社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働基準法 問26|災害等による臨時の必要

問題

社労士 | 労働基準法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

労働基準法第33条に規定する「災害等による臨時の必要がある場合」の時間外・休日労働について、次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエ(誤っている記述)です。

労基法第33条による時間外・休日労働の特例(災害等による臨時の必要)が認められても、割増賃金(第37条)の支払義務は免除されません。時間外・休日に働いた時間については通常通り割増賃金を支払う必要があります。

第33条が認めるのは「36協定なしに・上限規制を超えて時間外・休日労働させられる許可」であって、賃金の支払義務まで免除するものではありません。災害復旧・設備故障対応などで深夜まで労働させた場合でも、その時間分の割増賃金は必要です。

第33条(災害等による臨時の必要)の制度設計:

項目内容
適用要件災害・その他避けることのできない事由による臨時の必要
許可機関所轄労働基準監督署長(行政官庁)への事前許可
急迫時の特例事前許可不能な場合→事後に遅滞なく届出→行政官庁が不適当と認めれば、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるよう命ずることができる(第33条第2項)
36協定の要否不要(第33条固有の特例であり36協定は不要)
割増賃金の扱い免除なし(第37条第1項は第33条により延長・休日労働させた場合を明記)← 誤り肢の核心
上限規制の適用36協定による時間外労働ではないため、第36条の限度時間・第6項の上限は適用されない(ただし「その必要の限度において」に限られる)

各選択肢の精査:

  • ア(正): 行政官庁(所轄労基署長)への許可が原則→第33条第1項。
  • イ(正): 急迫時は事後届出可→第33条第1項ただし書き。
  • ウ(正): 第33条適用の場合、36協定の締結・届出は不要。
  • エ(誤): 時間外・休日労働に対する割増賃金(第37条)は、第33条適用下でも免除されない。時間外(1.25倍以上)・深夜(0.25倍加算)・休日(1.35倍以上)の割増義務は継続する。
  • オ(正): 官公署(第33条第3項)は「公務のため臨時の必要がある場合」に行政官庁の許可も届出も不要で時間外・休日労働が可能。

【第33条と第36条(36協定)の関係:労働時間上限規制の適用除外ロジック】

通常の時間外・休日労働には36協定(第36条)の締結・届出が必要であり、さらに2019年施行の罰則付き上限規制(月45時間・年360時間、特別条項でも月100時間未満・年720時間)に服します。しかし第33条は「災害等による真に緊急やむを得ない場合」を想定しており、36協定の制度的枠組みとは別次元の緊急特例です。

【「避けることのできない事由」の解釈:行政実務の運用基準】

「災害その他避けることのできない事由」の具体的な許可基準は行政通達で示されており、ここでは条文の文言(避けることのできない事由・臨時の必要)から考えられる例にとどめます。

該当すると考えられる例(参考):

  • 急激な機械故障による緊急修理(放置で工場全体に損害が及ぶ場合)
  • 自然災害(地震・洪水・台風)後の復旧作業
  • 設備の突発的な危険状態(爆発・火災等)の緊急対応

該当しないと考えられる例(参考):

  • 事前に予測できた繁忙期の人手不足
  • 取引先からの急ぎの発注(経営上の都合)
  • 通常の残業が積み重なった結果の業務超過

【「割増賃金は免除されない」ことの実務的インパクト】

第33条による深夜・休日の緊急対応(例:台風後の深夜復旧作業)では、重複する割増率を加算した割増賃金が発生します(時間外が深夜に及べば2割5分+2割5分=5割以上、法定休日の深夜なら3割5分+2割5分=6割以上)。「緊急だから賃金は普通でいい」という扱いは第37条違反です(第119条第1号の罰則対象)。社労士としては、顧問先に「緊急対応時も割増賃金が必要で、重複すれば率が上がる」ことを事前に伝えておくことが望まれます。

【官公署の特例(第33条第3項):公務員への適用と民間企業との違い】

第33条第3項は「公務のために臨時の必要がある場合」に、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く)に従事する国家公務員・地方公務員について、許可・届出なしに時間外・休日労働を可能にしています。

重要な限界:

  • 対象は官公署の事業に従事する公務員であり、民間企業には第33条第3項は使えない(第33条第1項の事前許可または事後届出が必要)
  • 別表第一に掲げる事業(現業部門など)に従事する公務員は第3項の対象外

社労士試験では「官公署の特例=許可・届出不要」と「民間の緊急特例=許可が原則・急迫時は事後届出」の対比が繰り返し出題されます。

根拠: 労働基準法第33条(災害等による時間外労働)・第37条(割増賃金)・第36条(36協定)。確認日2026-06-08。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第33条(災害等による時間外労働)・第37条(割増賃金) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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