基本情報技術者試験のネットワーク分野を、IPAシラバス Ver.9.2・試験要綱・IPA公開問題で整理。OSI基本参照モデルの層と装置、サブネットマスクの計算、回線速度の計算を検算つきの手順で解説し、収録問題へ案内します。科目Bではなく科目Aで問われる点も確認できます。
目次
結論:基本情報技術者試験のネットワーク分野は、IPAのシラバス Ver.9.2 の中分類10「ネットワーク」で範囲が決まっています。覚える内容は、OSI基本参照モデルと装置・プロトコルの対応、IPアドレスとサブネットマスクの計算、回線速度とデータ量の計算の3本柱です。科目Bの分野別出題数にネットワークは入っていないため(試験要綱 Ver.5.6)、ネットワークの知識は科目Aで問われます。計算は手順を固定すれば検算までできます。
この記事でわかること(30秒サマリ)
| 知りたいこと | 答え | 本記事の見出し |
|---|---|---|
| どこまでが範囲? | シラバス Ver.9.2 の中分類10(5項目) | ネットワーク分野の範囲 |
| どの科目で問われる? | 科目B の分野別出題数はアルゴリズム16問・情報セキュリティ4問。ネットワークは科目A | ネットワークはどの科目で問われるか |
| 層と装置・プロトコルの対応 | 物理層=リピータ、データリンク層=ブリッジ、ネットワーク層=ルータ・IP、トランスポート層=TCP・UDP | OSI基本参照モデル |
| サブネットの計算 | ブロック幅=256-マスクの値。両端の2つはホストに使えない | IPアドレスとサブネットマスクの計算 |
| 回線の計算 | データ量をビットにして、回線速度×利用率で割る | 回線速度とデータ量の計算 |
シラバス・試験要綱の版と試験の形式:基本情報技術者試験(レベル2)のシラバスは Ver.9.2(2026年1月8日掲載)、試験要綱は Ver.5.6(2026年7月6日掲載)。科目A 90分・60問、科目B 100分・20問。最終確認日:2026-10-04。出典:IPA 試験要綱・シラバスについて、IPA 試験要綱 Ver.5.6。
ネットワーク分野の範囲(シラバス Ver.9.2 の中分類10)
IPAのシラバス Ver.9.2 は、ネットワークを「大分類3:技術要素」の「中分類10:ネットワーク」とし、次の5項目に分けています(IPA 基本情報技術者試験(レベル2)シラバス Ver.9.2)。
| 項目 | シラバスが求めていること(要点) | 本記事の見出し |
|---|---|---|
| 1. ネットワーク方式 | LANとWAN、有線・無線LAN、交換方式、回線に関する計算、インターネット技術(IPアドレス・NAT・DNSなど) | 回線の計算/IPアドレス |
| 2. データ通信と制御 | OSI基本参照モデル、ネットワーク接続装置、伝送制御 | OSI基本参照モデル |
| 3. 通信プロトコル | TCP/IP、IP、TCPとUDP、HTTP・SMTP・POP・FTP・DNSなど | TCP・UDP/アプリケーション層 |
| 4. ネットワーク管理 | 運用管理の管理項目、管理ツール(用語例にping)・SNMPなどのあらまし | 疎通確認のpingだけ、DNS・DHCP・HTTP・メールの節で触れる |
| 5. ネットワーク応用 | 電子メール・Web・ファイル転送、イントラネット、ネットワークOSなど | メールとHTTPSの問題だけ、DNS・DHCP・HTTP・メールの節で触れる(それ以外は扱わない) |
シラバスは、各項目に学習の目標と「用語例」を載せていますが、用語の定義は書いていません。定義は教材や用語集で確認します。用語の一覧は基本情報技術者試験 用語集に分野別にまとめています。この中分類10の範囲を、シスコのCCNAの出題範囲と並べた比較は、基本情報とCCNAの比較記事で扱っています。
ネットワークはどの科目で問われるか
IPAの試験要綱 Ver.5.6 には、基本情報技術者試験の試験形式として次のことが書かれています(IPA 試験要綱 Ver.5.6)。
| 科目A | 科目B | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 出題数・解答数 | 60問・60問 | 20問・20問 |
| 形式 | 多肢選択式(四肢択一)。知識を問う | 多肢選択式。技能を問う |
| 分野別の出題数 | 要綱に記載なし | アルゴリズムとプログラミング分野16問、情報セキュリティ分野4問 |
