衛生管理者

保健師は衛生管理者になれる?試験なしで免許を受けられる人薬剤師・医師・衛生工学

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

保健師と薬剤師は、試験を受けずに第一種衛生管理者免許を申請できます(衛生管理者規程第2条)。医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは免許なしで選任可能。看護師・船舶の衛生管理者との違い、衛生工学衛生管理者の講習、労働局への申請書類を条文で整理します。

目次
  1. 保健師は衛生管理者になれる?(第一種の免許を試験なしで)
  2. 看護師は試験が免除される?
  3. 医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは免許なしで選任できる
  4. 試験免除の申請手続き(労働局)
  5. 衛生工学衛生管理者とは(難易度・講習)
  6. 船舶の衛生管理者とは別の制度
  7. 第二種を持っている人の「特例」とは
  8. まとめ
  9. 関連記事
結論:保健師と薬剤師は、試験を受けずに第一種衛生管理者免許を申請できます(衛生管理者規程第2条)。医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは、そもそも免許がなくても衛生管理者に選任できます(労働安全衛生規則第10条)。看護師の免許だけでは免除にならず、試験に合格するルートになります。

衛生管理者になれる人は、次の3つの道に分かれます。

道誰が根拠
① 免許なしで選任できる医師・歯科医師・労働衛生コンサルタント、在職中の保健体育・保健・養護の教員など労働安全衛生規則第10条、衛生管理者規程第1条
② 試験なしで第一種の免許を受ける保健師・薬剤師、医学の課程の卒業者、保健衛生の学科の卒業者で労働衛生の科目を修めた人など労働安全衛生規則別表第四、衛生管理者規程第2条
③ 試験に合格して免許を受ける受験資格のある人(看護師などを含む)労働安全衛生規則別表第四

条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-02 時点の現行条文):労働安全衛生法、労働安全衛生規則。衛生管理者規程は告示のため、厚生労働省の法令等データベースを出典としています(令和8年4月1日適用の改正まで反映された版)。

合格ナビの衛生管理者 関係法令(有害業務以外)の論点別問題80問のうち、衛生管理者の選任などの安全衛生管理体制を扱う問題は27問です(2026-10-02 当サイト集計。試験の出題頻度ではなく当サイトの問題数です)。

保健師は衛生管理者になれる?(第一種の免許を試験なしで)

衛生管理者の免許は「免許試験に合格した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者」に交付されます(労働安全衛生法第72条第1項)。この「資格を有する者」を定めるのが労働安全衛生規則第62条と別表第四で、第一種衛生管理者免許の項は次の4つです。

  • 一 第一種衛生管理者免許試験に合格した者
  • 二 大学・高等専門学校で医学に関する課程を修めて卒業した者
  • 三 大学で保健衛生に関する学科を専攻して卒業した者で、労働衛生に関する講座または学科目を修めたもの
  • 四 その他厚生労働大臣が定める者

この4号を受けて、衛生管理者規程第2条が次の人を定めています。

号第一種衛生管理者免許を受けることができる者(衛生管理者規程第2条)
第1号保健師助産師看護師法第7条の規定により保健師免許を受けた者(同法第51条第3項の規定により当該免許を受けた者を除く)
第2号医師法第11条第1項第2号・第3号に掲げる者(医師国家試験予備試験の合格後に1年以上の実地修練を経た者、外国の医学校の卒業者などで厚生労働大臣が認定した者)
第3号歯科医師法第11条第1項各号に掲げる者(歯科医師国家試験の受験資格を持つ者)
第4号薬剤師法第2条の規定により薬剤師の免許を受けた者
第5号前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者

保健師は、保健師国家試験と看護師国家試験の両方に合格して免許を受けます(保健師助産師看護師法第7条第1項)。この保健師免許があれば、衛生管理者試験を受けずに第一種の免許を申請できます。第5号について、東京労働局の免許の交付要件のページは「未制定」と表示しています。

看護師は試験が免除される?

看護師の免許だけでは、試験は免除されません。 上の衛生管理者規程第2条に挙がっているのは保健師と薬剤師で、看護師(保健師助産師看護師法第7条第3項の免許)は含まれていません。

看護師の人は、第一種または第二種の衛生管理者免許試験に合格して免許を受けます。受験資格の学歴・実務経験の区分や、実務経験として認められる業務の一覧は衛生管理者の受験資格で整理しています。

持っている免許第一種衛生管理者
保健師試験なしで免許を申請できる(規程第2条第1号)
薬剤師試験なしで免許を申請できる(規程第2条第4号)
看護師のみ試験に合格して免許を受ける
医師・歯科医師免許がなくても選任できる(則第10条第1号・第2号)

医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは免許なしで選任できる

労働安全衛生法第12条第1項は、衛生管理者を「都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者」から選ぶと定めています。この省令が労働安全衛生規則第10条で、免許がなくても衛生管理者になれる人を挙げています。

  • 一 医師
  • 二 歯科医師
  • 三 労働衛生コンサルタント
  • 四 厚生労働大臣の定める者(衛生管理者規程第1条:保健体育・保健の中学校・高等学校教諭免許状や養護教諭免許状を持ち学校に常勤で在職する人、大学・高専で保健体育に関する科目を担当する常勤の教授・准教授・講師)

第10条の人は、第一種が必要な業種(農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・医療業など)でも、その他の業種でも選任できます(労働安全衛生規則第7条第1項第3号イ・ロ)。ただし教員などの第4号の人は、学校に在職していることが条件なので、転職すると当てはまらなくなる点に注意が要ります。

試験免除の申請手続き(労働局)

