権利関係9民法物権

宅建士 権利関係 問9:民法物権

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが媒介する宅地の売買において、隣地との相隣関係が問題となる場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • 他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)の所有者は、囲繞地の所有者の承諾を得た上で通行することができるが、通行料を支払う義務はない。
  • 袋地の所有者が、分割によって生じた袋地の場合は、分割された土地のうち公道に通じる土地のみを通行路として使用でき、他の分割された土地の所有者に対して通行料を支払う必要はない。正答
  • 土地の所有者は、隣地の竹木の根が越境した場合、自らこれを切り取ることができるが、隣地の竹木の枝が越境した場合は、相手方に切除を請求することしかできない。
  • 土地の所有者は、ライフラインの設備(電気・ガス・水道管)を設置するために隣地を使用する必要がある場合、隣地の土地所有者の承諾がなければ隣地に立ち入ることができない。
正答:袋地の所有者が、分割によって生じた袋地の場合は、分割された土地のうち公道に通じる土地のみを通行路として使用でき、他の分割された土地の所有者に対して通行料を支払う必要はない。

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袋地の通行権では、分割によって生じた袋地は、分割前の土地(分割された一方の土地)のみを通行できます。この場合、他の分割土地の所有者には通行料を払わなくてよい(無償通行)のが特則です。イが正答です。通常の袋地通行権では、通行料を支払う義務があります(アが誤り)。

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囲繞地通行権(民法210条以下)は、袋地所有者が公道への通行のため周囲の土地を通行できる権利です。民法212条は通行者が損害に対して償金(通行料)を支払う義務を原則として定めます。アの「通行料支払い義務なし」は誤り(有償通行が原則)。イについて、民法213条1項は「分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない」と定めます。分割による袋地は分割前土地のみを無償通行できるためイが正答。ウについて、2021年改正民法(233条改正・2023年4月施行)では竹木の枝の越境についても、①相手方への催告後に相当期間内に切除されない場合、②相手方不明の場合、③急迫の事情がある場合には、自ら切り取ることができるようになりました。「請求することしかできない」とするウは改正後は誤り。エについて、2021年改正民法209条(隣地使用権)は、ライフライン設備設置のための隣地使用を認めており、隣地所有者の承諾なしに(一定の事前通知後に)隣地に立ち入ることができます。「承諾がなければ立ち入れない」とするエは誤り。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

2021年改正民法(2023年4月1日施行)は相隣関係規定を大幅に改正しました。宅建試験でも改正後の規定が問われます。主な改正点として、①隣地使用権(民法209条改正):ライフライン設備設置・修繕のための隣地使用権が明文化され、所有者不明土地の問題解決に寄与。②竹木の切除(民法233条改正):従来「枝は請求のみ・根は自ら切取可」だったものを、一定条件下(催告後相当期間経過・不明・急迫)では枝も自ら切除可能に変更。③ライフライン設備設置権(民法213条の2・213条の3新設):電気・ガス・水道等の継続的給付を受けるために他の土地を使用する権利(ライフライン設備設置権)が明文化。これにより相隣地を通過する配管工事等の法的根拠が整備されました。囲繞地通行権(民法210条~213条)については、袋地の形成原因によって通行権の内容が異なります。分割(民法213条)・譲渡による袋地(判例:最判昭和36.3.24で分割と同様の取扱い)では、分割・譲渡で生じた他の土地のみを通行でき無償通行となります。袋地状態が道路の廃止・変更等によって生じた場合は各囲繞地を有償で通行できます。宅建実務では、接道義務(建築基準法42条・43条)との関係で、建築可能かどうかの判断に囲繞地通行権の存在が影響する場合があり、重要事項説明での説明が求められます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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