宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 権利関係 問77|管理費・修繕積立金の滞納と先取特権

問題

宅建士 | 権利関係 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

区分所有建物における管理費・修繕積立金の滞納に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

管理費や修繕積立金の滞納がある区分所有権が売買で移転した場合、新所有者(特定承継人)も前の所有者の滞納分を支払う義務を負います(区分所有法8条)。よってウが正答です。なお、滞納管理費等の債権には法律上当然に先取特権が成立し、区分所有権(共用部分の持分・敷地利用権を含む)と建物に備え付けた動産に及びます(区分所有法7条1項)。

区分所有法8条は「前条第1項に規定する債権(管理費等の滞納債権)は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」と定めます。滞納管理費は新所有者に引き継がれるためウは正確であり正答。アについて、区分所有法7条1項の先取特権は「区分所有者が共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権」(管理者又は管理組合法人の債権も同様)について、「債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に」認められます。「専有部分を差し押さえることを先取特権として当然に行使できる」は正確ではなく(先取特権の目的物は区分所有権及び動産)、アは誤り。イについて、区分所有法7条1項の先取特権は「区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む)及び建物に備え付けた動産」に及びます。「動産には効力が及ばない」とするイは誤り(動産にも及ぶ)。エについて、区分所有法7条の先取特権は法律上当然に成立する権利(法定先取特権)であり、公正証書等の事前合意は不要です。「公正証書が必要」とするエは誤り。

区分所有法7条・8条(管理費等の先取特権・特定承継人への請求)は宅建試験で重要な規定です。区分所有法7条1項の先取特権は、区分所有者間の共益費(管理費・修繕積立金・特別修繕費等)の徴収を確保するための法定先取特権(民法303条以下とは別に区分所有法が特別に設けた先取特権)です。先取特権の目的物は①区分所有権(専有部分とその共用部分の持分)、②建物に備え付けた動産(家具・電化製品等)であり、この先取特権は、優先権の順位及び効力については共益費用の先取特権(一般の先取特権)とみなされます(区分所有法7条2項)。区分所有法8条の「特定承継人への請求権」(滞納管理費の引継ぎ)が重要な理由は、区分所有権の売買において売主の滞納管理費が新所有者(買主)に当然引き継がれるためです。宅建実務では、売主の滞納管理費・修繕積立金の状況を重要事項説明で調査・開示する必要があります(宅建業法35条1項6号・施行規則16条の2)。滞納がある場合、買主は引渡し時点の残高の承継義務を負うため、売買代金と別途に精算するのが通常の実務です。マンション管理適正化法(2000年制定)は管理業者への登録義務・管理者への管理委託の規律を設け、管理の透明化を図っています。

先取特権の効力の細部として、区分所有法7条2項により共益費用の先取特権とみなされる結果、一般の先取特権と同じ扱いとなり、不動産について登記をしなくても特別担保を有しない債権者(一般債権者)には対抗できますが、登記をした第三者(登記した抵当権者等)には対抗できません(民法336条)。そのため、住宅ローンの抵当権が登記されているマンションでは、管理組合が先取特権を実行しても抵当権者に優先することはできず、回収が難しい場面があります。また、区分所有法7条3項が民法319条(即時取得の規定の準用)を準用しているため、建物に備え付けられた動産が債務者の所有物でなくても、先取特権者が善意無過失であれば先取特権が及び得ます。区分所有法8条は特定承継人「に対しても」請求できると定めるもので、滞納した元の区分所有者の債務がなくなるわけではありません。特定承継人には、売買による買主のほか競売による買受人も含まれると解されており、競売物件の購入時にも滞納管理費の有無の確認が欠かせません。さらに、区分所有者間の債権だけでなく、管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権にも同じ先取特権が認められます(区分所有法7条1項後段)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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