宅建士 権利関係 問84:区分所有法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
区分所有建物(マンション)の売買と第三者対抗要件に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア区分所有権(専有部分)の二重売買において、先に売買契約を締結した者は、登記なしに後から取得した者に対して所有権を主張することができる。
- イ区分所有権(専有部分)の売買による取得を第三者に対抗するためには、専有部分の所有権移転登記が必要である(不動産登記法・民法177条)。正答
- ウ管理費の滞納がある区分所有権を売買で取得した場合、買主(新区分所有者)は前所有者の滞納管理費の支払い義務を一切負わない。
- エ区分所有権の売買に際して、その区分所有権に設定されている抵当権は、売買契約と同時に自動的に消滅する。
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区分所有権(専有部分)も不動産(民法86条)ですので、所有権移転を第三者に対抗するためには所有権移転登記が必要です(民法177条・不動産登記法)。よってイが正答です。
民法177条は「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ第三者に対抗することができない」と定め、区分所有権(専有部分:建物の独立した部分)も不動産として同様に扱われます。イは正確であり正答。アについて、不動産の二重売買においては先契約者も後取得者も、登記なしに相互に対抗できません(民法177条・対抗問題:「登記なき者は第三者に対抗不可」)。「登記なしに主張できる」とするアは誤り(先に登記した者が優先)。ウについて、区分所有法8条は「管理費等の滞納債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」と定め、買主(新区分所有者)は前所有者の滞納管理費の支払い義務を承継します。「一切負わない」とするウは誤り(区分所有法8条により承継する)。エについて、売買によって抵当権が自動的に消滅することはありません。抵当権は、被担保債務の弁済(抵当権者の抹消承諾)・競売による消滅または抵当権消滅請求(民法379条)によって消滅します。「自動的に消滅する」とするエは誤り(抹消手続が必要)。
区分所有権の売買と対抗問題(民法177条)は宅建実務の核心事項です。区分所有権(専有部分)の登記は不動産登記法上の「区分建物の所有権の登記」(不動産登記法44条1項各号)に該当し、専有部分ごとに独立した登記記録が作成されます(一棟の建物の登記記録とは別個独立)。区分所有権の登記記録の構成:①表題部(建物の表示:専有部分の建物の表示・敷地権の目的たる土地の表示・敷地権の表示)、②権利部甲区(所有権に関する事項:所有権移転)、③権利部乙区(所有権以外の権利:抵当権・地上権・賃借権等)。区分所有権の取得者(買主)の義務承継(区分所有法8条)は実務上の最重要リスクです。前所有者の滞納額の確認方法:管理組合または管理会社への残高証明書の取得が必須です。なお区分所有法8条の特定承継人への請求権は、贈与・遺贈による取得者にも及びます(最判平成16年3月25日:「特定承継人には売買・遺贈・贈与等の一切の特定承継が含まれる」)。宅建業法35条1項6号・施行規則16条の2第7号により、宅建業者は管理費・修繕積立金の滞納額を重要事項として説明する義務があります。前所有者の滞納額を調査せずに売買を成立させた場合、宅建業者は損害賠償責任(宅建業法47条の2)を問われるおそれがあります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。