ビットは0か1を表す最小の単位、1バイトは8ビットです。nビットで表せる数、k・M・G・Tの接頭語と1000・1024の違い、画像・音声のデータ量の計算、圧縮率の求め方を、自作の計算例と一次資料で整理。IPAの公開問題(PCMのデータ量)の解き方、通信速度との関係も載せています。
目次
結論:ビットは0か1を表す情報量の最小の単位で、1バイトは8ビットです。nビットで 2のn乗通りの値を表せます。データ量は「単位あたりのビット数×個数」で求め、単位をビットかバイトのどちらかにそろえてから計算します。ITパスポート試験のシラバスは、「ビット,バイトなどの情報量や,接頭語(k,M,G,T,P,m,μ,n,p など)を使った表し方」を挙げています。基本情報技術者試験のシラバスには「情報量の単位」という項目や「バイト」「接頭語」の語はありませんが、音声のデータ量や回線の計算、圧縮率など、データ量を求める問題は公開問題にあります。
ビットとバイトとは:0か1の最小単位と、8ビットのまとまり
ビット(bit)は、0か1のどちらかを表す情報量の最小の単位です。ビットを8個まとめたものが1バイト(byte)で、NISTのページも「1 B = 2の3乗 bit = 8 bit」と書いています(出典:NIST The binary prefixes)。
- 1ビット:0か1の2通り
- 1バイト(8ビット):256通り。たとえば半角の英数字1文字を1バイトで表せる、という使い方があります(文字コードの仕組みは文字コードの記事)
- 通信ではビット(bps=ビット毎秒)、ファイルや記憶装置の容量ではバイトを使うことが多い(当サイトの整理)
nビットで表せる数:2のn乗
ビットを1つ増やすごとに、表せる値の数は2倍になります。
| ビット数 | 表せる値の数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 2 | 0, 1 |
| 2 | 4 | |
| 3 | 8 | |
| 4 | 16 | 16進数の1桁分(16進数の記事) |
| 5 | 32 | |
| 6 | 64 | |
| 7 | 128 | |
| 8(1バイト) | 256 | 0〜255 |
| 16 | 65,536 | |
| 24 | 16,777,216 | 赤・緑・青を8ビットずつで表す色の数 |
| 32 | 4,294,967,296 |
自作の例です。「100種類のものを区別したい」とき、必要なビット数は何でしょうか。6ビットで 64通り(足りない)、7ビットで 128通り(足りる)なので、7ビットです。同じ考え方で、26種類なら5ビット(32通り)、52種類なら6ビット(64通り)です(Pythonで全て計算)。
接頭語:k・M・G・T と Ki・Mi・Gi の違い
大きな数は接頭語で表します。SI接頭語は10の累乗です。
| 接頭語 | 記号 | 大きさ |
|---|---|---|
| キロ | k | 10の3乗(1,000) |
| メガ | M | 10の6乗(1,000,000) |
| ギガ | G | 10の9乗 |
| テラ | T | 10の12乗 |
| ペタ | P | 10の15乗 |
小さい側は、ミリ(m)が 10の−3乗、マイクロ(μ)が 10の−6乗、ナノ(n)が 10の−9乗、ピコ(p)が 10の−12乗です(出典:NIST SI prefixes)。
コンピュータでは、2の10乗=1024 が1000に近いことから、キロを1024の意味で使う習慣がありました。これを区別するために、IECが1998年12月に2進接頭語を承認しています(IEC 60027-2 の改正 Amendment 2 の発行は1999年1月)(出典:NIST The binary prefixes)。
| 2進接頭語 | 記号 | 大きさ | SI接頭語との比 |
|---|---|---|---|
| キビ | Ki | 2の10乗(1,024) | 1,024 ÷ 1,000 = 1.024 |
| メビ | Mi | 2の20乗(1,048,576) | 約 1.049 |
| ギビ | Gi | 2の30乗(1,073,741,824) | 約 1.074 |
| テビ | Ti | 2の40乗 | 約 1.100 |
「比」の列は、当サイトの計算(Pythonで出力)です。差は単位が大きいほど広がります。自作の例で、500 GB(500×10の9乗バイト)の記憶装置を、2進接頭語で表すと 500×10の9乗 ÷ 2の30乗 = 約 465.66 GiB です。
