宅建士 権利関係 問57:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
定期建物賃貸借(借地借家法38条)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア定期建物賃貸借は、書面(公正証書等に限る)によって締結しなければ効力を生じない。
- イ定期建物賃貸借において、賃貸人は契約締結に際して賃借人に対して「更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了する」旨を記載した書面を交付し、説明しなければならない。正答
- ウ定期建物賃貸借において、期間の定めを1年未満とすることは禁止されており、1年未満の定期建物賃貸借は無効である。
- エ定期建物賃貸借の期間が1年以上の場合、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前の間に期間満了通知を賃借人にしなければならず、この通知を怠ると定期建物賃貸借は普通建物賃貸借に転換される。
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定期建物賃貸借では、契約書(書面)に加えて、賃貸人は別途「更新なし・期間満了で終了」を記載した書面を交付し、説明することが義務付けられています(借地借家法38条2項)。この別紙説明が定期借家成立の要件です。よってイが正答です。
借地借家法38条2項は「前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない」と定めます。イは正確であり正答。アについて、定期建物賃貸借の設定には「書面または電磁的記録」によることが必要です(借地借家法38条1項)が、「公正証書等に限る」わけではありません(事業用定期借地権と異なり公正証書は要件ではない)。「公正証書等に限る」とするアは誤り。ウについて、普通建物賃貸借では1年未満の定めは「期間の定めのない賃貸借」とみなされますが(借地借家法29条1項)、定期建物賃貸借では1年未満の期間設定も有効です(借地借家法38条1項・29条1項の不適用)。「1年未満は禁止・無効」とするウは誤り。エについて、定期建物賃貸借の期間が1年以上の場合、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前の間に期間満了通知をしなければなりません(借地借家法38条4項)。通知を怠った場合でも「定期建物賃貸借が普通建物賃貸借に転換される」のではなく、「通知の日から6か月経過後に賃貸借が終了する」となります(賃貸人への不利益は終了時期の後退のみ)。「普通建物賃貸借に転換される」とするエは誤り。
定期建物賃貸借(借地借家法38条)は更新なし・正当事由不要・期間確定という特徴を持つ賃貸借形態です。実務では住宅賃貸(転勤者向け・投資用マンション)・事務所・店舗・倉庫に広く利用されています。書面要件について、①定期借家契約書(書面または電磁的記録)と②別紙説明書(「更新なし・期間満了終了」旨の書面)の2書類が必要です(同一書面への記載は不可:最判平成24.9.13が条文解釈上難があるとしているものの、実務では別紙分離を推奨)。別紙説明なし・口頭説明のみの場合は定期借家の効力が生じず普通借家として扱われます(最高裁平成24.9.13)。期間満了通知(借地借家法38条4項)は期間1年以上の定期借家の場合に必要であり、期間1年未満の場合は不要です。通知の内容は「期間満了により賃貸借が終了すること」であり、通知から6か月以内に賃貸借が終了しない場合は通知日から6か月後に終了します。中途解約特約(借地借家法38条6項)は、床面積200平方メートル未満の居住用建物については「やむを得ない事情(転勤・療養・親族の介護等)」があれば、賃借人から中途解約できる特別規定があります(申出後1か月で終了)。宅建実務では、定期借家の書面交付説明義務(宅建業法上の媒介義務との関係)と重要事項説明における定期借家の説明義務が実務上の核心です。令和2年宅建業法改正(電子書面交付・37条書面電子化)により、定期借家の「別紙説明書」を電子データで交付することも可能になりましたが、承諾・記録方法に実務上の注意が必要です。賃貸不動産経営管理士試験・管理業務主任者試験では定期借家の設定要件と中途解約特約(床面積200平方メートル未満居住用)の適用範囲が頻出論点です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。