宅建士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

宅建士 宅建業法 問92|担保責任の特約が無効となった場合の効果

問題

宅建士 | 宅建業法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

宅建業者Aが自ら売主として一般消費者Bと締結した宅地の売買契約(代金5,000万円)において、「引渡しの日から1年以内に通知しないときは契約不適合責任を追及できない」旨の特約を定めた場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

「引渡しの日から1年以内に通知」という特約は、40条が認める「引渡しの日から2年以上」の例外に当たらず、民法566条の「知った時から1年」より買主に不利なので、40条2項により無効です。無効になった特約は無かったことになり、民法566条の原則(知った時から1年以内に通知)に戻ります。エが正答です。期間の制限が丸ごと消えるわけではありません(アは誤り)。40条は買主が宅建業者でない場合に適用される規定です(イは誤り)。無効になったときに「2年」へ自動的に置き換える規定もありません(ウは誤り)。

40条1項の条文を確認します。「宅地建物取引業者は…その不適合を担保すべき責任に関し、民法第五百六十六条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない」。本問の特約は「引渡しの日から1年」であり、2年以上という例外要件を満たさず、民法566条の「知った時から1年」より買主に不利(不適合を知るのが引渡しから時間がたった後でも、引渡しから1年で権利を失う)なので、40条2項「前項の規定に反する特約は、無効とする」により無効です。民法566条は「買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」と定めています。ア:特約が無効になれば民法566条が適用されるので、期間の制限が一切なくなるわけではない→誤り。イ:40条は宅建業者が自ら売主となる売買に適用され、買主が宅建業者である取引には78条2項により適用されない。「買主が業者の場合に限り無効」は逆→誤り。ウ:特約が無効になった場合に「2年間に自動的に延長される」という規定はない→誤り。エ:無効な特約に代わって民法566条の原則が適用される→正答。

40条2項により無効となった特約の後には、原則どおり民法566条の期間制限(買主が不適合を知った時から1年以内の通知)が適用されます。「引渡しの日から2年間」という数字は、40条1項が例外として許容する特約の最低限度(下限)を示すものであって、特約が無効になった場合の補充規定ではありません。両者を混同すると、無効な特約があった場合に常に「2年」が自動的に適用されると誤解しがちですが、40条が定めているのは「業者が特約で定めてよい最低ライン」であり、特約自体が無効になった場合は、特約がそもそも存在しなかったものとして民法の原則に戻ります。具体的には、①民法566条本文により、買主が不適合を知った時から1年以内に通知しなければ権利を行使できなくなり、②同条ただし書により、売主が引渡しの時に不適合を知り又は重大な過失によって知らなかったときはこの通知期間の制限もかからず、③これとは別に、債権の消滅時効の一般原則(民法166条1項:権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時から10年)もかかります。したがって、アのように「期間の制限が一切なくなる」わけでも、ウのように「2年に置き換わる」わけでもありません。この整理は、宅建業法40条が「特約による修正を認めた上でその下限を画する」規定であり、「特約が無効なら法定の代替期間に自動的に置き換わる」という補充規定ではない、という条文の性質を正確に理解しているかを問う重要論点です。なお、40条1項の「引渡しの日から二年以上となる特約」は、起算点を「知った時」から客観的な「引渡しの日」に移す代わりに、最低2年の期間を買主に保障するものです。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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