問題
騒音作業の管理と騒音性難聴の予防に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはオです。騒音障害防止のためのガイドラインの許容基準の表は、85dBで8時間を起点に、88dBで4時間、91dBで2時間と、3dB増えるごとに時間が半分になっています。
ア→安衛則第590条の測定対象は、第588条に列挙された「著しい騒音を発する屋内作業場」で、90dBという線引きはありません。イ→表の起点は95dBではなく85dB・8時間(95dBは47分)。ウ→遮音値は必要かつ十分なものを選び、正しく使われているか目視等で確認します。エ→定期健診の選別聴力検査は1,000ヘルツと4,000ヘルツです。
ガイドラインの許容基準の表(抜粋):
| 等価騒音レベル | 1日のばく露時間 |
|---|---|
| 85dB | 8時間00分 |
| 88dB | 4時間00分 |
| 91dB | 2時間00分 |
| 94dB | 1時間00分 |
| 95dB | 0時間47分 |
| 97dB | 0時間30分 |
| 100dB | 0時間15分 |
(日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告(2022年度)」の騒音の許容基準の一部抜粋として、ガイドライン7(2)に掲載)
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 安衛則第590条は「第五百八十八条に規定する著しい騒音を発する屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない」と定めています。第588条は鋲打ち機・はつり機、ロール機・圧延機など業務の種類で作業場を列挙しており、90dB以上という基準ではありません。
- イ(誤): 表の起点は85dBで8時間です。95dBでは0時間47分とされています。
- ウ(誤): ガイドライン7(1)は、JIS T8161-1の試験方法で測定された遮音値を目安に「必要かつ十分な遮音値のもの」を選び、周囲の音を聞く必要がある場合は遮音値が必要以上に大きいものを選ばないよう配慮し、管理者に正しい使用方法を指導させた上で「目視等により正しく使用されていることを確認すること」としています。
- エ(誤): ガイドライン8(1)イの定期健康診断の選別聴力検査は「オージオメータによる1,000ヘルツ及び4,000ヘルツにおける選別聴力検査(1,000ヘルツについては30dB、4,000ヘルツについては25dB及び30dBの音圧での検査)」です。
- オ(正): 表のとおり85dB・8時間、88dB・4時間、91dB・2時間で、3dBごとに時間が半分になります。
【理論的背景】
騒音の管理は、安衛則の規定と、厚生労働省の「騒音障害防止のためのガイドライン」(令和5年4月20日 基発0420第2号で改訂)の二本立てで考えます。
安衛則の規定:
- 第588条: 等価騒音レベルを測定すべき「著しい騒音を発する屋内作業場」を、鋲打ち機・はつり機・鋳物の型込機等の圧縮空気駆動の機械を扱う業務、ロール機・圧延機等による金属の圧延等の業務、動力ハンマーによる金属の鍛造・成型の業務、タンブラーによる研まの業務、ドラムバーカーによる木材の削皮の業務などの種類で列挙しています。
- 第590条: その屋内作業場について6月以内ごとに1回、定期に等価騒音レベルを測定し、記録を3年間保存します。
- 第595条: 強烈な騒音を発する場所における業務では、耳栓その他の保護具を「備えなければならない」とし、使用を命じたときはその旨を見やすい場所に掲示します。
ガイドラインの許容基準の表:
ガイドライン7(2)は、作業環境を改善するための措置を講じても第Ⅰ管理区分とならない場合又は等価騒音レベルが85dB未満とならない場合に、騒音作業に従事する時間の短縮を検討するための参考として、日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告(2022年度)」の騒音の許容基準の表を一部抜粋して掲げています。85dB・8時間00分、88dB・4時間00分、91dB・2時間00分、94dB・1時間00分、97dB・0時間30分、100dB・0時間15分と、3dBごとに時間が半分になります。