試験を受けずに免許を受けるときも、都道府県労働局に免許の申請をします。福岡労働局の無試験(試験免除)のページによると、次のとおりです。

項目内容
申請先住民票がある都道府県の労働局(郵送または持参)
資格を証明する書面保健師は保健師免許、薬剤師は薬剤師免許。大学の卒業による場合は卒業証明書など
その他免許申請書(様式第12号)、写真1枚(横24mm×縦30mm・申請前6か月以内)、本人確認証明書、収入印紙
免許証申請先の労働局が審査し、東京労働局免許証発行センターが発行して郵送

愛知労働局のページも、申請先を現在の住所地を管轄する労働局としています。

免許申請の手数料:収入印紙1,500円分。最終確認日:2026-10-02。出典:福岡労働局 無試験(試験免除)で免許を受けられる方。

選任した後の報告など事業者側の手続きは、衛生管理者の選任手続きで扱っています。

衛生工学衛生管理者とは(難易度・講習)

衛生工学衛生管理者は、有害な作業環境の改善など衛生工学に関する事項を担う衛生管理者で、免許試験はなく、講習の修了で免許を受けます。

労働安全衛生規則第7条第1項第6号は、常時500人を超える労働者を使用し、坑内労働または労働基準法施行規則第18条第1号・第3号〜第5号・第9号の業務に常時30人以上を従事させる事業場では、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者から選任すると定めています。

免許を受けられるのは、次のいずれかに当てはまり、登録を受けた機関が行う衛生工学衛生管理者講習を修了した人です(別表第四、衛生管理者規程第4条)。

  • 大学・高専で工学または理学に関する課程を修めて卒業した者
  • 労働衛生コンサルタント試験に合格した者
  • 第一種衛生管理者免許試験に合格した者
  • 大学で保健衛生に関する学科を専攻して卒業し、労働衛生に関する講座・学科目を修めた者
  • 作業環境測定士となる資格を有する者

講習の科目と時間は衛生管理者規程第3条が定めています。

講習科目時間
労働基準法2時間
労働安全衛生法(関係法令を含む)6時間
労働衛生工学に関する知識14時間
職業性疾病の管理に関する知識6時間
労働生理に関する知識2時間

合計は30時間です(2+6+14+6+2)。持っている資格によっては一部の科目の受講が免除されます(衛生管理者規程第4条の2)。講習には修了試験があり(規程第3条第2号)、「落ちた」という検索はこの修了試験を指していると考えられます。合格率などの公式な数値は、この記事で参照した公表資料に記載がないため、この記事では扱いません。東京労働局は、講習は中央労働災害防止協会で実施されていると案内しています。

船舶の衛生管理者とは別の制度

「船舶 衛生管理者」は、船員法にもとづく別の制度です。船舶に乗り組む医師及び衛生管理者に関する省令は、船舶の衛生管理者について「衛生管理者適任証書」を受有する者を前提にしています。

労働安全衛生法の衛生管理者規程第2条は、この適任証書を第一種衛生管理者免許を受けることができる者として挙げていません。船舶の衛生管理者から陸上の衛生管理者を目指す場合は、労働安全衛生法の免許(試験か、上の試験免除の要件)が別に必要になると考え、申請先の労働局に確認してください。

第二種を持っている人の「特例」とは

検索される「特例 第一種衛生管理者」は、試験免除とは別の仕組みです。第二種衛生管理者免許を受けた人は、有害業務に係る労働衛生と関係法令だけの第一種衛生管理者免許試験(全科目を通じて2時間)を受けられます(衛生管理者規程第8条)。これは試験の一部を受ける制度で、保健師・薬剤師の試験免除とは違います。

特例第一種の試験の内容と、第一種・第二種のどちらが必要かは衛生管理者 第一種と第二種の違いで扱っています。

まとめ

  • 保健師・薬剤師は、試験なしで第一種衛生管理者免許を申請できる(衛生管理者規程第2条)
  • 医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントは、免許がなくても衛生管理者に選任できる(労働安全衛生規則第10条)
  • 看護師の免許だけでは免除にならない。試験に合格して免許を受ける
  • 申請先は住所地の都道府県労働局。資格を証明する免許証などを添える
  • 衛生工学衛生管理者は試験ではなく講習(30時間)と修了試験
  • 船舶の衛生管理者(船員法の適任証書)は別制度

※ 本記事は現行の労働安全衛生法令と衛生管理者規程、都道府県労働局の案内に基づくオリジナル解説です。免許の申請は、住所地の都道府県労働局の案内をご確認ください。

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よくある質問

Q保健師なら、衛生管理者試験を受けずに第一種衛生管理者になれますか?

なれます。衛生管理者規程第2条第1号が、保健師助産師看護師法第7条により保健師免許を受けた人を第一種衛生管理者免許を受けることができる者に挙げています。保健師免許を添えて、住所地の都道府県労働局に免許を申請します。

Q看護師の免許だけでも試験が免除されますか?

衛生管理者規程第2条には看護師は挙がっていません。看護師免許だけの場合は、第一種衛生管理者免許試験に合格するルートになります。

Q保健師や薬剤師の免許で取れるのは第一種ですか、第二種ですか?

第一種です。規程第2条は労働安全衛生規則別表第四の第一種衛生管理者免許の項を受けた規定です。第一種があれば、第二種で足りる業種の事業場でも選任できます(労働安全衛生規則第7条第1項第3号ロ)。

Q衛生工学衛生管理者には試験がありますか?

免許試験はありません。工学・理学の課程を修めた大学・高専の卒業者や第一種衛生管理者免許試験の合格者などが、登録を受けた機関の衛生工学衛生管理者講習を修了して免許を受けます。講習には修了試験があります(衛生管理者規程第3条第2号)。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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