問題
居住用財産の譲渡損失に係る損益通算・繰越控除の特例に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
不動産の譲渡損失は原則として他の所得と通算できません(ア誤り)。オーバーローンの場合の特例(租税特別措置法41条の5の2)は買換え先の住宅を取得しなくても適用できるので、イは誤りです。損益通算そのものには合計所得金額の制限はないので、「3,000万円以下でなければならない」とするウは誤りです。一方、繰越控除には控除を受ける年分の合計所得金額が3,000万円以下であることが必要なので、エが正しい記述です。
土地・建物の譲渡所得の金額の計算上生じた損失は、原則として他の所得との損益通算が認められません(長期譲渡所得は租税特別措置法31条1項後段、短期譲渡所得は32条1項後段で、損失の金額は生じなかったものとみなされる・ア誤り)。居住用財産の譲渡損失については、買換えを伴う特例(同法41条の5)とオーバーローンの場合の特例(同法41条の5の2)の2種類があり、いずれも令和9年12月31日までの譲渡で、その年1月1日における所有期間5年超等の要件を満たせば、損益通算(各条1項)と翌年以後3年間の繰越控除(各条4項)ができます。41条の5の2(オーバーローン型)は買換え先住宅の取得を要件としていません(イ誤り)。合計所得金額3,000万円以下という所得制限は、両条文とも4項ただし書に規定されており、繰越控除を受ける各年分にのみ適用されます。損益通算を定める1項には所得制限がないため、「3,000万円以下でなければ損益通算できない」とするウは誤りで、エ(繰越控除の年分に所得制限がかかる)が正しい記述です(エ正答)。
居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除特例には、①特定居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除(租税特別措置法41条の5):所有期間5年超の居住用財産を譲渡し、床面積等の要件を満たす買換え先住宅を取得した場合に適用、②特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除(同法41条の5の2):所有期間5年超の居住用財産の譲渡価額を住宅ローン残高が上回る場合(オーバーローン)に、買換え先住宅の取得を要件とせず適用、の2種類があります。対象となる譲渡の期間は、41条の5が平成10年1月1日から、41条の5の2が平成16年1月1日から、いずれも令和9年12月31日までです(各条7項1号)。合計所得金額3,000万円以下という所得制限は両条文とも第4項ただし書に置かれており、その適用範囲は「繰越控除を受けようとする年分」に限定されます。つまり、損失が生じた年分に損益通算を行う際には所得制限が及ばず、高額所得者であっても損益通算自体は可能です。他方、翌年以後最大3年間の繰越控除については、各年分ごとに合計所得金額3,000万円以下であるかを判定し、超える年分は当該年分の繰越控除だけが認められません。条文の構造上「損益通算」と「繰越控除」で所得制限の有無が異なる点は宅建試験で誤答を誘発しやすい論点であり、41条の5と41条の5の2の共通点(所有期間5年超・3,000万円要件は繰越控除のみ)と相違点(買換え先住宅取得の要否)を条文の項番号まで含めて区別することが重要です。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