科目Bの分野別出題数はアルゴリズムとプログラミングと情報セキュリティの2分野で定められています。同じ要綱の「出題範囲」でも、基本情報技術者試験の科目Bは、プログラミング全般、プログラムの処理の基本要素、データ構造及びアルゴリズム、プログラミングの諸分野への適用、情報セキュリティの確保の5項目で、ネットワークの項目はありません。一方、科目Aの「試験区分別出題分野一覧表」では、中分類10「ネットワーク」が基本情報技術者試験(科目A)の出題範囲に入っています。ネットワークの知識を主題にした問題は、科目Aで対策する、と考えるのが筋です。科目Bの対策は、科目Bの対策記事で扱っています。
当サイトに収録している、IPA公開の科目A形式の問題120問(2022年のサンプル問題60問と、令和5・6・7年度の公開問題各20問)のうち、ネットワークの論点が主題の問題は10問でした(当サイトの分類・2026-10-04集計)。回線の計算、OSI基本参照モデルとTCP/IP、ポート番号、LAN間接続装置、メール、無線通信(BLE)などです。WAFやSQLインジェクションなど、セキュリティが主題の問題は含めていません。これはIPAが示した分野別の配点ではなく、当サイトによる数え方です。出題の配分を予想する材料にはならないので、全論点を一通り確認する前提で進めてください。
OSI基本参照モデルと装置・プロトコルの対応
シラバスは、OSI基本参照モデルを「ISO が策定した7 層からなるネットワークアーキテクチャ」とし、各層の基本的な機能と、層の間の関係を理解することを求めています。層は、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層の7つです(下から順に第1層〜第7層)。シラバスは、LAN間接続などの装置について「各装置の機能がOSI基本参照モデルのどの層に対応するかを理解する」ことも求めています。
次の表は、シラバスに載っている装置とプロトコルを、対応する層に並べたものです。
| 層 | 装置・プロトコルの例 | 根拠 |
|---|---|---|
| アプリケーション層 | HTTP、SMTP、POP、FTP、DNS | シラバス 3(1)⑤ |
| トランスポート層 | TCP、UDP(ポート番号) | シラバス 3(1)④ |
| ネットワーク層 | IP、ICMP、ルータ | シラバス 3(1)③、問題の正解(下記) |
| データリンク層 | ブリッジ、ARP(データリンク層レベルのプロトコル) | シラバス 3(1)②、問題の正解(下記) |
| 物理層 | リピータ | 問題の正解(下記) |
装置の対応は、IPAが公開した問題でも確認できます。当サイトに収録している平成23年度秋期 問37は、OSI基本参照モデルの各層で中継する装置を、物理層・データリンク層・ネットワーク層の順に並べる問題で、正解は「リピータ、ブリッジ、ルータ」の順です。平成21年度秋期 問37は、ルータをネットワーク層で接続する装置としています。
令和6年度の公開問題にも、LAN間接続装置の問題があります。
問8 LAN 間接続装置に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア ゲートウェイは,OSI 基本参照モデルにおける第1 ~ 3 層だけのプロトコルを変換する。
イ ブリッジは,IP アドレスを基にしてフレームを中継する。
ウ リピータは,同種のセグメント間で信号を増幅することによって伝送距離を延長する。
エ ルータは,MAC アドレスを基にしてフレームを中継する。
出典:令和6年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問8(独立行政法人情報処理推進機構)。IPAの解答例では、正解はウです。
イとエは、中継の基準をわざと入れ替えた選択肢です(ブリッジはMACアドレス、ルータはIPアドレスを基にします)。「ルータはIPアドレス、ブリッジはMACアドレスで中継する」と、装置ごとに中継の基準をそろえて覚えておくと、この2つの選択肢を消せます。
この論点の問題を解く
- 各層で中継する装置を並べる問題(平成23年度秋期 問37)
- ルータが接続する層の問題(平成21年度秋期 問37)
- LAN間接続装置の問題(令和6年度 問8)
- ルータの経路決定に使う情報の問題(平成22年度秋期 問36)
