権利関係64借地借家法

宅建士 権利関係 問64:借地借家法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

借地権として設定される地上権と土地賃借権の違いに関する次の記述のうち、民法および借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 地上権として設定された借地権は、地上権者が単独で登記申請をすることができ、土地所有者の協力がなくても登記できる。
  • 土地賃借権として設定された借地権と、地上権として設定された借地権はいずれも、設定・存続・対抗力について借地借家法が同様に適用される。
  • 地上権は物権であるため、地上権者Bは土地所有者Aの承諾なく第三者Cに地上権を譲渡することができる。正答
  • 地代不払い等による借地権(地上権として設定)の消滅請求(民法276条)に際し、土地所有者は裁判所への申立てなしに直接地上権を消滅させることができる。
正答:地上権は物権であるため、地上権者Bは土地所有者Aの承諾なく第三者Cに地上権を譲渡することができる。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドライン・RETIO通達も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

地上権は物権(直接支配権)であり、賃借権(債権)と異なり地上権者は土地所有者の承諾なく自由に譲渡や担保設定ができます。これが地上権と賃借権の大きな違いです。よってウが正答です。

標準試験対策の基準レベル

地上権(民法265条〜269条の2)は物権であり、賃借権(債権)と対比されます。地上権の特徴は①単独での譲渡・担保設定が可能(土地所有者の承諾不要:物権の支配性)、②地上権の登記は地上権者から単独申請可能(不動産登記法:甲区・乙区への記録)、③地上権者は土地所有者に地代支払義務あり(任意:地代なし地上権も可)です。ウは正確であり正答。アについて、地上権の登記は不動産登記法上「登記権利者と登記義務者の共同申請」が原則です(不動産登記法60条)。地上権設定登記は地上権者(登記権利者)と土地所有者(登記義務者)の共同申請が必要であり、「単独申請可能」とするアは誤り。イについて、地上権と土地賃借権はいずれも借地借家法2条1号の「借地権」に含まれますが、地代不払い等の場合の消滅手続きが異なります(地上権は民法276条の消滅請求・賃借権は民法612条・541条の解除)。「いずれも同様」とするイは誤り(一部相違あり)。エについて、地上権の消滅請求(民法276条)は「2年以上地代が滞納した場合に土地所有者が消滅を請求できる」ものですが、単なる意思表示ではなく裁判所(形成訴訟)によって消滅させる必要があります(消滅請求は形成権の行使:最判昭和29.9.7の趣旨)。「裁判所への申立てなしに直接消滅させることができる」とするエは誤り。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

借地権の法形式として「地上権」と「土地賃借権」の2種類があり(借地借家法2条1号)、実務では土地賃借権(賃貸借契約)が圧倒的多数を占めます。地上権が少ない理由は、地主(土地所有者)の立場から①地上権は承諾なく譲渡可能で土地の管理が困難、②地代不払いでも消滅させにくい(民法276条の手続)等のデメリットがあるためです。地上権の登記(乙区記録)は共同申請(登記権利者:地上権者・登記義務者:土地所有者)が必要ですが、地上権設定契約書(登記原因証明情報)があれば地上権者が申請できます。賃借権の登記は同様に共同申請が必要ですが、賃貸人の協力が得られないことが多く借地借家法10条(建物登記による代替)の活用が実務的です。地上権の物権性(譲渡・担保設定の自由)は借地権の流通性を高める反面、地主から敬遠される理由です。実務上は特殊な案件(大規模開発・沿線住宅地・歴史的な地主との関係)で地上権借地が存在します。宅建実務では、地上権付き物件の売買において①地上権の内容(地代・期間・譲渡自由の有無等を確認)、②借地借家法の保護規定の適用範囲(地上権も借地権であるため借地借家法が適用される)、③地上権の売買に際しての地主への通知(慣行・承諾不要の確認)が重要です。区分地上権(民法269条の2)は立体的土地利用(地下鉄・送電線鉄塔・地下駐車場)に活用され、不動産証券化・大規模開発案件では独立した担保権として機能します。不動産鑑定士・司法書士試験では地上権・区分地上権・賃借権の物権的効力の差異が実務計算問題として出題されます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

関連論点

借地権・地上権と登記頻出度B

権利関係の他の問題

1
民法総則
2
民法総則
3
民法総則
4
民法総則
5
民法物権
6
民法物権
権利関係の一覧

科目別に解いて、宅建士に合格

4科目のオリジナル問題。各問に根拠条文・国土交通省ガイドライン・RETIO通達とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。