接頭語の定義:SI接頭語は10の累乗、2進接頭語(Ki・Mi・Gi など)は2の累乗。最終確認日:2026-10-21。出典:NIST The binary prefixes。
データ量の計算:画像と音声
データ量は「1つあたりのビット数 × 個数」で求めます。自作の例で2つ確認します。
画像:横1024画素・縦768画素で、1画素が24ビットの画像(圧縮しない場合)。
- 画素数:1024 × 768 = 786,432
- ビット数:786,432 × 24 = 18,874,368 ビット
- バイト数:18,874,368 ÷ 8 = 2,359,296 バイト(= 2,304 KiB = 2.25 MiB = 約 2.36 MB)
別の考え方での検算:1画素は24ビット=3バイトなので、786,432 × 3 = 2,359,296 バイトで一致します(Pythonで計算)。
音声(PCM):標本化周波数 × 量子化ビット数 ÷ 8 × チャンネル数 × 秒数(バイト)。10秒、標本化周波数 8,000 Hz、量子化ビット数 16、モノラルなら、8,000 × 16 ÷ 8 × 1 × 10 = 160,000 バイト(160 kB)です。ステレオ(2チャンネル)なら2倍で 320,000 バイトです。
公開問題を解く:平成24年度 春期 午前 問26(PCMのデータ量)
平成24年度 春期 午前 問26は、「60分の音声信号(モノラル)を,標本化周波数44.1 kHz,量子化ビット数16ビットのPCM方式でディジタル化した場合,データ量はおよそ何Mバイトか。ここで,データの圧縮は行わないものとする。」という問題です(IPA 問題PDF・解答例PDF)。選択肢は、ア 80、イ 160、ウ 320、エ 640で、IPAの解答例の正解はウです。
解き方は、上の式に当てはめるだけです。
- 秒数:60分 = 3,600 秒
- 1秒のデータ量:44,100 × 16 ÷ 8 = 88,200 バイト(モノラルなので × 1)
- 全体:88,200 × 3,600 = 317,520,000 バイト = 約 317.5 M バイト
選択肢の中で最も近いのは 320(ウ)です。M を 10の6乗とみても 2の20乗とみても(約302.8)、近い選択肢は 320 になるので、単位の扱いで答えは変わりません(当サイトの計算)。
「標本化」「量子化」はアナログの音をデジタルにする手順で、ITパスポート試験のシラバスには (2) デジタル化として「量子化,標本化,符号化など,デジタル化(A/D変換)の基本的な考え方」があります。基本情報技術者試験でも、大分類1「3. 情報に関する理論」の (2) 符号理論に、量子化・標本化・A/D変換があります。そのうえで基本情報技術者試験のシラバスは、中分類8「情報メディア」の (2) 音声処理で、用語例に PCM を挙げています。
通信速度とデータ量:bps と転送時間
回線速度(bps)はビット毎秒です。ファイルのバイトを8倍してビットにそろえてから、回線速度で割ると、転送時間が求まります。利用率(伝送効率)がある場合の計算は、ネットワークの記事の「回線速度とデータ量の計算」に、令和7年度 科目A 問7の解き方を載せています。自作の換算として、100 Mbps = 100 ÷ 8 = 12.5 MB/s です。
KBやMBの単位換算は、ファイルサイズ変換ツールと回線速度ツールでも試せます。
圧縮率:圧縮後のサイズ ÷ 圧縮前のサイズ
基本情報技術者試験のシラバス Ver.9.2 は、「情報の圧縮・伸長」の用語例に、JPEG・MPEG・ZIP・圧縮率・可逆圧縮・非可逆圧縮などを挙げています(大分類3 技術要素/中分類8 情報メディア/1. マルチメディア技術/(5) 情報の圧縮・伸長)。
- 可逆圧縮:圧縮したデータを、元のデータに完全に戻せる方式
- 非可逆圧縮:元に完全には戻せないが、サイズを小さくしやすい方式
(上の2つは当サイトの一般的な説明です。IPAの定義の引用ではありません。)
この記事では、圧縮率を「圧縮後のサイズ ÷ 圧縮前のサイズ」として計算します。IPAのシラバスは圧縮率という用語を挙げるだけで定義は書いていないので、問題文に定義があればそれに従います。自作の例で、12 MBのファイルを圧縮して 3 MB になったとき、圧縮率は 3 ÷ 12 = 0.25、つまり25%です。縮んだ割合は 1 − 0.25 = 75% で、この2つを取り違えないように注意します。
