問題
マンションの建替え決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
建替え決議の集会では、新たに建築する建物の設計の概要・費用の概算・費用の分担案・再建建物の区分所有権の帰属案を定める必要があります(区分所有法62条4項)。ウが正答です。建替え決議の集会の招集通知は、通常の集会より早く、会日の少なくとも2か月前に発しなければなりません(同条6項)。
区分所有法62条4項は、建替え決議においては、①新たに建築する建物(再建建物)の設計の概要、②建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額、③費用の分担に関する事項、④再建建物の区分所有権の帰属に関する事項を定めなければならないと規定します(2026年4月1日施行の改正で2項から4項に移動)。ウは正確であり正答。アについて、建替え決議のための集会招集通知は「当該集会の会日より少なくとも二月前」に発しなければなりません(区分所有法62条6項。規約で伸長可)。さらに会日の少なくとも1か月前までに説明会を開催する必要があります(同条8項)。通常の集会通知(1週間前)より大幅に早い事前通知が義務付けられています。「1週間前で足りる」とするアは誤り(2か月前が必要)。イについて、建替え決議に賛成しなかった区分所有者に対しては、集会を招集した者が建替えに参加するか否かを書面で催告し(区分所有法63条1項)、2か月以内に回答しない者は参加しない旨を回答したものとみなされ(同条3項・4項)、その後2か月以内に賛成者等が区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すよう請求できます(同条5項)。時価での売渡し請求による解決であり「直ちに強制的に退去」させることはできません(明渡しについて裁判所が1年以内の期限を許与する場合もある:同条6項)。イは誤り。エについて、再建建物の区分所有権の帰属は決議で定め(区分所有法62条4項4号)、不参加者の区分所有権及び敷地利用権は売渡し請求によって賛成者等に移転します(区分所有法63条5項)。「自動的にすべての持分を取得する」とするエは誤り(所定の手続が必要)。
建替え決議(区分所有法62条)は、所有権の強制的変換を伴う重大な決議であるため、厳格な要件と手続が設けられています。決議要件:区分所有者(議決権を有しないものを除く)及び議決権の各5分の4以上(62条1項)。2026年4月1日施行の改正で、耐震性不足・火災安全性不足・外壁等の剥落のおそれ・給排水設備の損傷等・バリアフリー基準不適合に該当する建物は各4分の3以上に緩和されました(同条2項)。決議内容(区分所有法62条4項):①再建建物の設計概要、②費用概算(取壊し+建替え)、③費用分担、④再建建物の区分所有権帰属。事前通知義務(区分所有法62条6項):会日の少なくとも2か月前に通知(通常の集会1週間前より長い)。説明会は会日の少なくとも1か月前まで(同条8項)。不参加者への対応(区分所有法63条):①催告(賛成または不参加確定の回答を2か月以内に求める)、②売渡し請求(不参加確定後2か月以内に時価で売渡し請求可)。マンションの建替え等の円滑化に関する法律は、建替組合による事業やマンション敷地売却制度(2014年改正で耐震性不足のマンションを対象に創設)などを定めています。宅建実務では、築40年超のマンション等を仲介する際、建替え計画の有無・管理組合の方針の調査が重要です。マンション管理士・管理業務主任者試験では、建替え決議の2か月前通知・説明会・売渡し請求の期限・決議事項(4項目)を正確に問う出題が見られます。
招集通知では、会議の目的たる事項と議案の要領のほか、①建替えを必要とする理由、②建替えをしないとした場合における建物の効用の維持又は回復に要する費用の額とその内訳、③修繕に関する計画が定められているときはその内容、④修繕積立金として積み立てられている金額も通知しなければなりません(区分所有法62条7項)。決議事項のうち費用の分担と再建建物の区分所有権の帰属は、各区分所有者の衡平を害しないように定める必要があり(同条5項)、建替え決議をした集会の議事録には、各区分所有者の賛否も記載し、又は記録しなければなりません(同条10項で61条6項を準用)。売渡し請求の後、明渡しによって生活上著しい困難を生ずるおそれがある等の場合は、裁判所が、代金の支払又は提供の日から1年を超えない範囲で明渡しの期限を許与できます(63条6項)。また、建替え決議の日から2年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、区分所有権等を売り渡した者は、正当な理由がある場合を除き、その期間満了の日から6か月以内に、代金相当額を提供して区分所有権等を売り渡すよう請求できます(同条7項)。「2か月前」「1か月前」「2か月以内」「1年」「2年」「6か月」と数字が多い分野なので、手続の順に並べて覚えましょう。
- 建物の区分所有等に関する法律第62条・第63条e-Govで原文を読む
- マンションの再生等の円滑化に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

