労働基準法24労働基準法

社労士 労働基準法 問24:労働基準法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

賃金の支払に関する労働基準法第24条に規定する「通貨払い」の例外について、次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 労働協約に別段の定めがある場合、通貨以外の現物(食事・住居・被服等)で賃金の一部を支払うことができる(現物給与)。
  • 労働者の同意を得た場合、労働者が指定する本人名義の口座への振込みにより賃金を支払うことができる。
  • 賃金の口座振込みは、労働者の同意があれば法的には可能であるが、実務上は事業場の過半数代表者との書面協定の締結が推奨されている。
  • 2023年4月施行の改正により、一定の要件を満たした資金移動業者(いわゆるデジタルマネー)の口座への賃金支払い(デジタル払い)が解禁された。
  • 通貨払い原則の例外として「労働協約による現物給与」が認められているが、就業規則に定めることによっても現物給与を行うことができる。正答
正答:通貨払い原則の例外として「労働協約による現物給与」が認められているが、就業規則に定めることによっても現物給与を行うことができる。

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正答はオ(誤っている記述)です。

賃金の通貨払い原則(労基法第24条)の例外として現物給与(食事・住居・被服等での一部支払い)が認められるのは、労働協約に別段の定めがある場合に限られます。就業規則に定めても現物給与は認められません。これがオの誤りです。

就業規則は使用者が一方的に定めるものであり、労働者側が合意した労働協約とは性質が異なります。現物給与が許容される根拠は「労働組合との合意(労働協約)」という労使対等の取り決めにある点が重要です。

標準試験対策の基準レベル

賃金の通貨払い原則と例外の体系(労基法第24条第1項):

| 通貨払い原則の例外 | 認められる根拠 | 認められない根拠 |

|---|---|---|

| 現物給与 | 労働協約に別段の定め | 就業規則・個別合意のみでは不可 |

| 口座振込 | 労働者本人の同意 | 同意なしの強制振込は不可 |

| デジタル払い | 要件を満たした資金移動業者口座+労働者の同意(2023年4月施行) | 要件不充足業者・同意なしでは不可 |

各選択肢の精査:

  • ア(正): 労働協約による現物給与→第24条第1項ただし書き。食事・住居・被服等が典型例。
  • イ(正): 個々の労働者の同意による口座振込→施行規則第7条の2。「労働者の意思に基づく」が要件。
  • ウ(正): 法的には個別同意で口座振込可能(施行規則第7条の2)。実務上は事業場の過半数代表との書面協定の締結が行政指導上推奨されており、設問の記述は正しい。
  • エ(正): デジタル払い→2023年4月施行。資金移動業者(PayPay・au PAY等)の口座への賃金振込が解禁。
  • オ(誤): 就業規則による現物給与は認められない。現物給与の例外根拠は「労働協約」のみ。

正答=オ: 就業規則によって通貨払いの例外(現物給与)を定めることはできないため、オが誤り。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【「労働協約」のみが通貨払い例外を許容する理由:労使対等原則の反映】

労基法第24条第1項ただし書きが現物給与の例外根拠として「労働協約」のみを認める理由は、労働協約が労働組合という集団的な交渉力を背景にした「労使対等の合意」だからです。就業規則(使用者の一方的作成)や個別合意(労働者個人が使用者に比べて交渉力弱者)では、「賃金を現物で支払う」という使用者に有利な変更を行うための根拠として不十分と立法者は判断しました。

【現物給与の法的性質と課税・社会保険上の扱い】

現物給与(食事・社宅・被服等)は、社会保険上の標準報酬月額の算定においても「現物による報酬」として評価額に含まれます(健保法・厚年法)。都道府県ごとに厚生労働大臣告示により「食事・住居の現物給与の価額」が定められており(令和8年度は一般的な昼食の月額評価○○円等)、この評価額を上回る部分については現金支給が必要です。また、所得税法上も現物給与は経済的利益として課税対象になるため、会社が「非課税現物給与」として扱える範囲(月額3,500円以下の食事等の規定)との整合も重要です。

【口座振込の法的構造:「同意」と「協定」の混同回避】

口座振込については、施行規則第7条の2が「当該労働者の同意を得た場合」と規定しており、個別同意が法的要件です。一方、実務では「全労働者への一律の口座振込」を合理的に実施するために、事業場の過半数労働者の代表との協定を締結するケースが多くあります(行政指導の推奨水準)。しかし、この協定は法的要件ではなく実務上の慣行であり、法的には個別同意で足ります。試験では「個別同意のみでは不可・労使協定が必要」と断定する選択肢が誤り肢として出題されることがあるため、「法的要件」と「実務慣行」の区別が重要です。

【2023年4月施行・デジタル払い解禁の実務上の位置づけ】

2023年4月に解禁されたデジタル払い(資金移動業者口座への賃金振込)の要件:

1. 厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)の口座であること

2. 口座残高の上限が100万円以下であること

3. 払出し保証(口座残高相当を100%保証する制度)があること

4. 不正取引時の補償制度があること

5. 労働者本人の個別同意(口座振込と同様)

現時点(2026年)で指定資金移動業者はまだ少なく、実務的な普及は道半ばですが、令和8年度社労士試験での「デジタル払いの要件」は頻出化が見込まれます。特に「労働者の同意が必要」「指定業者限定」「上限100万円」の3要素は要暗記です。

根拠: 労働基準法第24条第1項、同施行規則第7条の2(口座振込・デジタル払い)。確認日2026-06-08。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第24条第1項(賃金支払5原則)、労基法施行規則第7条の2(口座振込) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): ★2026-06-08修正:旧ウの「労使協定が必要、個別同意では不可」は法的に誤りで正答オと両立してしまうため、「労働者の同意で法的には可能だが実務上は労使協定推奨」とする正しい記述に書き換え、一意性を確保。オが誤り。通貨払い原則の例外として現物給与が認められるのは「労働協約に別段の定めがある場合」に限定(第24条第1項ただし書)。就業規則の定めでは現物給与を行うことができない(就業規則は労使一方当事者の意思表示に過ぎず、協約の代替不可)。ア「労働協約による現物給与」→正しい。イ「個々の労働者の同意で口座振込」→正しい(施行規則第7条の2)。ウ「労働者の同意で口座振込可・実務上は協定推奨」→正しい。エ「2023-04デジタル払い解禁」→正しい。正答オで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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