逆算して、圧縮率25%のファイルが 3 MB なら、元のサイズは 3 ÷ 0.25 = 12 MB です。
シラバスでの位置
シラバスの版:ITパスポート試験は Ver.6.5、基本情報技術者試験は Ver.9.2。最終確認日:2026-10-21。出典:IPA 試験要綱・シラバスについて。
| 試験 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| ITパスポート Ver.6.5 | 大分類7 中分類13 基礎理論/35. 情報に関する理論/(1) 情報量の単位 | 「ビット,バイトなどの情報量や,接頭語(k,M,G,T,P,m,μ,n,p など)を使った表し方」 |
| 基本情報 Ver.9.2 | 大分類3 中分類8 情報メディア/(5) 情報の圧縮・伸長 | 用語例に圧縮率・可逆圧縮・非可逆圧縮 |
| 基本情報 Ver.9.2 | 大分類3 中分類10 ネットワーク/1. ネットワーク方式/(5) 回線に関する計算 | 「回線速度,データ量,転送時間の関係」。用語例に転送速度・bps |
IPAのシラバス Ver.9.2 には、「バイト」「接頭語」の語の記載がありません(2026-10-21 時点)。当サイトに収録しているITパスポート試験の600問には、ビット・バイトの換算そのものを主題とする問題の収録がありません。バイトの単位が出てくるのは、RAIDの容量を求める問題(令和5年度 問63・令和6年度 問69)で、主題はRAIDです。出典:IPA ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5・IPA 基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2。
データ量の計算で間違えやすい点
- ビットとバイトを取り違える:ファイルの大きさ(バイト)と回線速度(ビット)が混ざるときは、最初にどちらかにそろえます
- 1000と1024を混ぜる:k・M・G を10の累乗とみるのか、Ki・Mi・Gi を2の累乗とみるのかを、問題文で確かめます
- チャンネル数を掛け忘れる:ステレオは、モノラルの2倍です
- 「÷8」の向き:ビットからバイトにするときは8で割り、バイトからビットにするときは8を掛けます
- 圧縮率の定義の取り違え:圧縮後÷圧縮前なのか、削減した割合なのかを、問題文で確かめます
まとめ
よくある質問
Q1バイトは何ビットですか?
1バイトは8ビットです。8ビットで 2の8乗=256通りの値(0〜255)を表せます。NISTのページも、1バイト(1 B)を 2の3乗ビット=8ビットとして示しています。
Q1キロバイトは1000バイトですか、1024バイトですか?
SI接頭語の「キロ(k)」は10の3乗=1000です。一方、コンピュータの世界では2の10乗=1024をキロと呼ぶ習慣が長くあり、混乱を避けるために、IEC(国際電気標準会議)が1998年12月に2進接頭語(Ki・Mi・Gi など)を承認しました。1 KiB=1024バイト、1 kB=1000バイトです(NIST「Prefixes for binary multiples」)。試験問題では、単位の扱いが問題文に書かれていればそれに従います。
QMbps と MB/s は同じですか?
同じではありません。Mbps は「メガビット毎秒」で、1秒あたりのビット数です。MB/s は「メガバイト毎秒」で、1バイトが8ビットなので、100 Mbps は 12.5 MB/s にあたります(100 ÷ 8、当サイトの計算)。回線の速度はビット、ファイルの大きさはバイトで書かれることが多いので、計算の最初に単位をそろえます。
Q圧縮率が小さいほど、よく圧縮できたということですか?
この記事のように圧縮率を「圧縮後のサイズ ÷ 圧縮前のサイズ」とするなら、小さいほどよく縮んでいます(12MBが3MBなら25%)。IPAのシラバスは圧縮率という用語を挙げるだけで定義は書いていないので、問題文に定義があればそれに従います(当サイトの注意)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月21日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

