない旨の通知、③正当事由の存在(借地借家法28条)です。正当事由(借地借家法28条)の判断要素は①賃貸人が建物の使用を必要とする事情、②賃借人が建物の使用を必要とする事情、③建物賃貸借に関する従前の経過、④建物の利用状況・建物の現況、⑤立退料(財産上の給付)の申出(補完的要素)です。立退料は正当事由の「有無」を変えるものではなく「強さ」を補完する要素です(最判昭和46.11.25:立退料を支払えば正当事由ありとはなりません)。実務上は立退料交渉が中心となり、地方・都市・用途によって相場が大きく異なります。法定更新(借地借家法26条2項)は期間満了後に賃借人が使用継続かつ賃貸人が「遅滞なく異議を述べない」場合に成立します。法定更新後は「期間の定めのない」賃貸借となります(正当事由がある場合はさらに6か月の解約予告で終了)。宅建業者が更新契約の媒介を行う場合、法定更新前後の書面化(借地借家法38条の定期借家との区別)と正当事由の有無確認が重要実務です。令和4年の空き家対策特別措置法改正(管理不全空き家の指定追加)により、正当事由の補完要素として「建物の現状(老朽化・空き家リスク)」の評価ウェイトが高まっています。マンション管理士・賃貸不動産経営管理士試験では更新拒絶通知の要件と立退料相場の実務的知識が複合論点として出題されます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。