宅建士 権利関係 問80:区分所有法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンションの建替え決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア建替え決議のための集会の招集通知は、集会の1週間前までに各区分所有者に発すれば足り、通常の集会招集と同様の手続で足りる。
- イ建替え決議において区分所有者及び議決権の各5分の4以上が賛成した場合、反対した区分所有者は直ちに強制的に退去させることができる。
- ウ建替え決議で定めるべき事項には、新たに建築する建物(再建建物)の設計の概要が含まれる(区分所有法62条2項2号)。正答
- エ建替え決議が成立した場合、集合住宅の敷地(共有地)について、賛成した区分所有者全員が自動的にすべての敷地持分を取得する。
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建替え決議の集会では、新たに建築する建物の設計の概要・費用の概算・費用の分担案・再建建物の区分所有権の帰属案を定める必要があります(区分所有法62条2項)。ウが正答です。
区分所有法62条2項は「建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。一 新たに建築する建物(再建建物)の設計の概要、二 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額、三 費用の分担に関する事項、四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」と定めます。ウは正確であり正答。アについて、建替え決議のための集会招集通知は「少なくとも会日の2か月前」に発しなければなりません(区分所有法62条4項)。通常の集会通知(1週間前)より大幅に早い事前通知が義務付けられています。「1週間前で足りる」とするアは誤り(2か月前が必要)。イについて、建替え決議成立後に賛成しない区分所有者に対しては、決議参加者等から「区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すよう催告」され、期限内に賛成等の回答をしない場合「売渡し請求権」が行使されます(区分所有法63条4項)。時価での売買による解決であり「直ちに強制的に退去」させることはできません。イは誤り。エについて、建替え決議成立後の敷地持分の処理は「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」として決議で定めます(区分所有法62条2項4号)。反対者が売渡し請求に応じた後、その持分が賛成者等に移転します(区分所有法63条4〜6項)。「自動的にすべての持分を取得する」とするエは誤り(所定の手続が必要)。
建替え決議(区分所有法62条)は、所有権の強制的変換を伴う重大な決議であるため、厳格な要件と手続が設けられています。決議要件:区分所有者の頭数及び議決権の各5分の4以上(2022年の改正議論:高齢化・高経年マンション対策として引き下げ論あり、現行法は4/5以上維持)。決議内容(区分所有法62条2項):①再建建物の設計概要、②費用概算(取壊し+建替え)、③費用分担方法、④再建建物の区分所有権帰属。事前通知義務(区分所有法62条4項):2か月前通知義務(通常の集会1週間前より長い:大規模決議への準備期間確保のため)。不参加者への対応(区分所有法63条):①催告(賛成または不参加確定の回答を2か月以内に求める)、②売渡し請求(不参加確定後2か月以内に時価で売渡し請求可)。2014年の「マンション建替え円滑化法」改正では、耐震性不足のマンションに対して一定の容積率緩和(用途地域内の制限の緩和)を受ける特例(マンション敷地売却制度)が創設されました。宅建実務では、築40年超のマンション等を仲介する際、建替え計画の有無・管理組合の方針・近隣の建替え事例の調査が媒介の付加価値を高めます。2022年の「マンション建替え等の円滑化に関する法律」改正では耐震性不足に加えて外壁等の老朽化を理由とした「マンション敷地売却制度」の対象拡大が行われており、マンション管理士・不動産鑑定士試験では建替え決議の2か月前通知義務・売渡し請求権の行使期限・費用分担案の決議内容の4要件を正確に問う出題が増えています。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。