用語ページ:ITパスポート用語集 OSI参照モデル・基本情報 用語集 TCP/IP
IPアドレスとサブネットマスクの計算
シラバスは、ネットワーク層のプロトコル(IP)の用語例に、IPアドレス、サブネットアドレス、サブネットマスク、ブロードキャスト、CIDRなどを挙げています。計算問題では、次の3つの手順に落とします。
- ①マスクの最後に0でない値が残る8ビットを見つけ、「256-その値」をブロック幅とする。
- ②IPアドレスのその8ビットを、ブロック幅の倍数に切り下げたものが、ネットワークアドレスの値になる。
- ③ネットワークアドレスの次のブロックの手前がブロードキャストアドレス。ホストに割り振れるのは、その間の両端を除いた範囲。
最後の8ビットのマスクと、アドレスの数の対応は次のとおりです(IPv4)。
| プレフィックス長 | サブネットマスク | アドレス数 | ホストに使える数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 |
| /25 | 255.255.255.128 | 128 | 126 |
| /26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 |
| /27 | 255.255.255.224 | 32 | 30 |
| /28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 |
| /29 | 255.255.255.248 | 8 | 6 |
| /30 | 255.255.255.252 | 4 | 2 |
例1:IPアドレスからネットワークアドレスを求める
192.168.10.77、サブネットマスク 255.255.255.224(/27)のホストが属するネットワークを求めます。
- ブロック幅:256-224=32
- 77÷32=2 余り13 なので、2×32=64 がネットワークアドレスの最後の値
- ネットワークアドレス:192.168.10.64/ブロードキャスト:192.168.10.95(次のブロックは96から)
- ホストに割り振れる範囲:192.168.10.65〜192.168.10.94(30台)
検算は、ビットで確かめます。77 は 01001101、マスクの最後の8ビットは 11100000 で、ビットごとの論理積は 01000000=64 になり、手順の結果と一致します。ホスト部は5ビットなので、アドレス数は 2の5乗=32、ホストに使えるのは 32-2=30台で、表の /27 の行とも合っています。
例2:マスクが /26 の場合
172.16.37.130、サブネットマスク 255.255.255.192(/26)の場合です。
- ブロック幅:256-192=64
- 130÷64=2 余り2 なので、2×64=128 がネットワークアドレスの最後の値
- ネットワークアドレス:172.16.37.128/ブロードキャスト:172.16.37.191
- ホストに割り振れる範囲:172.16.37.129〜172.16.37.190(62台)
検算:130 は 10000010、192 は 11000000 で、論理積は 10000000=128。ホスト部は6ビットなので 2の6乗-2=62台で、表の /26 の行と一致します。
割り振ってはいけないIPアドレスを選ぶ問題
IPAが公開した平成26年度秋期の午前問題 問34は、この計算で解けます。
問34 次のネットワークアドレスとサブネットマスクをもつネットワークがある。このネットワークを利用する場合,PC に割り振ってはいけないIP アドレスはどれか。
ネットワークアドレス:200.170.70.16
サブネットマスク:255.255.255.240
ア 200.170.70.17 イ 200.170.70.20 ウ 200.170.70.30 エ 200.170.70.31
出典:平成26年度秋期 基本情報技術者試験 午前 問34(独立行政法人情報処理推進機構)
マスクの値が240なので、ブロック幅は 256-240=16 です。このネットワークは 200.170.70.16〜200.170.70.31 の16個のアドレスを持ち、最後の 200.170.70.31 がブロードキャストアドレスです。ホストに割り振れるのは .17〜.30 なので、割り振ってはいけないのはエの 200.170.70.31 です。当サイトに収録している正解とも一致します。
