問題
借地権の存続期間中に建物が滅失した場合の再築と借地権の存続に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
借地権の存続期間中に建物が滅失しても、所定の事項を土地の上に掲示し、滅失の日から2年以内に新建物を建てて登記を備えれば、滅失前と同様に第三者に対して借地権を対抗できます(借地借家法10条2項)。よってイが正答です。建物滅失で借地権が消滅するわけではありません。
借地借家法7条は借地権存続中の建物滅失と再築について定めます。残存期間を超えて存続すべき建物を再築したときは、地主の承諾がある場合に限り、借地権は承諾の日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続します(借地借家法7条1項)。借地権者が再築する旨を通知し、地主が通知を受けてから2か月以内に異議を述べなかったときは承諾があったものとみなされます(同条2項。更新後の通知を除く)。イは、掲示による対抗力の維持と2年以内の再築・登記(借地借家法10条2項)を正確に述べており正答。アについて、建物が滅失しても借地権自体は消滅しません。また借地借家法10条2項の掲示措置(2年間)により対抗力を維持でき、再築後の登記で対抗力を回復できます。「建物がなければ消滅する」とするアは誤り。ウについて、当初の存続期間中の承諾のない再築は、借地権の期間延長(7条1項)が生じないだけで、借地借家法上それ自体は解除事由とされていません(更新後の承諾のない再築については、地主が解約の申入れをすることができる:同法8条2項)。増改築禁止特約がある場合も、信頼関係を破壊するおそれがないときは解除できないとされています(最判昭和41.4.21)。「そのことのみを理由に解除できる」とするウは誤り。エについて、借地借家法7条は残存期間が20年未満の場合に地主の承諾を得た再築で期間が20年延長されることを定めますが(借地借家法7条1項但書・同2項等の解釈)、「返還義務なく使用継続できる」の表現は借地権の延長の問題であり、単に延長されるかどうかの問題です。エの表現は正確さを欠き誤り。
借地権存続中の建物滅失・再築(借地借家法7条・10条)は実務上重要です。整理すると、①建物滅失後の借地権:消滅しない(借地借家法3条〜5条の期間規定が継続)、②対抗要件:建物滅失後2年以内は「掲示措置」(借地借家法10条2項)で維持、2年経過後に掲示を怠ると対抗力喪失、③再築後の期間:再築に地主の承諾がある場合、借地権は承諾の日又は築造の日のいずれか早い日から20年間存続(残存期間がこれより長いときはその期間:借地借家法7条1項)。地主の承諾がない再築では期間延長は生じませんが、再築の通知から2か月以内に地主が異議を述べなければ承諾があったものとみなされます(同条2項。更新後の通知を除く)。掲示措置(借地借家法10条2項)では、①その建物を特定するために必要な事項、②滅失があった日、③建物を新たに築造する旨を「土地の上の見やすい場所」に掲示することが必要です。借地権の対抗力維持(掲示)は2年間の時限措置であり、2年以内に新建物の登記を完了することが重要です。宅建実務では、借地権付き建物の売買における建物の年数・滅失リスク評価と、老朽化建物の再築計画の確認(地主との関係・借地借家法7条の適用)が投資判断の重要要素です。特に建物解体→再築の際の地主との協議(承諾書取得)と借地権期間の延長交渉が実務の焦点となります。
当初の存続期間中と更新後とでは、再築のルールが大きく異なります。契約の更新の後に建物が滅失した場合、借地権者は地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができ(借地借家法8条1項)、借地権者が地主の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、地主が地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができます(同条2項)。いずれも、放棄・消滅の請求・解約の申入れがあった日から3か月を経過すると借地権は消滅します(同条3項)。また、7条2項の「通知から2か月以内に異議がなければ承諾みなし」は、契約の更新の後に通知があった場合には適用されません(同項ただし書)。更新後の再築にやむを得ない事情があるのに地主が承諾しないときは、借地権者の申立てにより、裁判所が承諾に代わる許可を与えることができます(同法18条1項)。掲示による対抗力の維持も、滅失の日から2年を経過した後は、その前に建物を新たに築造し、かつその建物について登記した場合に限られます(同法10条2項ただし書)。試験では「当初の存続期間中」と「更新後」の入替え、「2か月」「3か月」「2年」の数字の入替えが典型的なひっかけです。
- 借地借家法第10条・第7条・第3条・第8条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

