労働基準法26労働基準法

社労士 労働基準法 問26:労働基準法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働基準法第33条に規定する「災害等による臨時の必要がある場合」の時間外・休日労働について、次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 使用者は、災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合、行政官庁の許可を受けて第32条の労働時間・第35条の休日に関する規定の制限を超えて労働させることができる。
  • 事態が急迫していて行政官庁の許可を受ける時間的余裕がない場合は、事後の届出を行うことにより時間外・休日労働をさせることができる。
  • 第33条に基づく時間外労働は36協定(第36条の労使協定)の締結・届出がなくても行うことができる。
  • 第33条による時間外労働の場合も、労働者に対する割増賃金の支払い義務(第37条)は免除される。正答
  • 「公務のため臨時の必要がある場合」(第33条第3項)については、官公署の事業(公務員)に限り、行政官庁の許可も事後届出も不要で時間外・休日労働が可能である。
正答:第33条による時間外労働の場合も、労働者に対する割増賃金の支払い義務(第37条)は免除される。

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正答はエ(誤っている記述)です。

労基法第33条による時間外・休日労働の特例(災害等による臨時の必要)が認められても、割増賃金(第37条)の支払義務は免除されません。時間外・休日に働いた時間については通常通り割増賃金を支払う必要があります。

第33条が認めるのは「36協定なしに・上限規制を超えて時間外・休日労働させられる許可」であって、賃金の支払義務まで免除するものではありません。災害復旧・設備故障対応などで深夜まで労働させた場合でも、その時間分の割増賃金は必要です。

標準試験対策の基準レベル

第33条(災害等による臨時の必要)の制度設計:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 適用要件 | 災害・その他避けることのできない事由による臨時の必要 |

| 許可機関 | 所轄労働基準監督署長(行政官庁)への事前許可 |

| 急迫時の特例 | 事前許可不能な場合→事後届出(遅滞なく)→行政官庁が不適当と認めれば将来に向かって変更命令可 |

| 36協定の要否 | 不要(第33条固有の特例であり36協定は不要) |

| 割増賃金の扱い | 免除なし(第37条の割増賃金支払義務は生きる)← 誤り肢の核心 |

| 上限規制の適用 | 第36条第6項の上限(月45時間・年360時間等)も適用なし(災害の場合は上限なし) |

各選択肢の精査:

  • ア(正): 行政官庁(所轄労基署長)への許可が原則→第33条第1項。
  • イ(正): 急迫時は事後届出可→第33条第1項ただし書き。
  • ウ(正): 第33条適用の場合、36協定の締結・届出は不要。
  • エ(誤): 時間外・休日労働に対する割増賃金(第37条)は、第33条適用下でも免除されない。時間外(1.25倍以上)・深夜(0.25倍加算)・休日(1.35倍以上)の割増義務は継続する。
  • オ(正): 官公署(第33条第3項)は「公務のため臨時の必要がある場合」に行政官庁の許可も届出も不要で時間外・休日労働が可能。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【第33条と第36条(36協定)の関係:労働時間上限規制の適用除外ロジック】

通常の時間外・休日労働には36協定(第36条)の締結・届出が必要であり、さらに2019年施行の罰則付き上限規制(月45時間・年360時間、特別条項でも月100時間未満・年720時間)に服します。しかし第33条は「災害等による真に緊急やむを得ない場合」を想定しており、36協定の制度的枠組みとは別次元の緊急特例です。

【「避けることのできない事由」の解釈:行政実務の運用基準】

「災害その他避けることのできない事由」の解釈は、厚生労働省の行政通達(平成31年3月29日基発0329第2号)で整理されています。

認められる例(参考):

  • 急激な機械故障による緊急修理(放置で工場全体に損害が及ぶ場合)
  • 自然災害(地震・洪水・台風)後の復旧作業
  • 設備の突発的な危険状態(爆発・火災等)の緊急対応

認められない例(参考):

  • 事前に予測できた繁忙期の人手不足
  • 取引先からの急ぎの発注(経営上の都合)
  • 通常の残業が積み重なった結果の業務超過

【「割増賃金は免除されない」ことの実務的インパクト】

第33条による深夜・休日の緊急対応(例:台風後の深夜復旧作業)では、通常の2倍以上の割増賃金が発生します(深夜0.25倍+時間外0.25倍+休日0.35倍等の組み合わせ)。使用者が「緊急だから賃金は普通でいい」と誤解するケースが実務でも見られますが、これは明確な違法です。社労士は顧問先に対して「緊急対応時の賃金計算は通常より高くなる可能性がある」ことを事前に周知する義務があります。

【官公署の特例(第33条第3項):公務員への適用と民間企業との違い】

第33条第3項は「公務のために臨時の必要がある場合」に官公署(国・地方公共団体の機関)を対象として許可・届出なしに時間外・休日労働を可能にしています。これは国家公務員法・地方公務員法の「公務遂行の特殊性」を反映した特例です。

重要な限界:

  • 公務員への適用であり、民間企業に国からの「公務支援」を依頼しても第33条第3項は使えない(第33条第1項の事前許可または事後届出が必要)
  • 人事院規則・各自治体の勤務条例による別途の制約あり(労基法第33条第3項適用でも条例上の上限あり)
  • 国家公務員の超過勤務命令には「超過勤務を命ずることができる場合の限定」規定(人事院規則15-14)があり、事実上の上限がある

社労士試験では「官公署の特例=許可・届出不要」と「民間の緊急特例=許可が原則・急迫時は事後届出」の対比が繰り返し出題されます。

根拠: 労働基準法第33条(災害等による時間外労働)・第37条(割増賃金)・第36条(36協定)。確認日2026-06-08。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第33条(災害等による時間外労働)・第37条(割増賃金) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): エが誤り。第33条による時間外・休日労働の許可があっても、割増賃金の支払義務(第37条)は免除されない。「時間外・休日に働いた事実」があれば割増賃金が発生する。第33条は「36協定なし・時間上限なしで働かせられる特例」を認めるものであり、賃金支払義務まで免除するわけではない。ア(行政官庁の許可)・イ(急迫時の事後届出)・ウ(36協定不要)・オ(官公署は第33条第3項で許可不要)はいずれも正しい。正答エで一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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