この論点の問題を解く
用語ページ:ITパスポート用語集 サブネットマスクの計算方法・IPアドレス・NAT
回線速度とデータ量の計算
シラバスは、「回線に関する計算」として、回線速度、データ量、転送時間の関係を理解し、与えられた回線速度、データ量、回線利用率からの転送時間の算出方法を理解することを求めています。用語例には、転送速度、bps(ビット/秒)、回線容量などがあります。ビットとバイトの換算や、データ量の求め方そのものは、ビットとバイトの記事にまとめています。
解き方は次の順で固定できます。
- ①データ量を「ビット」にそろえる(1バイト=8ビット)。
- ②回線速度に利用率(伝送効率)をかけて、実効の速度を出す。
- ③データ量(ビット)÷実効の速度(ビット/秒)=時間(秒)。
自作の例
600Mバイトのファイルを、回線速度100Mビット/秒、回線の利用率80%で転送するときの時間です。
- データ量:600×8=4,800Mビット
- 実効の速度:100×0.8=80Mビット/秒
- 転送時間:4,800÷80=60秒
逆算で確かめます。80Mビット/秒は 10Mバイト/秒なので、60秒で 10×60=600Mバイト転送でき、元のデータ量と一致します。
IPAの公開問題で確かめる
令和7年度の公開問題 問7は、利用率を求める形です。
問7 1G バイトの動画データを40M ビット/秒の回線を使用してダウンロードしたところ,5 分掛かった。このときの回線利用率はおよそ何%か。ここで,ダウンロード時には動画データに20%の制御情報が付加されるものとする。
ア 10 イ 53 ウ 67 エ 80
出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問7(独立行政法人情報処理推進機構)。IPAの解答例では、正解はエです。
- 1Gバイト=8Gビット。制御情報が20%付加されるので、実際に流れたデータは 8×1.2=9.6Gビット
- 5分=300秒なので、実際の速度は 9.6G÷300=32Mビット/秒
- 回線利用率:32÷40=0.8、つまり80%(エ)
逆算:40Mビット/秒×0.8=32Mビット/秒、300秒で 9,600Mビット。これを1.2で割ると 8,000Mビット=1Gバイトになり、問題の条件と一致します。この問題では、制御情報を「データ側にかける」ことが分かれ道です。
サンプル問題にも、転送時間を求める問題があります。
問26 1.5 M ビット/秒の伝送路を用いて12 M バイトのデータを転送するのに必要な伝送時間は何秒か。ここで,伝送路の伝送効率を50%とする。
ア 16 イ 32 ウ 64 エ 128
出典:基本情報技術者試験 科目A試験 サンプル問題 問26(独立行政法人情報処理推進機構)。IPAの解答例では、正解はエです。
12Mバイト=96Mビット、実効の速度は 1.5×0.5=0.75Mビット/秒なので、96÷0.75=128秒(エ)です。逆算は、0.75Mビット/秒×128秒=96Mビット=12Mバイトで一致します。いずれも、Mは10の6乗、Gは10の9乗として計算しています。
この論点の問題を解く
TCPとUDP、ポート番号
シラバスは、トランスポート層について「TCP とUDP の基本的な役割,機能を理解する」とし、用語例にポート番号を挙げています。サンプル問題には、この層の問題が2問あります。
問28 トランスポート層のプロトコルであり,信頼性よりもリアルタイム性が重視される場合に用いられるものはどれか。
ア HTTP イ IP ウ TCP エ UDP
出典:基本情報技術者試験 科目A試験 サンプル問題 問28(独立行政法人情報処理推進機構)。IPAの解答例では、正解はエです。
選択肢のうち、HTTPはアプリケーション層、IPはネットワーク層のプロトコルで、トランスポート層はTCPとUDPです。そのうち、リアルタイム性が重視される場合に用いるものがUDPです。
問29 PC とWeb サーバがHTTP で通信している。PC からWeb サーバ宛てのパケットでは,送信元ポート番号はPC 側で割り当てた50001,宛先ポート番号は80 であった。Web サーバからPC への戻りのパケットでのポート番号の組合せはどれか。
出典:基本情報技術者試験 科目A試験 サンプル問題 問29(独立行政法人情報処理推進機構)。選択肢は、送信元(Webサーバ)のポート番号と宛先(PC)のポート番号の組合せです。IPAの解答例では、正解はア(送信元80、宛先50001)です。
