問題
【図26参照】問題の概要: 川沿いの平たんな土地に,円曲線始点A・円曲線終点Bからなる円曲線の道路の建設計画を模式的に示した図。交点IPの位置に川が流れており,杭を設置できないため,円曲線始点Aと交点IPを結ぶ接線上に補助点C,円曲線終点Bと交点IPを結ぶ接線上に補助点Dをそれぞれ設置し観測を行ったところ,α = 95°,β = 145°であった。曲線半径R = 350 mとするとき,円曲線始点Aから円曲線終点Bまでの路線長は幾らか。最も近いものを次の 1 〜 5 の中から選べ。なお,円周率π = 3.14とし,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
円曲線の路線長計算問題です。正答は3(733 m)。
交点IPに近づけないため,補助点C・Dで偏角α・βを観測しています。
交角(偏角)Iの計算
図から,α = 95° は補助点Cで計測した角度(C-IP方向とC-A方向のなす角),β = 145° は補助点Dで計測した角度(D-IP方向とD-B方向のなす角)です。
交角 I(IPでの折れ角 = 180° − 交角)の計算:
α と β の関係から:
三角形C-IP-Dの内角の和 = 180°
IPでの内角 = 180° − (180° − α) − (180° − β)
= 180° − 85° − 35° = 60°(IPの内角)
交角 I = 180° − 60° = 120°
路線長(円弧長)の計算
円弧長 CL = 2πR × (I/360°)
= 2 × 3.14 × 350 × (120/360)
= 2 × 3.14 × 350 × (1/3)
= 2199.33 × (1/3)
= 733.1 m ≒ 733 m
正答は選択肢3(733 m)です。
補助点を使った円曲線要素の計算問題です。正答は3(733 m)。
補助点を使った交角計算
IPに杭を設置できない場合,接線上の補助点C・Dで偏角を観測します。
観測値の解釈:
- α = 95°:補助点Cから見た,接線方向(C→IP)から別の接線方向(C→A逆)への角度
- β = 145°:補助点Dから見た,接線方向(D→IP)から別の接線方向(D→B逆)への角度
三角形C-IP-Dにおける内角:
- C点の内角:補助点Cでの偏角 = 180° − α = 180° − 95° = 85°
- D点の内角:補助点Dでの偏角 = 180° − β = 180° − 145° = 35°
- IP点の内角:180° − 85° − 35° = 60°
交角(偏角の補角)I:
I = 180° − IP内角 = 180° − 60° = 120°
円弧長の計算
CL = 2πR × (I/360°)
= 2 × 3.14 × 350 × (120/360)
= 2198.0 × (1/3)
計算:2 × 3.14 = 6.28,6.28 × 350 = 2198.0,2198.0 / 3 = 732.7 m ≒ 733 m
(円周率 π = 3.14 を使用すると:2 × 3.14 × 350 = 2,198 m,÷3 = 732.7 m → 733 m)
円曲線設計の技術的背景と測量士レベルへの接続です。正答は3(733 m)。
補助点法の実務的意義
道路測量では交点(IP)に立入不可能(河川・崖・建物)な場合が多く発生します。補助点法(副測方法)により,IP近傍の接線上に補助点を設けて間接的に交角を求めます。
本問の計算フロー:
1. α, β から三角形の各内角を算出
2. IP内角 = 180° − (180°−α) − (180°−β) = α + β − 180°
= 95° + 145° − 180° = 60°
3. 交角 I = 180° − IP内角 = 120°
4. 円弧長 CL = πRI/180° = 3.14 × 350 × 120/180 = 3.14 × 350 × (2/3) = 733 m
円曲線要素の完全な計算(測量士レベル)
- 接線長 TL = R × tan(I/2) = 350 × tan60° = 350 × 1.732 = 606 m
- 外矢距 E = R × (sec(I/2) − 1) = 350 × (sec60° − 1) = 350 × (2 − 1) = 350 m
- 長弦 LC = 2R × sin(I/2) = 2 × 350 × sin60° = 700 × 0.866 = 606 m
本問の路線長 CL ≠ 接線長×2(接線長 ≒ 606 m × 2 = 1,212 m >> CL = 733 m):円弧が2本の接線より「内側」(短い)ことが確認できます。
クロソイド緩和曲線との違い
単純な円曲線(本問)に対し,実際の道路設計では単曲線の前後に緩和曲線(クロソイド曲線)を付加します。クロソイドは曲率が0(直線)から1/R(円弧)まで線形変化する曲線で,車両の操舵を円滑にするための設計要素です。測量士試験では,クロソイドパラメータA,クロソイド長,タンジェント長,偏角の計算が重要出題事項です。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和7年度 測量士補試験 問26(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

