権利関係70借地借家法

宅建士 権利関係 問70:借地借家法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

借地借家法における「借地権者・借家人に不利な特約の効力」に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 借地権の存続期間を15年とする特約は、借地権者に不利な特約として無効であり、30年の存続期間とみなされる。
  • 建物賃貸借において、「賃借人は更新請求ができない」旨の特約は、定期建物賃貸借でなくても有効である。
  • 建物賃貸借において、「賃料増減請求権を放棄する」旨の特約は、「増額しない」旨の特約として片面的な強行規定(借地借家法32条1項ただし書)で有効とされるが、「減額しない」旨の特約は賃借人に不利であり無効となる。正答
  • 借地借家法の強行規定に反する特約は、常に全体として無効となり、一部有効とはならない。
正答:建物賃貸借において、「賃料増減請求権を放棄する」旨の特約は、「増額しない」旨の特約として片面的な強行規定(借地借家法32条1項ただし書)で有効とされるが、「減額しない」旨の特約は賃借人に不利であり無効となる。

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建物賃料の「増額しない特約」は有効ですが(借地借家法32条1項ただし書)、「減額しない特約」は賃借人に不利であり無効です。宅建業者として、片面的強行規定(借地人・借家人側にのみ有利)の方向性を正確に把握することが重要です。よってウが正答です。

標準試験対策の基準レベル

借地借家法32条1項は「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」と定めます。ウは増額しない特約は有効(賃貸人に不利方向は許容)・減額しない特約は賃借人に不利で無効、という片面的強行規定の理解として正確であり正答。アについて、借地権の存続期間を「30年未満」とする特約は無効で30年とみなされます(借地借家法3条・9条)。「15年とする特約→無効→30年とみなされる」の結論は正確であり、アの記述の「30年とみなされる」部分は正確です。しかし「15年特約は借地権者に不利」の判断のみを述べており、本問の「最も適切なもの」としてウが正答。イについて、普通建物賃貸借における「更新請求不可」特約は借家人に不利であり無効です(借地借家法26条・28条の強行規定に反する)。「定期建物賃貸借でなくても有効」とするイは誤り。エについて、「常に全体無効」とするエは誤り(一部無効・一部有効の場合もある)。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

借地借家法の強行規定(片面的強行規定)の理解は宅建試験の重要論点です。強行規定(借地借家法9条・16条・21条・30条・37条等)は「借地権者・借家人に不利な特約を無効とする」ものであり、反対方向(地主・賃貸人に不利な特約)は有効とする片面的強行規定の構造をとります。借地権の強行規定(借地借家法9条):更新拒絶の要件(正当事由)を排除する特約・存続期間を30年未満とする特約・建物買取請求権を排除する特約等が無効。借家権の強行規定(借地借家法30条):更新拒絶の正当事由を不要とする特約・更新を排除する特約・造作買取請求権(強行規定とする説と任意規定とする説あり)。なお、定期借地権・定期建物賃貸借の各特別規定(借地借家法22条〜24条・38条)は強行規定を「一括で外す」制度であり、法定要件(書面・期間等)を満たせば強行規定の適用除外が認められます。片面的強行規定の「片面性」は、借地権者・借家人有利の方向には特約が認められる(例:存続期間を30年以上に延長・賃借人側からの解約権の留保)という意味です。宅建業者として、賃貸借契約書の特約条項が借地借家法の強行規定に反しないかチェックすることは媒介業務の義務の一部です。なお令和6年(2024年)改正民法(不法行為規定整備)には直接関係しませんが、借地借家法の片面的強行規定の解釈は不動産実務で頻繁に争われており、行政書士・司法書士試験では「強行規定・任意規定の区別と特約の効力」を組み合わせた多論点問題として出題されます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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