問題
労働基準法に規定する年少者の保護に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はア(正しい記述)です。
満18歳に満たない者を使用する場合、使用者はその年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければなりません(第57条第1項)。この義務にアルバイト・パートタイマーを除く例外はありません。
イは誤りで、交替制で使用する満16歳以上の男性には深夜業禁止の適用除外があります(第61条ただし書)。ウは誤りです。映画製作・演劇事業で満13歳未満の児童を使用する場合も、通常の場合と同様に行政官庁の許可が必要です(第56条第2項後段「同様とする」)。エは誤りで、坑内労働の禁止に例外規定はありません(第63条)。オは誤りで、不利な労働契約の解除権は親権者・後見人のほか行政官庁も有します(第58条第2項)。
年少者保護の各条文が定める要件(第56条〜第63条):
| 条文 | 内容 | 例外・除外 |
|---|---|---|
| 第56条第1項 | 児童(満15歳に達した日以後最初の3月31日まで)の使用禁止 | 第2項の許可を受けた場合を除く |
| 第56条第2項 | 非有害・軽易な職業は行政官庁の許可を受け満13歳以上を修学時間外に使用可。映画製作・演劇は満13歳未満も同様(=許可を受ければ可) | いずれも行政官庁の許可が必要 |
| 第57条第1項 | 満18歳未満の年齢証明書(戸籍証明書)の備付義務 | 除外規定なし。雇用形態を問わない |
| 第58条第1項 | 親権者・後見人は未成年者に代わって労働契約を締結できない | — |
| 第58条第2項 | 労働契約が未成年者に不利と認める場合、親権者若しくは後見人又は行政官庁が将来に向かって解除できる | 解除権者は親権者・後見人に限られない |
| 第61条第1項 | 満18歳未満の深夜業(午後10時〜午前5時)禁止 | ただし書:交替制で使用する満16歳以上の男性は除外 |
| 第63条 | 満18歳未満の坑内労働の禁止 | 条文上、例外規定なし |
各選択肢の精査:
- ア(正): 第57条第1項に例外規定はなく、アルバイト・パートタイマーにも適用される。
- イ(誤): 第61条第1項ただし書により、交替制によって使用する満16歳以上の男性は深夜業禁止の適用除外となる。
- ウ(誤): 第56条第2項後段は「映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする」であり、通常の許可制度(行政官庁の許可)が同じく適用される。許可不要ではない。
- エ(誤): 第63条は「使用者は、満十八才に満たない者を坑内で労働させてはならない」と定め、非常災害時等の例外は条文上規定されていない。
- オ(誤): 第58条第2項は「親権者若しくは後見人又は行政官庁は…将来に向つてこれを解除することができる」と定め、行政官庁にも解除権がある。
【年齢証明書の備付義務(第57条)の射程】
第57条第1項は「使用者は、満十八才に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない」と定める。条文上、雇用形態(正社員・アルバイト・パートタイマー・日雇い等)による除外規定は一切なく、満18歳未満の労働者を一人でも使用すればこの義務が発生する。あわせて第57条第2項は、第56条第2項の許可を得て使用する児童について、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書の備付けも義務付けている。
【第56条第2項の許可制度:一般則と映画製作・演劇の関係】
第56条第1項は義務教育終了前の児童(満15歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまでの者)の使用を原則禁止する。第2項は例外として、①別表第一第1号〜第5号に掲げる事業以外の事業で、②児童の健康・福祉に有害でなく、③労働が軽易なものについて、行政官庁の許可を受け満13歳以上の児童を修学時間外に使用できるとする。後段の「映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする」は、対象年齢を13歳未満まで広げる特則であり、行政官庁の許可という手続要件そのものを免除するものではない。したがって子役タレント等の起用であっても許可手続は必要である。
【深夜業禁止(第61条)の除外規定の構造】
第61条第1項は満18歳未満の深夜業(午後10時〜午前5時)を禁止するが、ただし書で「交替制によつて使用する満十六才以上の男性については、この限りでない」と明記する。さらに同条には、厚生労働大臣が地域・期間を限って時刻を変更できる規定、交替制労働の事業について行政官庁の許可を受けて30分の時間差を設けられる規定、別表第一第6号・第7号・第13号の事業や電話交換の業務への不適用規定、児童(第56条第2項該当者)への時刻の読み替え規定など、複数の除外・特則が置かれている。試験対策としては「原則は例外なく18歳未満全員禁止」ではなく、「16歳以上男性の交替制」という限定された除外が存在する点を正確に押さえる必要がある。
【坑内労働禁止(第63条)の絶対性】
第63条は「使用者は、満十八才に満たない者を坑内で労働させてはならない」と定めるのみで、緊急性・一時性を理由とする例外規定は条文上存在しない。第56条の年少者使用の例外(行政官庁の許可)や第61条の深夜業の例外(交替制男性)のような限定的除外構造と異なり、坑内労働については絶対的な禁止規定である点が試験上の重要な区別点となる。
【未成年者の労働契約の解除権者(第58条第2項)】
第58条第1項は親権者・後見人による代理締結を禁止するのみだが、第2項は「親権者若しくは後見人又は行政官庁は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合においては、将来に向つてこれを解除することができる」と定め、解除権者を親権者・後見人に限定していない。行政官庁(労働基準監督署長等)が職権で不利な労働契約の解除に関与できる点は、未成年者保護の実効性を高める仕組みとして押さえておくべき論点である。
根拠: 労働基準法第56条・第57条・第58条・第61条・第63条。e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 )で2026-09-30時点の条文を確認。
- 労働基準法第56条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第56条(最低年齢)第2項・第57条(年少者の証明書)・第58条(未成年者の労働契約)・第61条(深夜業)・第63条(坑内労働の禁止)。e-Gov法令検索で2026-09-30時点の現行条文を確認。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