【実務・条文構造】
ガイドラインの主な内容:
- 対象: 別表第1及び別表第2に掲げる作業場における業務(騒音作業)
- 管理体制: 衛生管理者、安全衛生推進者等から騒音障害防止対策の管理者を選任
- 作業環境管理: 別表第1の作業場は作業環境測定による等価騒音レベルの測定を6月以内ごとに1回。別表第2の屋内作業場・坑内の作業場・屋外作業場も6月以内ごとに1回(屋内作業場は第Ⅰ管理区分の継続又は継続的に85dB未満の場所、坑内・屋外は継続的に85dB未満の場所で、定期の測定を省略可)。施設・設備・作業工程・作業方法を変更した場合はその都度測定
- 聴覚保護具(7(1)): JIS T8161-1の試験方法で測定された遮音値を目安に必要かつ十分な遮音値のものを選定。周囲の音を聞く必要がある場合は遮音値が必要以上に大きいものを選ばないよう配慮。管理者に正しい使用方法を指導させ、目視等で正しい使用を確認
騒音健康診断(8(1)):
- 雇入時等: 既往歴・業務歴の調査、自覚症状及び他覚症状の有無の検査、オージオメータによる250・500・1,000・2,000・4,000・6,000・8,000ヘルツにおける聴力の検査、その他医師が必要と認める検査
- 定期(6月以内ごとに1回): 既往歴・業務歴の調査、自覚症状及び他覚症状の有無の検査、1,000ヘルツ(30dB)と4,000ヘルツ(25dB及び30dB)の選別聴力検査
- 二次検査: 30dBの音圧での検査で異常が認められる者などに、250〜8,000ヘルツの聴力の検査など
- 記録: 結果を記録し5年間保存。定期健康診断は所轄労働基準監督署長に報告
【試験での位置づけ】
騒音の問題では「安衛則第590条の測定は6か月以内ごとで、対象は第588条の屋内作業場」「許容基準の表は85dB・8時間が起点で3dBごとに半減」「定期健診の選別聴力検査は1,000ヘルツと4,000ヘルツ」「聴覚保護具は必要かつ十分な遮音値を選び、正しい使用を確認する」がよく問われます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 安衛則第590条第2項により、等価騒音レベルの測定記録は3年間保存です。
- イ: ガイドラインの表では、95dBのばく露時間は0時間47分です。
- ウ: 安衛則第595条は保護具を「備えなければならない」とする規定で、ガイドライン7(1)が選定と使用の確認を定めています。
- エ: 定期健診で30dBの音圧での検査に異常が認められる者などには、250〜8,000ヘルツの二次検査を行います。
- オ: 表の注記には、日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告(2022年度)」の「表 V1-2.騒音レベル(A特性音圧レベル)による許容基準」の一部抜粋であることが示されています。
【根拠】労働安全衛生規則第588条・第590条・第595条、騒音障害防止のためのガイドライン(令和5年4月20日 基発0420第2号 別添)2・5・6・7・8。
【補足】オ(正): 85dB・8時間、88dB・4時間、91dB・2時間(3dBごとに半減)。ア(誤): 安衛則第590条の対象は第588条の屋内作業場(90dBの線引きなし)。イ(誤): 起点は85dB・8時間(95dBは47分)。ウ(誤): 必要かつ十分な遮音値を選び、正しい使用を目視等で確認。エ(誤): 選別聴力検査は1,000ヘルツと4,000ヘルツ。
- 労働安全衛生規則第590条・第595条・第588条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 騒音障害防止のためのガイドライン(令和5年4月20日 基発0420第2号 別添)7(2)の「表 等価騒音レベル(A特性音圧レベル)による許容基準」(85dB 8時間00分・88dB 4時間00分・91dB 2時間00分。日本産業衛生学会「許容濃度等の勧告(2022年度)」の騒音の許容基準の一部抜粋)・7(1)・8(1)。労働安全衛生規則第588条・第590条・第595条。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

