問題
AはBからマンション(区分建物・建物部分の固定資産税評価額1,500万円)を2,000万円で購入し、同時に金融機関Cから1,800万円の融資を受けて抵当権を設定した。登録免許税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、租税特別措置法による軽減税率(住宅用家屋の特例・土地の売買の特例)は適用しないものとし、敷地(敷地権)の登記は考慮しないものとする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
所有権移転登記の課税標準は「固定資産税評価額1,500万円」です(ア正答)。売買価格2,000万円ではありません(イ誤り)。抵当権設定登記の課税標準は「債権額1,800万円」であり、評価額でも売買価格でもありません(ウ・エ共に誤り)。税率は特例がなければ所有権移転(売買)2%・抵当権設定0.4%です。
所有権移転登記の課税標準は不動産の価額で、当分の間は固定資産税評価額を基礎とします(登録免許税法10条1項・附則7条):1,500万円×2%(特例なし)=30万円(ア正答)。イの「売買価格2,000万円」は課税標準とならず誤りです。抵当権設定登記の課税標準は「債権金額」(登録免許税法別表第一1(5)):1,800万円×0.4%=7.2万円が正しい計算です。ウ(評価額1,500万円×0.4%)・エ(売買価格2,000万円×0.4%)はいずれも課税標準が誤りです。本問で正答はアです。なお住宅特例(個人居住用・令和9年3月31日までの取得)を適用すれば、建物の所有権移転は1,500万円×0.3%=4.5万円、抵当権設定は1,800万円×0.1%=1.8万円となります(本問は特例なし)。実際のマンション購入では敷地権(土地)の移転登記も必要で、土地の売買には令和11年3月31日まで1.5%の軽減税率があります(租税特別措置法72条)。
本問の正確な計算(特例なし):①所有権移転登記:課税標準=固定資産税評価額1,500万円、税率2.0%、税額30万円。②抵当権設定登記:課税標準=債権額1,800万円、税率0.4%、税額7.2万円。合計37.2万円が登録免許税の総額となります(司法書士手数料等は別)。住宅特例適用時の計算(個人・自己居住・床面積50㎡以上・新耐震等):①所有権移転0.3%→1,500万円×0.3%=4.5万円。②抵当権設定0.1%→1,800万円×0.1%=1.8万円。合計6.3万円。特例適用の有無で30.9万円の差が生じます。これが「住宅特例の恩恵」として宅建試験でも強調される理由です。実務的な補足として、登記申請の際に登録免許税の計算を司法書士が行いますが、誤った税額での申請や印紙不足があると補正・還付の手続きが必要となります。固定資産税評価額が登録されていない新築建物の場合は「法務局の認定基準額」を使うため、実際の建設費用と乖離が生じる場合があります。
計算のルールも条文で確認しておきます。不動産の登記の課税標準は「登記の時における不動産の価額」で(登録免許税法10条1項)、当分の間は固定資産課税台帳に登録された価格を基礎として政令で定める価額によることができます(附則7条)。そのため、売買価格が評価額を上回っていても下回っていても、所有権移転登記の課税標準は売買価格にはなりません。抵当権の設定登記の課税標準は債権金額(根抵当権のように極度額を定めるものは極度金額)です(別表第一1(5))。課税標準の金額が1,000円に満たないときは1,000円とし(15条)、税率を適用して計算した金額が1,000円に満たないときは、登録免許税の額は1,000円となります(19条)。納付は原則として現金で行いますが、税額が3万円以下の場合その他政令で定める場合は、その額の印紙を申請書に貼り付けて納付することができます(22条)。住宅用家屋の軽減税率は個人が自己の居住の用に供する家屋についての特例なので、法人が取得した場合には適用されません。試験では「課税標準は売買価格」「抵当権の課税標準は不動産の価額」「軽減税率は法人にも適用される」のような取り違えが典型的なひっかけです。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

