社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働基準法 問22|みなし労働時間制

問題

社労士 | 労働基準法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働基準法に規定するみなし労働時間制に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答はエ(誤っている記述)です。

企画業務型裁量労働制を適用するには、労使委員会の決議・届出に加えて、対象労働者本人の同意を得なければならず、同意しなかった労働者に解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません(第38条の4第1項第6号)。「本人の同意を得なくても適用できる」は誤りです。

みなし労働時間制には3区分があります。①事業場外みなし(具体的指揮監督が困難な外勤労働者等)、②専門業務型裁量(研究者・デザイナー等の省令・告示で定める業務)、③企画業務型裁量(事業運営に関する企画・立案・調査・分析業務)です。

みなし労働時間制の3区分比較(労基法第38条の2〜第38条の4):

区分根拠条文手続要件みなし時間主な対象
事業場外みなし第38条の2労使協定(特定時間の場合)/ 書面不要(所定時間みなしの場合)所定労働時間 or 通常必要時間外回り営業・取材記者等
専門業務型裁量第38条の3労使協定+行政官庁への届出(協定事項に本人の同意・不同意者の不利益取扱い禁止を含む=施行規則第24条の2の2第3項。2024年4月1日から)協定で定めた時間省令・告示で定める業務(研究・取材・デザイン・SE等)
企画業務型裁量第38条の4労使委員会の委員の5分の4以上の多数による決議+行政官庁への届出+本人の同意決議で定めた時間事業運営の企画・立案・調査・分析業務

企画業務型裁量(エの誤りの核心):

労使委員会の決議事項には、「対象労働者本人の同意を得なければならないこと」と「同意をしなかった労働者に解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと」が含まれます(第38条の4第1項第6号)。決議・届出だけで本人の同意なく適用できるとしたエは誤りです。

各選択肢の整理:

  • ア(正): 事業場外みなし=所定労働時間みなしの原則(第38条の2第1項)。
  • イ(正): 専門業務型=労使協定+届出(第38条の3)。2024年4月1日施行の施行規則改正(令和5年厚生労働省令第39号)で、本人の同意を得ること・同意しなかった労働者に不利益な取扱いをしないこと・同意の撤回の手続が協定事項に加わった(施行規則第24条の2の2第3項)。
  • ウ(正): 企画業務型=労使委員会5/4多数決議+届出(第38条の4)。
  • エ(誤): 企画業務型は対象労働者本人の同意が必要(第38条の4第1項第6号)。
  • オ(正): 専門業務型の対象業務は省令(施行規則第24条の2の2第2項第1号〜第5号)と、同項第6号に基づく厚生労働大臣の指定(告示)で限定列挙されており、使用者が自由に追加することはできない。指定業務は告示の改正で見直されることがある(令和5年厚生労働省告示第115号による改正が2024年4月1日から適用)。

【みなし労働時間制3区分の立法経緯と設計思想の違い】

労基法は原則として「実労働時間を計算して賃金を算定する」体系ですが、①外回り営業のように時間管理が物理的に困難な場合、②高度専門職のように時間管理より業務の質・成果が重要な場合に、みなし規定という「例外的フィクション」を設けています。

  • 事業場外みなし:使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間を算定し難い外勤者を想定した制度。携帯電話等で随時指示を受けながら働く場合などは「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされることがあります。
  • 専門業務型裁量:「業務遂行の手段・時間配分を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある業務」として、施行規則第24条の2の2第2項と厚生労働大臣の告示で定める業務(研究開発・情報処理システムの分析設計・取材編集・デザイン・プロデューサー等)に限定されています。
  • 企画業務型裁量:事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務が対象。手続要件が厳格です(労使委員会の委員の5分の4以上の多数による決議・届出・本人同意)。

【労使委員会の要件と本人同意:エが誤りである理由の詳細】

企画業務型裁量の労使委員会は、委員の半数について過半数組合(ないときは過半数代表者)に任期を定めて指名されていることが要件です(第38条の4第2項第1号)。決議事項には、対象業務・対象労働者の範囲・みなし時間・健康福祉確保措置・苦情処理のほか、本人の同意を得なければならないこと及び同意をしなかった労働者に不利益な取扱いをしてはならないこと(第1項第6号)が含まれます。

なお、本人同意はかつて企画業務型だけの要件でしたが、2024年4月1日からは専門業務型でも労使協定で定める事項になっています(施行規則第24条の2の2第3項)。「本人同意は企画業務型だけ」という古い整理のまま覚えないよう注意が必要です。

【労使委員会の5分の4多数と過半数代表制との違い:試験出題の急所】

企画業務型裁量の労使委員会決議は「委員の5分の4以上の多数」が必要です(労基法第38条の4第1項)。この点は、通常の労使協定が過半数組合・過半数代表者との書面協定で足りることと対比されます。また、労使委員会は常設の協議体としての実体が求められます。

根拠: 労働基準法第38条の2〜第38条の4、労働基準法施行規則第24条の2の2(専門業務型の対象業務)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第38条の2(事業場外みなし)・第38条の3(専門業務型)・第38条の4(企画業務型)、労働基準法施行規則第24条の2の2第2項(専門業務型の対象業務。第6号で厚生労働大臣の指定する業務を委任) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • みなし労働時間制(事業場外・専門業務型・企画業務型の3区分
  • 頻出度A

関連する問題

ページの先頭へ