宅建士 権利関係 問78:区分所有法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
区分所有建物において区分所有者等が共同の利益に反する行為をした場合の措置に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア区分所有者が共同の利益に反する行為をした場合、他の区分所有者全員が集会を開かずとも直ちに専有部分の競売を請求することができる。
- イ区分所有者が共同の利益に反する行為(迷惑行為等)をやめるよう請求する場合、まず集会決議による「行為の停止等の請求」訴訟を提起し、その後に必要に応じて「使用禁止」「競売請求」へ段階的に進む。正答
- ウ専有部分の使用禁止(区分所有法58条)は、区分所有者及び議決権の各過半数の普通決議で請求訴訟を提起することができる。
- エ区分所有者が義務違反行為を繰り返した場合、管理組合は当該区分所有者の区分所有権を管理者が直接取得することができる(区分所有法60条)。
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区分所有法では義務違反行為への対応は段階的に定められています。まず行為の停止請求(区分所有法57条)→使用禁止請求(区分所有法58条)→競売請求(区分所有法59条)と進みます。よってイが正答です。
区分所有法57条〜60条の義務違反者への措置は3段階構造です。イは段階的対応の原則を正確に述べており正答。①行為の停止等の請求(区分所有法57条):集会普通決議(各過半数)→訴訟による行為停止・行為の結果除去・予防措置請求。②使用禁止の請求(区分所有法58条):集会特別多数決(各3/4以上)→相当期間の専有部分使用禁止訴訟請求。③区分所有権の競売請求(区分所有法59条):集会特別多数決(各3/4以上)→競売申し立て。アについて、競売請求(区分所有法59条)には集会の特別多数決(各3/4以上)の決議が必要です。「集会を開かずとも直ちに請求できる」とするアは誤り。ウについて、使用禁止請求(区分所有法58条)の提訴には区分所有者及び議決権の各3/4以上の特別多数決が必要です(区分所有法58条2項)。「過半数の普通決議で可能」とするウは誤り(3/4以上が必要)。エについて、区分所有法60条は「区分所有権の競売」(強制競売)の請求であり、管理者が直接区分所有権を取得する手続ではありません。「管理者が直接取得する」とするエは誤り。
区分所有法57条〜60条の義務違反者排除制度は区分所有者の基本的権利(所有権・居住権)を制限するため、厳格な要件と段階的な手続が設けられています。第1段階:行為の停止等の請求(区分所有法57条)。集会普通決議または訴訟で単独可能(区分所有法57条2項・3項)。専有部分への立ち入り・原状回復も含む。第2段階:使用禁止の請求(区分所有法58条)。集会特別多数決(各3/4以上)の決議を経て、訴訟で相当期間の専有部分使用禁止を請求。使用禁止中の管理費・修繕積立金支払義務は継続(所有権を保持しているため)。第3段階:競売請求(区分所有法59条)。集会特別多数決(各3/4以上)の決議を経て、競売申し立て。「他の区分所有者の特別の希望により」条件なしに引き受けることも可(区分所有法59条4項)。専有部分の引渡し命令等(区分所有法60条):区分所有者だけでなく占有者(賃借人等)が義務違反を行う場合の措置として占有者への引渡し請求があります(区分所有法60条)。実務上、マンション管理組合の法務対応において、段階的な措置手続(内容証明郵便→口頭での注意→集会決議→訴訟等)を管理規約・管理組合規則で明文化することが重要です。宅建業者は購入前に義務違反の経緯・係争中の案件の有無を調査・説明する義務があります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。