問題
図 27 は,境界点 A,B,C,D の 4 点で囲まれた四角形の土地を表したもので,各境界点の平面直角座標系(平成 14 年国土交通省告示第 9 号)における座標値は表 27 に示すとおりである。 この度,計画道路の建設に伴い四角形の土地 ABCD を長方形の土地 AEFD に整えることとなった。長方形 AEFD の面積を四角形 ABCD の面積の 70% とするとき,点 F の X 座標値は幾らか。最も近いものを次の 1 〜 5 の中から選べ。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 【表 27】 | 境界点 | X 座標値(m) | Y 座標値(m) | |--------|------------|------------| | A | −22.260 | +6.000 | | B | +24.740 | +6.000 | | C | +16.740 | +76.000 | | D | −22.260 | +70.000 |
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
座標法で四角形の面積を求め,そこから長方形の辺の長さを逆算する問題です。正答は 2「+9.382 m」です。
Step1: 四角形ABCDの面積を座標法で求める
座標法(ガウスの公式):
S = 1/2 × |Σ(X_i × Y_{i+1} − X_{i+1} × Y_i)|
A→B→C→D→A の順に計算:
- A→B: (−22.260)×6.000 − 24.740×6.000 = −133.56 − 148.44 = −282.00
- B→C: 24.740×76.000 − 16.740×6.000 = 1,880.24 − 100.44 = 1,779.80
- C→D: 16.740×70.000 − (−22.260)×76.000 = 1,171.80 + 1,691.76 = 2,863.56
- D→A: (−22.260)×6.000 − (−22.260)×70.000 = −133.56 + 1,558.20 = 1,424.64
合計 = −282.00 + 1,779.80 + 2,863.56 + 1,424.64 = 5,786.00
S_ABCD = 5,786.00 / 2 = 2,893.00 m²
Step2: 長方形AEFDの面積
S_AEFD = S_ABCD × 70% = 2,893.00 × 0.70 = 2,025.10 m²
Step3: 長方形AEFDの形状から点Fの X 座標を求める
長方形AEFDでは:
- A(−22.260, +6.000),D(−22.260, +70.000)(左辺)
- E(X_F, +6.000),F(X_F, +70.000)(右辺,E・F 同じ X 座標)
- 縦幅 = 70.000 − 6.000 = 64.000 m
- 横幅 = X_F − (−22.260) = X_F + 22.260
S_AEFD = 64.000 × (X_F + 22.260) = 2,025.10
X_F + 22.260 = 2,025.10 / 64.000 = 31.642
X_F = 31.642 − 22.260 = +9.382 m
【座標法による面積計算と逆算の手順】
座標法(ガウスの公式)の確認
n 頂点 (X₁,Y₁)〜(Xₙ,Yₙ) の多角形の面積 S:
S = 1/2 × |Σᵢ(Xᵢ × Yᵢ₊₁ − Xᵢ₊₁ × Yᵢ)|(添字は mod n で循環)
Step1: S_ABCD の計算(各項の詳細)
| 辺 | Xᵢ × Yᵢ₊₁ | Xᵢ₊₁ × Yᵢ | 差 |
|---|----------|----------|---|
| A→B | (−22.260)×(+6.000) = −133.56 | (+24.740)×(+6.000) = +148.44 | −282.00 |
| B→C | (+24.740)×(+76.000) = +1,880.24 | (+16.740)×(+6.000) = +100.44 | +1,779.80 |
| C→D | (+16.740)×(+70.000) = +1,171.80 | (−22.260)×(+76.000) = −1,691.76 | +2,863.56 |
| D→A | (−22.260)×(+6.000) = −133.56 | (−22.260)×(+70.000) = −1,558.20 | +1,424.64 |
合計 = −282.00 + 1,779.80 + 2,863.56 + 1,424.64 = +5,786.00
S_ABCD = |+5,786.00| / 2 = 2,893.00 m²
Step2: S_AEFD の計算
S_AEFD = 2,893.00 × 0.70 = 2,025.10 m²
Step3: 長方形 AEFD の各辺の検討
図 27 より,長方形 AEFD の構成:
- 辺 AD(左辺): A(−22.260, +6.000) → D(−22.260, +70.000)
長さ = 70.000 − 6.000 = 64.000 m(X 一定,Y 変化)
- 辺 AE(下辺): A(−22.260, +6.000) → E(X_F, +6.000)
長さ = X_F − (−22.260) = X_F + 22.260(X 変化,Y 一定)
- 辺 EF(右辺): E(X_F, +6.000) → F(X_F, +70.000)
長さ = 64.000 m(X 一定)
- 辺 DF(上辺): D(−22.260, +70.000) → F(X_F, +70.000)
Step4: X_F の逆算
S_AEFD = 縦幅 × 横幅
2,025.10 = 64.000 × (X_F + 22.260)
X_F + 22.260 = 2,025.10 / 64.000 = 31.6422 m
X_F = 31.6422 − 22.260 = +9.382 m
→ 選択肢 2「+9.382 m」が正答
【用地測量の面積計算と土地区画整理の実務的深掘り】
座標法(ガウスの公式)の数学的背景
ガウスの公式はグリーンの定理(面積分 = 線積分)から導かれる:
S = 1/2 × |∮(X dY − Y dX)| = 1/2 × |Σᵢ(Xᵢ × Yᵢ₊₁ − Xᵢ₊₁ × Yᵢ)|
多角形の頂点を反時計回りに並べると結果が正値,時計回りだと負値となる(絶対値をとる)。
本問の四角形 ABCD の頂点順(図 27 から読む):
A(左下)→ B(右上角)→ C(右)→ D(右下)→ A:時計回り(−符号が基本)
計算結果の +5,786 は頂点の回り方向の設定により絶対値処理。
面積の精度と計算誤差の管理
S_ABCD = 2,893.00 m²の精度:
座標値の最小読み取り単位 = 0.001 m(1 mm)
→ 各座標の誤差 ±0.001 m から面積誤差 δS ≒ Σ|ΔXᵢ × Yᵢ| / 2
実用上,座標を 3 桁以上で管理すれば面積誤差は数 cm² 以内。
土地区画整理での用地計算(実務)
本問は計画道路建設に伴う土地形状変更(ABCD → AEFD)であり,現実の用地測量業務に対応。
手順:
① 既存土地の境界測量(座標値取得)
② 座標法で現在面積算出(S_ABCD = 2,893 m²)
③ 換地設計(面積按分・形状変更)
④ 長方形等の整形地に換地(S_AEFD = 2,893 × 0.7 = 2,025.1 m²)
⑤ 新境界点(E・F)の座標計算 → 境界杭設置
70% 換地の根拠:計画道路用地として 30% を提供(道路用地負担率 30%)するとともに,整形地(長方形)として利便性向上を図る。
三斜法との比較
本問の多角形を3つの三角形に分割する三斜法:
三角形 ABD:S₁ = 1/2 × |AB × AD × sin(∠BAD)|(計算複雑)
三角形 BCD:S₂ = ...
→ 頂点数が多い多角形では座標法が圧倒的に効率的(三斜法より誤差も少ない)。
上位資格(測量士)への接続
測量士試験では,任意多角形の面積計算(n 点)・座標変換(平行移動・回転)を組み合わせた問題,または「面積が一定値となる分割線の方程式を求める」など,より複合的な計算が出題される。また,地籍調査(国土調査法)での面積計算精度基準(等級別許容範囲)も実務上の重要知識である。
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出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問27(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

