測量士補

測量士補 応用測量 問8出典: 令和6年度 問28

問題

測量士補 | 応用測量 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の 1 〜 5 の文は,公共測量における河川測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

河川測量の用語・規定に関する問題です。正答(間違っているもの)は 2 です。

2 が誤り:水準基標の設置間隔は「2 km から 5 km まで」を標準とするのが正しい規定です(公共測量作業規程準則)。「1 km から 2 km まで」は誤りです。

水準基標とは,河川の水位を管理するために,水位標(量水標)の近くに設置する水準点のことで,水位標の標高管理に使われます。

1・3・4・5 は正しい記述です。

【河川測量の各作業と規定値の整理】

2 が誤りの根拠(水準基標の設置間隔)

公共測量作業規程準則(第6編 河川測量 第2章)の規定:

水準基標:水位標に近接した位置に設置し,設置間隔は 2 km から 5 km までを標準とする。

「1 km から 2 km」は規定値より短く,誤り。水準基標は水位標の標高管理のための基準点であり,河川の主要地点ごとに設置されるが,過密な設置は不要であり 2〜5 km 間隔が実用的。

1 が正しい理由(河川測量の定義)

公共測量作業規程準則 第6編第1条:河川測量とは,「河川,海岸等の調査及び河川の維持管理等に用いるために実施する測量」をいう。

3 が正しい理由(定期横断測量)

定期横断測量:河川の侵食・堆積等による河床変化を把握するため,定期的(年1回等)に左右距離標の視通線(横断方向の測量基準線)上で横断測量を実施し,横断面図データファイルを作成する作業。

4 が正しい理由(深浅測量の船位測定方法)

深浅測量(河川の水深測量)で船位(測量船の位置)を測定する方法:

  • ワイヤーロープ法:ワイヤーを張って船の位置を把握(狭小河川)
  • TS(トータルステーション)法:陸上から船に設置した反射プリズムを視準
  • GNSS 測量機法:GPS/GNSS で船位を直接測定(広域・高精度)

5 が正しい理由(法線測量)

法線(ほうせん)測量:河川・海岸の護岸・堤防・水制工等の築造物を建設・改修する際に,設計上の法線(計画線)を現地に杭で設置し,線形図データファイルを作成する作業。

河川測量の主要用語まとめ

| 用語 | 内容 |

|------|------|

| 距離標 | 河口または河川起点から一定距離ごとに設置する標識(左岸・右岸) |

| 水位標 | 河川の水位を連続観測する量水標 |

| 水準基標 | 水位標の標高管理のための基準水準点(2〜5 km 間隔) |

| 定期縦断測量 | 定期的に距離標等の標高を測定して縦断面図を作成 |

| 定期横断測量 | 定期的に距離標の視通線上を横断測量して断面図を作成 |

| 深浅測量 | 河川・海域の水深測量(測量船使用) |

| 法線測量 | 築造物の計画線を現地に杭設置 |

【河川測量の技術体系と防災・水管理への応用】

水準基標の設置間隔(2〜5 km)の根拠

水準基標は水位標の「標高の基準点」として機能し,水位標を通じた「水位→標高変換」を可能にする。河川の水管理(洪水計算・流量計算)では水面標高(H.W.L.:高水位,L.W.L.:低水位)が必要なため,水位標の標高を正確に管理する必要がある。

設置間隔 2〜5 km の理由:

① 水準測量の閉合精度管理上,長すぎると累積誤差が大きくなる

② 短すぎると設置・維持管理コストが増大

③ 主要水位観測地点(橋梁・観測局等)をカバーできる間隔

深浅測量の技術進化

従来のワイヤーロープ法(両岸間にワイヤーを張り,船の横断位置を距離で計測)から,現代では:

  • GNSS リアルタイム船位測定(RTK-GNSS): 精度 ±数 cm
  • マルチビーム音響測深機(MBES): 広幅 3D 水深測量(航跡幅 = 水深 × 3〜10 倍)
  • シングルビーム + RTK-GNSS の組み合わせ: 低コスト・高精度(中小河川)

深浅測量の結果は河床縦横断面図として整理され,洪水伝播解析・土砂収支計算に使用される。

定期横断測量と河川管理

河川管理者(国交省・都道府県)は,公共測量作業規程準則に基づき,定期横断測量(通常年1回・洪水後に追加実施)を行い,河床変動量・掘削・堆積量を把握。

土砂動態の評価指標:

  • 総流砂量(Total Sediment Load)= 浮遊砂 + 掃流砂
  • 比流砂量(単位幅当たり)= qs(m²/s)
  • 土砂収支 = 流入量 − 流出量 ± ΔStorage

地球温暖化と河川測量の重要性増大

近年の気候変動(集中豪雨の頻発化)により,河川整備・洪水リスク評価の重要性が増している。ICT を活用した河川測量(ドローン写真測量による洪水後の被害範囲把握,ADCP(超音波流速計)による流量自動観測)が進展しており,測量士補の実務でも新技術への対応が求められる。

測量士試験への接続

測量士試験では,流量計算(断面法・流速計法),洪水伝播計算(キネマティック波モデル),河床変動モデルの原理,海岸測量での潮位補正,港湾工事での座礁防止のための深浅測量精度管理など,より専門的な水文・海岸工学との統合知識が求められる。

この問題の根拠出典: 令和6年度 測量士補試験 問28(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問28(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。