ITパスポート

RAIDとは?テクノロジ系 ・ コンピュータシステム

読み方: れいど

1行定義
Redundant Array of Independent Disksの略。複数のHDD/SSDを組み合わせて信頼性・速度を向上させる技術

詳細解説

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のディスクドライブを組み合わせて、1台では得られない信頼性や転送速度を実現する技術です。主要なRAIDレベルは以下の通りです。RAID 0(ストライピング):データを複数ディスクに分散書き込みして高速化するが、1台故障でデータ全損するため信頼性は低い。RAID 1(ミラーリング):同じデータを2台以上に書き込む冗長構成で、1台故障しても継続動作できる。RAID 5(分散パリティ):3台以上で使い、ストライピング+パリティ情報を分散配置。1台故障まで耐えられ、容量効率も良い。RAID 6:パリティを2重化し、2台同時故障まで耐えられる。RAID 10:RAID 1+0の組み合わせで、ミラーリングとストライピングを両立。ITパスポート試験のシラバス(Ver.6.5)はシステム構成の用語例にRAIDを挙げており、令和5年度 問63(RAID0とRAID1の容量)・令和6年度 問69(RAID5の実効容量)のように、レベルごとに使える容量を計算させる問題が出ています。

RAIDレベルごとの容量の計算(RAID0・1・5・6・10)

結論:1台の容量をC、台数をnとすると、使える容量はRAID0が n×C、RAID1(2台)が C、RAID5が(n−1)×C、RAID6が(n−2)×C、RAID10が n×C÷2 です。冗長性(壊れても読める余裕)に使う分だけ、使える容量が減ります。

合格ナビに収録しているITパスポートの公開問題600問(令和3〜8年度・各100問)のうち、RAIDの容量を計算させる問題は2問です(2026-10-02 集計)。基本情報技術者試験ではシラバス Ver.9.2 がRAID0・RAID1・RAID10・RAID5・RAID6などを用語例に挙げています(IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2)。

レベル仕組み使える容量耐えられる故障自作例(2Tバイト×6台)
RAID0ストライピング(データを分けて全台に書く)n × C0台(冗長性なし)12Tバイト
RAID1ミラーリング(全台に同じデータを書く)C(2台構成)2台構成で1台2台で組むと2Tバイト
RAID5ストライピング+分散パリティ(n − 1)× C1台10Tバイト
RAID6RAID5のパリティを2つにした方式(n − 2)× C2台8Tバイト
RAID10RAID1の組をRAID0で束ねる(RAID1+0)n × C ÷ 2同じデータを持つ組ごとに1台6Tバイト

各レベルの仕組みと耐えられる故障の数は、Linuxのソフトウェアmdのマニュアル(md(4))の記述(RAID0は冗長性ゼロ、RAID1は全台が同じデータ、RAID5はパリティを全台に分散、RAID6は任意の2台の故障に耐え N台分のデータに N+2台が必要)に合わせています。

  • 検算(容量効率から):RAID5は6台のうち5台分が使えるので 12 × 5/6 = 10Tバイト、RAID6は4台分なので 12 × 4/6 = 8Tバイトで、表の値と一致します。
  • RAID1は全台に同じデータを書くので、台数を増やしても使える容量は1台分のままです。

例題:RAID0とRAID1の容量

容量が500Gバイトの HDD を2台使用して,RAID0,RAID1を構成したとき,実際に利用可能な記憶容量の組合せとして,適切なものはどれか。
表(RAID0/RAID1):ア 1Tバイト/1Tバイト イ 1Tバイト/500Gバイト ウ 500Gバイト/1Tバイト エ 500Gバイト/500Gバイト

出典:令和5年度 ITパスポート試験 公開問題 問63(独立行政法人情報処理推進機構)(問題PDF・解答例PDF)

  • RAID0は2台に分けて書くので 500G × 2 = 1,000Gバイト = 1Tバイト、RAID1は2台に同じデータを書くので 500Gバイト → イ
  • 検算(使える割合から):2台構成では、RAID0は2台の合計容量の100%、RAID1は50%が使えます。2台の合計1Tバイト × 100% = 1Tバイト、× 50% = 500Gバイトで一致します。

例題:RAID5の実効容量

障害に備えるために,4台の HDD を使い,1台分の容量をパリティ情報の記録に使用する RAID5を構成する。1台の HDD の容量が1T バイトのとき,実効データ容量はおよそ何バイトか。
ア 2T イ 3T ウ 4T エ 5T

出典:令和6年度 ITパスポート試験 公開問題 問69(独立行政法人情報処理推進機構)(問題PDF・解答例PDF)

  • 4台のうち1台分をパリティに使うので(4 − 1)× 1T = 3T(イ)
  • 検算:4台の合計4Tバイトのうち使えるのは4分の3なので、4T × 3/4 = 3Tバイトです。

この論点の過去問を解く(RAIDの容量):

RAIDの稼働率(耐障害性)の計算

RAIDを稼働率で考えると、RAID0は「全台が動いているときだけ読める」ので直列、RAID1は「どれか1台が動いていれば読める」ので並列と同じ計算になります。RAID5・RAID6は「止まった台数が1台(RAID6は2台)以内なら読める」と数えます。直列・並列の公式そのものは可用性(稼働率の計算)で解説しています。

ディスク1台の稼働率を0.9とし、各ディスクは互いに関係なく故障すると仮定した計算練習用の例です(実際のディスクの稼働率ではありません)。

構成読める条件式稼働率
RAID0(2台)2台とも動く0.9 × 0.90.81
RAID1(2台)少なくとも1台が動く1 −(1 − 0.9)×(1 − 0.9)0.99
RAID5(3台)止まるのが1台以内0.9³ + 3 × 0.9² × 0.10.972
RAID6(4台)止まるのが2台以内0.9⁴ + 4 × 0.9³ × 0.1 + 6 × 0.9² × 0.1²0.9963
  • RAID5(3台)の式:「3台とも動く」0.729 と「3台のうちどれか1台だけ止まる(3通り)」3 × 0.81 × 0.1 = 0.243 を足して 0.972 です。
  • 検算(逆から数える):読めなくなるのは2台以上が止まるときで、その確率は 3 × 0.1² × 0.9 + 0.1³ = 0.027 + 0.001 = 0.028 です。1 − 0.028 = 0.972 で一致します。RAID6(4台)も16通りの「動く/止まる」を全部足すと 0.9963 になります。
  • RAID0は台数を増やすほど稼働率が下がり(4台なら 0.9⁴ = 0.6561)、1台の0.9より低くなります。冗長性がないためです。

RAID1は全台に同じ書き込みを同時に行う仕組みなので(md(4)「Changes are written to all devices in parallel.」)、誤って消したファイルや上書きした内容も全台に反映されます。ディスクの故障には備えられても、操作ミスへの備え(バックアップ)とは別に考えます。

この論点の過去問を解く(稼働率・冗長化):

ITパスポートでの出題ポイント

  1. RAID 0:高速化、冗長性なし(1台故障でデータ全損)
  2. RAID 1:ミラーリング、1台故障まで耐えられる
  3. RAID 5:分散パリティ、1台故障まで耐えられ容量効率も良い
  4. RAID 6:2台同時故障まで耐えられる

関連用語

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シラバス 6.5 準拠 / 最終更新: 2026-10-02