戻りのパケットは、送信元と宛先が入れ替わります。サーバ側の80が送信元、PC側の50001が宛先になるので、正解のアと一致します。「戻りの通信では、送信元と宛先のポート番号が入れ替わる」と覚えれば、数字を見比べるだけで解けます。
この論点の問題を解く
- リアルタイム性を重視するトランスポート層プロトコルの問題(サンプル問題 問28)
- 戻りのパケットのポート番号の問題(サンプル問題 問29)
- 戻りのパケットのポート番号の問題(平成28年度春期 問35)
用語ページ:基本情報 用語集 TCP/IP
DNS・DHCP・HTTP・メールのプロトコルの役割
シラバスは、アプリケーション層のプロトコルとして、HTTP、SMTP、POP、FTP、DNSなどの基本的な役割・機能を理解することを求め、用語例にTELNET、DHCP、IMAP、NTP、HTTP/2、HTTP/3を挙げています。名前と役割を1行で結ぶと、次のようになります(役割の一言は当サイトの学習用の要約で、IPAの定義文ではありません)。
| プロトコル | 役割の一言 | 問題での見え方 |
|---|---|---|
| DNS | ドメイン名とIPアドレスを対応づける | 仕組みの説明を選ぶ形 |
| DHCP | IPアドレスなどの設定を機器に自動で割り当てる | 令和5年度 問8の選択肢の一つ(疎通確認には使わない) |
| HTTP/HTTPS | Webの通信。HTTPSはHTTPの通信を保護する | 令和7年度 問8(下記) |
| SMTP/POP | メールの送信と、メールボックスからの取り出し | メール系のプロトコルを選ぶ形 |
| NTP | 時刻を合わせる | 時刻同期のプロトコルを選ぶ形 |
令和7年度の公開問題には、HTTPとHTTPSの違いを問う問題があります。
問8 HTTP とHTTPS を比較した場合において,HTTPS だけがもつ特徴を示したものはどれか。
ア cookie に保存されている情報を用いたセッション管理が可能である。
イ ID とパスワードによって利用者の認証を行うことが可能である。
ウ Web ブラウザでキャッシュさせることによって通信量を減らすことが可能である。
エ 通信相手先サーバをサーバ証明書によって確認することが可能である。
出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問8(独立行政法人情報処理推進機構)。IPAの解答例では、正解はエです。
ア〜ウは、HTTPでもできることです。HTTPSだけが持つ特徴は、通信相手のサーバを、サーバ証明書で確認できる点です。令和5年度 問8は、IPv4ネットワークの疎通確認に使うものとしてpingを選ぶ問題です。選択肢のBOOTP、DHCP、MIBは、疎通確認とは別の役割のものです。
この論点の問題を解く
- HTTPとHTTPSの違いの問題(令和7年度 問8)
- ネットワークの疎通確認に使うものの問題(令和5年度 問8)
- POP3の説明の問題(平成24年度春期 問38)
- 時刻を同期させるプロトコルの問題(平成22年度春期 問37)
- 電子メールに画像を添付する規格の問題(サンプル問題 問27)
- メール送信者を認証するものの問題(サンプル問題 問37)
- 近距離の無線通信の問題(サンプル問題 問25)
用語ページ:基本情報 用語集 DNS・HTTP/HTTPS・ITパスポート用語集 DHCP
解き方の順番と、間違えやすい点
ネットワークの問題は、次の順番で見ると取りこぼしを減らせます。
- ①問題文が「層」「装置」「プロトコル」「アドレス」「速度」のどれを聞いているかを決める。
- ②層の問題は、まず第何層かを決めてから、その層の装置・プロトコルを探す。
- ③計算の問題は、単位(ビットとバイト、K・M・G)をそろえてから式を立てる。
- ④答えが出たら、逆算で1回確かめる。
間違えやすい点は次のとおりです。
- サブネットで、ホストに使える数から2を引き忘れる(ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは割り振れない)。
- ネットワークアドレスと最初のホストの値を取り違える(192.168.10.64 は /27 のネットワークアドレスで、最初のホストは .65)。
- 回線の計算で、バイトとビットの換算を忘れる。利用率を、かける側とわる側で逆にする。
