問題
図に示すシステム構成全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,システムが正常に稼働するためには,磁気ディスクは2台とも正常でなければならず,それぞれのサイトで少なくとも1台の端末は正常でなければならない。
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答え合わせ
- A
- B
- C
- D
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
答えは b「D²C(1−(1−T)²)²」 です。
図の構成は「磁気ディスク2台」「CPU1台」「サイトa(端末2台)」「サイトb(端末2台)」で、これらが全部そろって動いたときだけシステムが動くつながり(直列)です。
- 磁気ディスクは2台とも必要 → D×D=D²
- CPU → C
- 各サイトは端末2台のうち1台動けばよい(並列)→ 2台とも止まる確率 (1−T)² を1から引いて 1−(1−T)²。サイトが2つあるので2乗。
👉 覚え方:直列は掛け算、並列は「1−(全部止まる確率)」。
ほかの選択肢:a・c は端末部分を 1−T² と間違えている/c・d は磁気ディスクを止まる確率 (1−D) で掛けている。
なぜこれが正解か
正解は b。図の構成は、磁気ディスク2台とCPU1台が共通で、CPUにサイトaとサイトbがつながり、各サイトに端末が2台ずつある。システムが動く条件は「磁気ディスク2台がともに正常」「CPUが正常」「サイトaで端末1台以上が正常」「サイトbで端末1台以上が正常」のすべてなので、これらを直列として掛け合わせる。
- 磁気ディスク2台(直列):D × D = D²
- CPU:C
- 1サイトの端末2台(並列):1 − (1 − T)²
- サイトが2つ:(1 − (1 − T)²)²
全体:D²C(1 − (1 − T)²)²
各選択肢の解説
- a:端末部分を 1 − T² としている。T² は「2台とも動く確率」なので、1 − T² は「少なくとも1台が止まっている確率」になってしまう。
- b:正解。
- c:(1 − D)² は「2台とも故障している確率」で、稼働率として掛けるのは誤り。端末部分も a と同じ誤り。
- d:端末部分は正しいが、磁気ディスクを (1 − D)² としている点が誤り。
覚え方・ひっかけ注意
直列=稼働率の積/並列=1 −(全部が止まる確率の積)。「1 − T²」と「1 − (1 − T)²」の取り違えが典型のひっかけ。T = 0.9 を入れると、1 − (1 − 0.9)² = 0.99(並列で上がる)、1 − 0.9² = 0.19(極端に下がる)となり、数値を入れれば一瞬で見分けられる。
理論的背景
稼働率(アベイラビリティ)は MTBF ÷ (MTBF + MTTR) で表される。装置どうしの故障が互いに独立だとみなすと、構成全体の稼働率は信頼性ブロック図から計算できる。
- 直列(すべて必要):A = A₁ × A₂ × … × Aₙ
- 並列(どれか1台でよい):A = 1 − (1 − A₁)(1 − A₂)…(1 − Aₙ)
- n台中k台以上が必要(k-out-of-n):二項分布で、i = k〜n について C(n,i)·Aⁱ·(1 − A)ⁿ⁻ⁱ を足し合わせる
本問は「直列の中に並列のかたまりを含む」複合構成。全体を直列要素(ディスク2台・CPU・サイトa・サイトb)に分け、サイトの中を並列として先に計算してから掛け合わせる、という内側から外側への手順で解く。
実務での使われ方
- 本問の構成の弱点は、磁気ディスク2台とCPUが冗長化されていない点。端末をいくら増やしても、全体の稼働率は D²C を超えられない。D = C = 0.99 なら D²C ≒ 0.970 で、1年あたり約260時間止まりうる計算になる。
- 実務では単一障害点(SPOF)を洗い出し、ディスクは RAID1・RAID5・RAID6、サーバはクラスタ構成(アクティブ/スタンバイ、アクティブ/アクティブ)で並列化して稼働率を引き上げる。
- 可用性の目標はSLAで「99.9%(年間約8.8時間停止)」「99.99%(年間約53分停止)」のように示され、構成ごとの稼働率計算は設計段階で目標を満たせるかを見積もる根拠になる。
試験での位置づけ
稼働率計算は旧午前・科目Aの最頻出テーマの一つ。「直列・並列の基本式」「複合構成の分解」「2台中1台・3台中2台の構成」「稼働率の大小比較」が繰り返し出題される。応用情報では MTBF・MTTR からの稼働率算出や、システム全体の可用性設計と組み合わせて問われる。
選択肢の発展補足
- 1 − T² は「2台とも稼働」の余事象=「少なくとも1台が停止している確率」で、稼働率ではない。
- (1 − D)² は「2台とも停止している確率」。並列の計算途中で出てくる量で、そのまま掛けると意味を失う。
- 数値で確かめると取り違えに強い。D = C = T = 0.9 のとき、b は 0.81 × 0.9 × 0.99² ≒ 0.714、a は 0.81 × 0.9 × 0.19² ≒ 0.026。端末を2台に増やして稼働率が大きく下がるはずがない、という感覚で a を外せる。
出典と作り方
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成24年度 春期 問17/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。


