問題
区分所有建物の規約に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
規約の変更で一部の区分所有者が特別に不利益を受ける場合(特別の影響を受ける場合)、その区分所有者の承諾が必要です(区分所有法31条1項後段)。よってイが正答です。規約の設定・変更・廃止そのものは集会の特別決議で行い、規約は書面又は電磁的記録で作成しなければならないので、口頭の合意では足りません(区分所有法30条5項)。
区分所有法31条1項は、規約の設定・変更・廃止は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってすると定め(2026年4月1日施行の改正後)、同項後段で「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と定めます。イは正確であり正答。アについて、規約は「書面又は電磁的記録」により作成しなければなりません(区分所有法30条5項)。「口頭でも設定可能」とするアは誤り。ウについて、区分所有法46条1項は「規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる」と定めますが、賃借人(占有者)への規約の効力については区分所有法46条2項が「占有者は、建物またはその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う」と定め、使用方法に関する義務について規約の拘束力があります。ただし「当然に」全ての規約が及ぶわけではなく、義務を負う範囲が限定されているためウの断言は誤り。エについて、規約は「区分所有者相互間の事項」について定めることができ(区分所有法30条1項)、区分所有法に定める事項以外の「共同生活の利便を増進する事項」等も定めることが可能です。「区分所有法定の事項のみ」とするエは誤り。
区分所有法の規約(区分所有法30条〜33条)は管理組合の自治規範として機能します。規約の効力(区分所有法46条)は①区分所有者の承継人(特定承継人・包括承継人)、②占有者(建物の利用方法に関して)に及びます。「特別の影響」(区分所有法31条1項後段)の解釈として、一部の区分所有者に他の区分所有者と比較して不均衡な不利益が及ぶ場合が該当します。例として、特定の住戸への使用目的制限(ペット禁止から特定住戸のみ例外)・専用使用権の変更・共用部分の専用使用を廃止する変更等があります。「承諾」の要件について、区分所有法31条1項後段の承諾は「集会の特別決議(出席者の4分の3以上)に加えて」当該区分所有者個人の承諾が必要であり、集会決議のみでは足りません。なお、最初に建物の専有部分の全部を所有する者(分譲業者等)は、公正証書により、規約共用部分(4条2項)・規約敷地(5条1項)・専有部分と敷地利用権の分離処分に関する定め(22条1項ただし書等)など法律が定める事項に限って、単独で規約を設定できます(区分所有法32条)。宅建実務では、マンション売買に際して①管理規約の内容確認(使用規制・ペット・楽器・民泊禁止等)、②特別の影響を受ける規約変更がある場合の買主への説明、③区分所有者としての義務(管理費・修繕積立金・組合活動参加)の説明が重要事項説明の一部です。
規約の保管と閲覧も重要です。規約は管理者が保管し、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管します(区分所有法33条1項)。保管者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて規約の閲覧を拒めず(同条2項)、規約の保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません(同条4項)。一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができます(30条2項)。一部共用部分に関する事項を全員の規約で設定・変更・廃止する場合、その一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときはできません(31条2項)。規約は、専有部分・共用部分・敷地・附属施設の形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払った対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならず(30条3項)、区分所有者以外の者の権利を害することはできません(同条4項)。
- 建物の区分所有等に関する法律第31条・第30条・第46条・第32条・第33条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

