宅建士 権利関係 問79:区分所有法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
区分所有建物の滅失に伴う復旧及び建替えに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した大規模滅失の場合、各区分所有者は単独で建物の復旧を行うことができる。
- イ建物の価格の2分の1以下の部分が滅失した小規模滅失の場合、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決で復旧の決議をすることができる(区分所有法61条5項)。
- ウ建替え決議(区分所有法62条)は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数によってすることができる。正答
- エ建替え決議に賛成しなかった区分所有者は、いかなる場合も建物から退去させることができず、建替えの実施が妨げられる。
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建替えには厳格な要件が設けられており、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数決(特別多数決)が必要です(区分所有法62条1項)。よってウが正答です。
区分所有法62条1項は「集会において区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ当該建物の敷地若しくはその一部の土地に新たな建物を建築する旨の決議をすることができる」と定めます。ウは正確であり正答。アについて、大規模滅失(価格の1/2超)の場合の復旧は、各区分所有者が単独でできるのではなく、集会の特別多数決(各3/4以上)が必要です(区分所有法61条5項)。単独では各区分所有者は復旧工事を行うことはできません(区分所有法61条1項:小規模滅失の場合に各区分所有者が単独で共用部分の保存行為として可能な範囲がある)。「単独で復旧できる」とするアは誤り。イについて、小規模滅失(価格の1/2以下)の場合は「各区分所有者が単独で復旧の保存行為を行うことができる」(区分所有法61条1項ただし書)のが原則であり、集会の普通決議でも対応可能です(区分所有法61条4項)。「各4分の3以上が必要」とするイは誤り(小規模滅失の通常の復旧は過半数で足りる)。エについて、建替え決議に賛成しなかった区分所有者に対しては、決議賛成者が「区分所有権及び敷地利用権を時価で買い取る旨の申し出」を行い、時価での買取りを通じて参加しないことを認めています(区分所有法63条)。退去・強制排除ではなく時価補償が原則です。「いかなる場合も退去させられない」とするエは誤り(時価補償で解決可能)。
区分所有法の滅失・復旧・建替えのスキームは、区分所有建物の経年劣化と大規模災害後の対応において重要な制度です。【復旧(区分所有法61条)】小規模滅失(1/2以下):①各区分所有者が独自に保存行為として復旧可(区分所有法61条1項)、②集会普通決議(各過半数)で集合的に復旧決議可(区分所有法61条4項)。大規模滅失(1/2超):集会特別多数決(各3/4以上)による復旧決議が必要(区分所有法61条5項)。復旧に参加しない者は買取請求または売渡し請求が可能(区分所有法61条6〜9項)。【建替え(区分所有法62条)】建替え決議(各4/5以上)の後、賛成者が不賛成者(区分所有法62条・63条)に対して「区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すよう催告」し、応じない場合は「売渡し請求権」行使(時価強制売買)が可能(区分所有法63条4項)。建替え後の新建物は既存の制限(抵当権等)が消滅するため、融資機関との調整が必要です。2002年改正後の「マンション建替え円滑化法」(2002年制定・2014年改正)は都市計画事業として一定の補助制度・容積率緩和を設け、老朽化マンションの建替えを促進しています。宅建実務では、築年数の古い物件の媒介では、建替え計画の有無・積立金の状況・大規模修繕の履歴を調査する義務があります。2023年以降の令和5年マンション管理適正化法改正では老朽化マンションの管理不全認定制度が強化されており、マンション管理士・管理業務主任者試験では大規模滅失(価格1/2超)と小規模滅失(1/2以下)の復旧手続の違い・建替え決議(4/5以上)との区別が頻出の比較論点として出題されます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。