問題
次の文は,公共測量における路線測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
路線測量の各工程に関する誤り識別問題(令和5年度 問26)。正答は(3)です。
選択肢(3)が誤りの理由は「2倍から5倍」という縦横縮尺比率の記述にあります。縦断面図を図紙に出力する場合,高さ(縦)と距離(横)の縮尺比は作業規程の準則では「10倍」を標準としています。実際の道路縦断では,距離に対して高低差がごくわずかであるため,「2倍から5倍」では地形の起伏がほとんど見えない図になってしまいます。一般的には縦は横の10倍の縮尺(例:横1/1,000・縦1/100)で表現します。
他の選択肢(1)(2)(4)(5)はすべて正しい記述です。
【路線測量の作業規程に関する誤り識別問題】(令和5年度 問26)
【(3) が誤りの根拠:縦断面図の縦横縮尺比】
作業規程の準則第166条(縦断面図データファイルの作成):
縦断面図を図紙に出力する場合の縦横比:
- 距離を表す横の縮尺:通常1/1,000〜1/2,000
- 高さを表す縦の縮尺:横の縮尺の10倍が標準(例:横1/1,000→縦1/100)
「2倍から5倍」は誤り。正しくは10倍。
理由:道路の縦断勾配は通常0.3〜8%程度(急勾配でも12%以下)。横の縮尺と同じ(1:1)や2〜5倍では,この小さな勾配変化がほとんど判読できない。縦を10倍に拡大することで勾配変化・最高・最低点が明確に表現できる。
【正しい選択肢の根拠】
(1) 正しい。作業規程の準則第153条:
中心線測量=主要点(IP・BC・EC等)・中心点を現地設置し線形地形図データファイル作成。
道路実施設計での中心点間隔:20 mが標準(曲線部はより短い間隔)。
(2) 正しい。準則第157条:
仮BM設置測量=縦断・横断測量の基準高さを提供する水準点を現地設置。
仮BM間隔:0.5 km(500 m)が標準。水準路線長が長い場合は中間に設置。
(4) 正しい。準則第170条:
横断測量=中心杭を基準に,直角横断方向の地形変化点(法肩・法尻・排水側溝等)の距離・標高を測定し横断面図データファイル作成。横断方向に見通杭を設置して方向を確定。
(5) 正しい。準則第174条:
用地幅杭設置測量=用地境界範囲を示す杭を設置。最寄の4級基準点以上(三角点・電子基準点・3〜4級基準点)から放射法または他の測量方法で設置。
【路線測量の全工程フロー(参考)】
作業計画 → 線形決定 → 中心線測量 → 仮BM設置測量 → 縦断測量 → 横断測量 → 詳細設計 → 用地幅杭設置測量 → 成果整理
【路線測量の縦断面・横断面設計と実務技術の詳細】(令和5年度 問26)
【縦断面図の縮尺設計の詳細】
縦断面図の縦横縮尺の標準:
- 距離縮尺(横):1/500〜1/2,000(設計縮尺や路線延長に依存)
- 高さ縮尺(縦):距離縮尺×10倍(例:横1/1,000→縦1/100)
10倍の根拠:
道路縦断勾配の設計基準(道路構造令):
一般道路の最大縦断勾配:4〜8%(設計速度60km/h以上の主要幹線は6%以下)
最小縦断勾配(排水確保):0.3%以上推奨
勾配0.3%の場合,横1/1,000の縮尺で図上高さ変化:
1km区間で 1,000m×0.003 = 3m の高低差 → 図上 3m/1000 = 3mm
縦を横の10倍(1/100)にすると:3m/100 = 30mm → 明瞭に視認可能
縦横比が2〜5倍では:3m/(1000/2〜5) = 6〜15mm → 視認できるが不十分
したがって「10倍」が最も実用的な標準となる。
【仮BM(仮水準点)の精度規定】
仮BM設置測量の閉合差許容値(作業規程の準則):
- 仮BM間隔0.5kmでの1級水準測量:閉合差 ≦ 2.5mm×√0.5 ≈ 1.8mm
- 一般の路線測量では3〜4級水準測量で実施可(閉合差 ≦ 10mm×√S)
設置位置の選定:
①安定した地盤(コンクリート壁・岩盤・永久構造物)
②施工中に移動・破損されにくい場所
③縦断・横断の作業班が参照しやすい中心線付近
【横断測量と路体計算への応用】
横断面データから切土・盛土量を計算:
両端断面積法:V = L×(A₁+A₂)/2(L:中心杭間距離,A₁・A₂:前後断面積)
プリズモイダル法:V = L/6×(A₁+4A_m+A₂)(Am:中央断面積)より精度が高い
この計算の積み重ねが工事全体の土工量(切土・盛土・運搬量)を決定し,工事費の大部分を占めるため,横断測量の精度と横断面データの品質が直接コストに影響する。
【用地幅杭と土地収用法との関係】
用地幅杭は,土地収用法(昭和26年法律第219号)に基づく収用区域の境界を示す法的効力を持つ杭。座標値の計算根拠・精度・設置方法が法的手続きに直結するため,作業規程の準則の遵守が必須。
用地調査の流れ:
用地幅杭設置→地籍調査との照合→用地交渉→土地収用法第20条の事業認定→補償・契約→用地取得
測量士が作成する「用地測量成果」(座標・面積・境界図)は土地収用委員会での審査資料となるため,精度・信頼性が特に重視される。
【測量士試験への接続】
測量士では,路線測量の各工程の計算(切盛土量・用地面積・クロソイド曲線パラメータ),縦断勾配とバーティカルカーブの設計,排水計画・道路構造令との整合,測量成果の法的効力が出題される。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和5年度 測量士補試験 問26(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

