宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 権利関係 問65|借家権の対抗要件と引渡し

問題

宅建士 | 権利関係 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

建物の賃貸借における対抗要件に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

建物賃借権は、建物の引渡しを受けていれば登記なしに第三者に対抗できます(借地借家法31条)。競売による競落人も「第三者」に含まれますが、抵当権設定前に引渡しを受けていれば対抗できます。よってアが正答です(ただし抵当権設定後の引渡しの場合は対抗できない点に注意)。

借地借家法31条1項は「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる」と定めます。競落人(競売による建物所有権取得者)は「物権を取得した者」に含まれます。アは抵当権設定前の引渡しという前提を明示しており、正確であり正答。イについて、抵当権設定後に引渡しを受けた賃借人は、競落人(抵当権実行後の取得者)には対抗できません(短期賃貸借保護制度廃止・2004年改正)。「常に新所有者に対して対抗できる」とするイは誤り(抵当権設定後の引渡しは対抗不可)。ウについて、抵当権設定後に引渡しを受けた場合は、競落人に対して賃借権を対抗できません(2004年改正で短期賃貸借保護制度廃止)。「設定後でも対抗できる」とするウは誤り。エについて、借地借家法31条の適用範囲について、期間の長短(3か月等)による除外はなく、借地借家法上の建物賃貸借であれば引渡しで対抗要件を具備できます。「3か月未満は保護対象外」とするエは誤り。

建物賃借権の対抗要件(借地借家法31条)と抵当権の関係は宅建試験の重要事項です。2004年民法改正(短期賃貸借保護制度廃止)以降の整理として、①抵当権設定前の賃貸借:競落後も賃借権が存続(賃借権が先行)、②抵当権設定後の賃貸借:競落人は賃借権を引き受けず(賃借人に明渡し請求可)、の2分類が基本です。また、抵当権者に対抗できない賃貸借であっても、競売手続の開始前から建物を使用収益している賃借人は、買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは建物を引き渡す必要がありません(民法395条1項:明渡猶予制度)。実務上は競売不動産を購入する際(任意売却・競売)に建物の賃借人の有無・賃借権の成立時期(抵当権設定前後)・引渡しの有無を確認することが重要です。不法占拠者(占有者)がいる場合は明渡し訴訟・執行が必要になり購入コスト・期間に影響します。宅建業者が競売物件の媒介をする場合(競売情報の提供等)、重要事項説明において占有状況・賃借権の内容・明渡し見通しの説明義務が生じます。

抵当権に後れる賃貸借でも対抗できる例外として、登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつその同意の登記があるときは、同意をした抵当権者に対抗できます(民法387条1項)。抵当権者がこの同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他同意によって不利益を受けるべき者の承諾が必要です(同条2項)。引渡しによる対抗要件(借地借家法31条)だけではこの制度は使えず、賃貸借の登記が前提である点に注意しましょう。明渡猶予(民法395条1項)の対象となる「抵当建物使用者」は、①競売手続の開始前から使用又は収益をする者と、②強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者です。猶予期間中も建物使用の対価を支払う必要があり、買受人が相当の期間を定めて1か月分以上の支払を催告したのに、その期間内に支払わないときは、猶予を受けられなくなります(同条2項)。明渡猶予は、賃借権を買受人に対抗させる制度ではなく、買受けの時から6か月間の引渡しを猶予するにとどまる点も押さえておきましょう。試験では「抵当権設定後の引渡しでも対抗できる」「明渡猶予中は対価の支払が不要」のような記述がひっかけの典型です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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