宅建士 権利関係 問67:借地借家法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
借地権が終了した場合の建物収去義務と原状回復に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア借地権が期間満了によって終了した場合、借地権者は直ちに建物を収去して土地を明け渡す義務があり、猶予期間はない。
- イ建物買取請求権(借地借家法13条)を行使して地主が建物を買い取った場合でも、借地権者は建物を自ら解体して土地を明け渡さなければならない。
- ウ地主Aが借地権者Bの債務不履行(地代不払い)を理由に借地契約を解除した場合、Bは建物買取請求権を行使することができない(借地借家法13条の規定の解釈上)。正答
- エ借地権の存続期間が満了し地主が正当事由ある更新拒絶をした場合でも、借地上に第三者Cが居住している場合は地主はCに対して退去を請求することができない。
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借地権者が地代不払い等の債務不履行で解除された場合、裁判所の判例では建物買取請求権を行使できないとされています(借地権者の不誠実な行動への制裁的考慮)。よってウが正答です。
建物買取請求権(借地借家法13条1項)は「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる」と定めます。最判昭和35.2.9等は、借地権者の債務不履行(地代不払い)による解除の場合は「借地権者の信義則に反する行動」として建物買取請求権の行使を認めませんでした。ウは判例法理を正確に述べており正答。アについて、更新拒絶後・建物買取請求権行使後、借地権者は建物代金支払いを受けるまで留置権(民法295条:建物に関する債権)を行使して土地明渡しを拒むことができます。「直ちに明け渡さなければならない」とするアは誤り(留置権の行使が認められる)。イについて、建物買取請求権を行使した場合、建物は地主Aに売却されて所有権が移転します。借地権者Bが建物を解体する義務はなく(地主の所有物になる)、むしろ解体は権利侵害となります。「自ら解体して明け渡さなければならない」とするイは誤り。エについて、借地権が終了した場合、建物に居住する第三者C(転借人・建物賃借人)への退去請求は地主から直接行うことができます(物権的請求権)。「退去を請求できない」とするエは誤り(ただし転借人保護の問題はあり)。
借地権終了後の建物収去・土地明渡し問題は実務上最も紛争が多い領域の一つです。建物収去・土地明渡し請求(土地所有権に基づく物権的返還・妨害排除請求)は借地権終了後の占有継続者(借地権者・建物居住者)に対して行使できます。留置権(民法295条)の問題として、建物買取請求権行使後の代金支払い前の段階では、建物に関して生じた債権(買取代金)があることを理由に、建物を留置して土地明渡しを拒否できると解されています。ただし「建物の代金債権」と「土地の占有」の牽連性については争いがあります。建物収去土地明渡しを命じる判決に基づく強制執行(建物収去)は、借地権者が任意に行わない場合、代替執行(民事執行法171条)によって業者が解体し費用を借地権者に請求する方法がとられます。転借人(建物賃借人)がいる場合の処理については、①地主は建物(借地権者の所有)を通じて転借人に退去を求める、②借地権終了を転借人に通知(借地借家法35条)、③転借人保護(借地借家法35条の通知から6か月の居住継続)の問題があります。宅建実務では、借地権存続中の借地付き建物売買において将来の借地権終了時の対応(更新交渉・建物買取請求・原状回復)の見通しを重要事項説明に含めることが必要です。令和3年民法改正(所有者不明土地問題)では、借地権者の死亡により借地権が数人に相続された場合の「共有借地権の処分」に関する規律が整備されました。行政書士・司法書士試験では借地権終了後の権利関係と強制執行手続(代替執行・間接強制)の選択基準が問われます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。