- 層の対応を、装置の名前の印象で決める(ブリッジとルータを入れ替えるなど)。
2027年度の新試験制度でネットワークは変わるか
IPAは、情報処理技術者試験の新試験制度を2027年度に始める予定と公表しています。基本情報技術者試験は新制度でも継続し、科目A 90分・60問、科目B 100分・20問のままと示されています。出題範囲については、「科目Aの出題範囲体系の変更」と「科目Bの出題範囲の一部変更」が挙げられていますが、IPAは「技術動向や環境変化等を踏まえて表記の変更等を行うもので、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません」と説明しています。
新試験制度の予定:基本情報技術者試験は2027年度春頃から新試験制度で実施予定(科目A 90分・60問、科目B 100分・20問)。現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了予定。公表内容は検討状況で、今後変更の可能性あり。最終確認日:2026-10-04。出典:IPA 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について。
2026年度中に受験する場合は現行のシラバス Ver.9.2、2027年度以降に受験する場合は、IPAが新制度向けに公表するシラバスで範囲を確認してください。新旧の違いは、シラバスの変更点の記事で扱っています。
まとめ
1. ネットワークの範囲は、IPAシラバス Ver.9.2 の中分類10「ネットワーク」の5項目で確認する。
2. 科目Bの分野別出題数はアルゴリズム16問・情報セキュリティ4問。ネットワークは科目Aで対策する。
3. 層と装置は「物理層=リピータ、データリンク層=ブリッジ、ネットワーク層=ルータ・IP、トランスポート層=TCP・UDP」と対応づける。
4. サブネットは、ブロック幅(256-マスクの値)を出し、両端の2つを除いて数える。回線の計算は、ビットにそろえて、利用率をかけた実効の速度で割る。
5. 答えは、ビットでの論理積や逆算で1回は確かめる。
一次ソース
- IPA 基本情報技術者試験(レベル2)シラバス Ver.9.2
- IPA 試験要綱 Ver.5.6
- IPA 試験要綱・シラバスについて
- IPA 基本情報技術者試験 サンプル問題(科目A 60問セット)
- IPA 令和5年度 科目A 公開問題・令和6年度・令和7年度
- IPA 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について
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よくある質問
Q基本情報技術者試験の科目Bに、ネットワークの問題は出ますか?
IPAの試験要綱 Ver.5.6 は、科目Bの分野別の出題数を「アルゴリズムとプログラミング分野16問、情報セキュリティ分野4問」と定めています。ネットワークは分野として立っていないため、ネットワークの知識を主題として問われるのは科目A(60問・四択)が中心です。
Qサブネットの計算で、使えるホストの数から2を引くのはなぜですか?
同じネットワークの中で、ホスト部のビットがすべて0のアドレスはネットワーク全体を表すネットワークアドレス、すべて1のアドレスは全ホストへ送るブロードキャストアドレスとして使われるためです。この2つは機器に割り振れないので、ホスト部が5ビットなら 2の5乗 = 32 から2を引いた30台が上限になります。
Q旧「午後試験」の対策本で、ネットワークの範囲は足りますか?
旧午後試験では、ネットワークは選択問題の分野の一つでした(令和元年度秋期の午後問題では問4がネットワーク)。現在はネットワークの知識が科目Aで問われるため、範囲はIPAの現行シラバスの中分類10で確認するのが確実です。教材がどのシラバスの版に対応しているかも、あわせて見てください。
Q回線の計算で、1バイトを8ビットとして扱うタイミングはいつですか?
回線速度は「ビット/秒」、データ量は「バイト」で書かれることが多いので、計算の最初にどちらかの単位にそろえます。本記事では、データ量をビットに直してから回線速度で割る順で解いています。IPAの公開問題でも、バイトとビットが混在した形で出題されています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

