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ITパスポート 令和3年度 問78|ソフトウェアに関する問題

問題

ITパスポート | 令和3年度 | 分野:テクノロジ系

OSS(Open Source Software)に関する記述として,適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は D
  • A
  • B
  • C
  • D

自信の3択

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解説

答えは d「有償サポートが提供される製品がある」 です。

OSS(オープンソースソフト)は「中身(設計図)を公開していて、誰でも見たり改造したりできるソフト」です。無料なものが多いですが、お金を払えばサポートを受けられる商品もあります(困ったときに助けてくれるサービス付き)。

👉 覚え方:「OSS=中身は公開、でもタダとは限らない」。

ほかの選択肢:a 公開していれば全部OSSとは限らない(ルール=ライセンス次第)/b 著作権は放棄されていない(作者の権利は残る)/c 個人の無償開発だけでなく企業がお金を出して作るものも多い。

なぜこれが正解か

正解は d。OSSは無償提供が多いが、Red Hat Enterprise Linux のように有償でサポートやサービスを提供する製品が存在する。OSSのライセンスはソフト自体の自由な利用・改変・再配布を認めるもので、有償サポートと矛盾しない。

各選択肢の解説

  • a 誤り:ソースコードを公開していても、OSSライセンス(GPL・MITなど)の条件を満たさなければOSSとは呼べない。
  • b 誤り:OSSは著作権を放棄していない。著作権は保持したうえでライセンスで利用条件を定めている。
  • c 誤り:個人の無償開発に限らず、企業やコミュニティが組織的に開発するOSS(Linux、Firefox等)も多い。

覚え方・ひっかけ注意

「公開=OSS」「無料=OSS」「著作権なし=OSS」はすべてひっかけ。判断基準は『OSSライセンスの条件(再配布・改変・ソース開示の自由)を満たすか』。サポートで稼ぐビジネスモデルがある点も頻出。

理論的背景

OSSの定義は OSI(Open Source Initiative)が策定する OSD(Open Source Definition) の10項目に準拠する。主な要件:

1. 自由な再配布が可能

2. ソースコードが入手可能

3. 派生物の利用・頒布を許可

4. 個人・グループへの差別禁止

5. 特定の利用分野への差別禁止

6. ライセンスの非制限性

著作権については、OSS は著作権を放棄しない(パブリックドメインではない)。著作権者がライセンス(GPL・MIT・Apache 等)という形で「この条件を守れば自由に使っていい」という許諾を与えている構造だ。

主要ライセンスの比較:

ライセンス種別主な特徴
GPL v2/v3コピーレフト型派生物も GPL で公開義務(感染性)。Linux カーネル採用
LGPL弱コピーレフト型ライブラリとしてリンクする場合は感染しない
MIT寛容型(パーミッシブ)著作権表示のみ義務。商用組込み・非公開改変が自由
Apache 2.0寛容型MIT に加え特許許諾・商標保護を規定
BSD寛容型MIT と同様だがソース由来の表明禁止(一部版)

本問の選択肢 d「有償サポートが提供される製品がある」は Red Hat Enterprise Linux(RHEL)・SUSE Linux が典型で、ソフトウェア自体はオープンソースだが企業向けに SLA 付きのサポートサービスを有償提供するビジネスモデルだ。

実務での使われ方

現代のエンタープライズ IT では OSS が基盤の大部分を担っており、Linux・Kubernetes・Apache HTTP Server・PostgreSQL・Nginx・Redis 等は産業インフラとして不可欠な存在だ。OSS の選択時に実務で考慮すべき事項:

  • ライセンスのコピーレフト性: 社内ツールに GPL ライブラリを組み込んだ場合、そのツールも GPL で公開義務が生じる可能性(法務リスク)。MIT・Apache は商用組込みが安全。
  • SBOM(Software Bill of Materials): サプライチェーン攻撃対策として利用する OSS コンポーネントのライセンスと脆弱性を管理する仕組み。Log4Shell(Log4j の脆弱性)事件(2021年)以降、OSS 脆弱性管理の重要性が急上昇した。
  • コミュニティの活発度: バグ修正・セキュリティパッチのリリース頻度・サポート期限(EOL: End of Life)の確認が必須。

試験での位置づけ

ITパスポートのテクノロジ系ソフトウェア分野で OSS は安定した出題テーマで、本問のように「OSS に関する正しい/誤った記述を識別させる」形式が定番。a「公開=OSS」・b「著作権放棄」・c「個人の無償開発のみ」という三つの誤解を確実に排除できるかが得点の鍵。上位資格(基本情報技術者)ではコピーレフト型と寛容型の違い、特定ライセンスの義務(著作権表示・ソース開示等)、デュアルライセンス戦略まで踏み込んで問われる。

選択肢の発展補足

選択肢 a「ソースコードを公開していれば全て OSS」 は誤り。ソースコードを公開しても、OSI が定義した OSD の要件(再配布の自由・派生物の許可等)を満たさなければ OSS とは呼べない。例えば「閲覧のみ可・改変・配布禁止」という条件でソースを公開しても OSS ではなく「ソース参照可能プロプライエタリソフト」だ。

選択肢 b「著作権が放棄されており誰でも自由に利用可能」 は誤り。著作権放棄はパブリックドメイン(CC0 等)であり、OSS とは別概念。OSS は著作権者が権利を保持しつつ、ライセンスを通じて利用条件を定める仕組みだ。OSS のライセンス条件(著作権表示の保持・ソース開示等)に違反すると著作権侵害として法的問題になり得る。

選択肢 c「個人が無償で開発している」 は誤り。Linux カーネルは Google・Red Hat・Intel・Microsoft 等の大企業が多数の開発者を拠出して開発に貢献している。商業的な支援・投資を受けながら開発されている OSS プロジェクトは多く、「個人の善意のみ」という理解は現実とかけ離れている。

この問題の根拠出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問78
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問78/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。