宅建士 権利関係 問66:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
借地権の地代増減請求(借地借家法11条)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア借地権設定者(地主)Aは、公租公課の増加・地価上昇等の事情変更があれば、借地権者Bの同意なく一方的な意思表示で地代を直ちに増額することができる。
- イ地代増減請求(借地借家法11条)の不合意の場合、調停・裁判で確定するが、裁判確定まで借地権者Bは「相当と認める額」の地代を支払えば地代不払い(解除事由)にはならない。正答
- ウ一定期間地代を増額しない旨の特約は、定期借地権でのみ有効であり、普通借地権では無効とされる。
- エ地代増減請求は、最後の地代改定から1年以上経過しなければ請求できない。
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地代増額請求後、当事者間で合意に至らない場合でも、借地権者は「相当と認める額」を支払えば地代不払いによる解除は成立しません(借地借家法11条2項)。裁判確定後に差額と利息を精算します。よってイが正答です。
借地借家法11条2項は「地代について増額の請求があった場合において、当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める地代を支払えば足りる」と定めます。イは正確であり正答。アについて、地代増額請求(借地借家法11条)は一方的意思表示(形成権的な請求)ですが、直ちに地代が増額されるわけではなく、相手方が同意しなければ調停・裁判で確定します。「直ちに増額できる」とするアは誤り。ウについて、一定期間地代を増額しない旨の特約は借地借家法11条1項ただし書によれば「一定の期間地代を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」と定めており、普通借地権でも有効です(特約の内容として「増額なし期間」を定めることが認められる)。「普通借地権では無効」とするウは誤り。エについて、地代増減請求に「最後の改定から1年以上」という要件は借地借家法11条には規定されていません(建物賃料と異なり期間制限規定なし)。エは誤り。
地代増減請求(借地借家法11条)の構造は建物賃料増減請求(借地借家法32条)と類似しています。判断基準は①租税その他の公課の増減、②土地の価格の上昇または低下その他の経済事情の変動、③近傍類似土地の地代・借賃との比較(不動産鑑定評価の「継続賃料の手法」)です。増額請求後の協議不調時の暫定支払い(借地借家法11条2項:相当と認める額)と、裁判確定後の差額+年1割利息の精算(借地借家法11条2項後段)は建物賃料(借地借家法32条2項)と同構造です。地代不払いによる借地権解除(民法612条・541条)については、信頼関係破壊の法理(最判昭和39.7.28等)が適用され、単に1〜2か月の地代滞納では解除が認められない場合が多い(継続的関係の保護)です。ただし長期不払い・支払い意思のない滞納は解除事由となります。定期借地権における地代については、一般定期借地権(50年以上)では当初は低地代設定・後期に増額という長期設計が一般的です。事業用定期借地権では変動地代条項(物価スライド条項等)を設ける場合が多く、地代増減請求権(借地借家法11条)との関係(特約優先か請求権優先か)が実務問題です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。