衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 労働衛生(有害業務) 問59|溶接ヒューム・金属アーク溶接等作業に係る特化則の措置

問題

衛生管理者 | 労働衛生(有害業務) | 第一種

特定化学物質障害予防規則(特化則)に基づく金属アーク溶接等作業(溶接ヒュームを製造し、又は取り扱う作業)に係る措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはオです。特化則第38条の21第9項は、面体を有する呼吸用保護具を使用させるときは「一年以内ごとに一回、定期に」適切に装着されていることを確認し、「その結果を記録し、これを三年間保存しなければならない」と定めています。「3年以内ごと」「記録不要」はどちらも誤りです。

ア(全体換気装置による換気)・イ(有効な呼吸用保護具の使用)・ウ(作業方法の採用・変更時の個人ばく露測定)・エ(毎日1回以上の掃除)はいずれも条文どおりです。

特化則第38条の21(金属アーク溶接等作業に係る措置)の要点:

項内容
第1項屋内作業場で全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置(密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置は要しない)
第2項継続して行う屋内作業場で作業方法を新たに採用・変更するとき、あらかじめ個人ばく露測定で溶接ヒューム濃度を測定
第3項・第4項測定結果に応じて換気装置の風量の増加等の措置、効果確認の測定
第5項有効な呼吸用保護具を使用させる
第7項継続して行う屋内作業場では測定結果に応じて有効な呼吸用保護具を使用させる
第9項面体を有する呼吸用保護具は1年以内ごとに1回装着確認、記録を3年間保存
第10項測定の記録は、その作業方法を用いなくなった日から3年を経過する日まで保存
第11項床等は水洗等で容易に掃除できる構造とし、毎日1回以上掃除

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 第1項は全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を求め、この場合は密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置を設けることを要しないとしています。
  • イ(正): 第5項は「金属アーク溶接等作業に労働者を従事させるときは、当該労働者に有効な呼吸用保護具を使用させなければならない」と定めています。全体換気(第1項)と呼吸用保護具(第5項)は、どちらか一方ではなく両方とも必要です。
  • ウ(正): 第2項のとおりです。測定は労働者の身体に装着する試料採取機器を用いる方法(個人ばく露測定)で行います。
  • エ(正): 第11項のとおりです。
  • オ(誤): 第9項は1年以内ごとに1回の確認と、結果の記録・3年間保存を求めています。

【理論的背景】

溶接ヒュームは、安衛令別表第三第二号34の2に掲げられた第2類物質です(同号33には「マンガン及びその化合物」が別に掲げられています)。特化則第27条第2項は、「金属をアーク溶接する作業、アークを用いて金属を溶断し、又はガウジングする作業その他の溶接ヒュームを製造し、又は取り扱う作業」を「金属アーク溶接等作業」と呼び、これらの作業に必要な措置を第38条の21にまとめています。

換気と呼吸用保護具の関係:

第38条の21第1項は、屋内作業場について全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を求め、この場合は特化則第5条にかかわらず密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置を設けることを要しないとしています。そのうえで第5項は、金属アーク溶接等作業に従事させるときは有効な呼吸用保護具を使用させるよう求めています。換気と保護具は「どちらか一方」ではなく、両方が必要です。

測定と保護具の選定:

継続して金属アーク溶接等作業を行う屋内作業場では、新たな作業方法を採用し又は変更しようとするとき、あらかじめ、労働者の身体に装着する試料採取機器を用いて空気中の溶接ヒュームの濃度を測定します(第2項)。測定結果に応じて換気装置の風量の増加その他必要な措置を講じ(第3項)、効果を確認するため再び測定します(第4項)。さらに、測定の結果に応じて有効な呼吸用保護具を使用させます(第7項)。

【実務・条文構造】

記録と確認:

  • 面体を有する呼吸用保護具の装着確認: 1年以内ごとに1回、定期に、厚生労働大臣の定める方法により確認し、記録を3年間保存(第9項)
  • 溶接ヒューム濃度の測定記録: 測定日時・方法・箇所・条件・結果・実施者の氏名、改善措置の概要、使用させた呼吸用保護具の概要を記録し、その作業方法を用いなくなった日から起算して3年を経過する日まで保存(第10項)

その他の措置:

  • 床等は水洗等で容易に掃除できる構造とし、水洗等粉じんの飛散しない方法で毎日1回以上掃除(第11項)
  • 労働者は、第5項又は第7項の呼吸用保護具の使用を命じられたときは、使用しなければならない(第12項)
  • 作業の一部を請負人に請け負わせるときは、有効な呼吸用保護具を使用する必要がある旨を周知(第6項・第8項)
  • 作業場には、有効な保護具を使用しなければならない旨及び使用すべき保護具などを掲示(特化則第38条の3第5号ホ)

作業主任者:

金属アーク溶接等作業については、講習科目を金属アーク溶接等作業に係るものに限定した「金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習」の修了者から金属アーク溶接等作業主任者を選任することができます(特化則第27条第2項)。その職務は、作業の方法を決定し労働者を指揮すること、全体換気装置その他の装置を1月を超えない期間ごとに点検すること、保護具の使用状況を監視することです(第28条の2)。

【試験での位置づけ】

溶接ヒュームでは「全体換気(又は同等以上の措置)と呼吸用保護具の両方が必要」「作業方法の採用・変更時に個人ばく露測定」「面体を有する呼吸用保護具の装着確認は1年以内ごと・記録3年保存」「床等の掃除は毎日1回以上」がよく問われます。オのように頻度や記録の有無を変えた記述に注意します。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 第1項の措置を講じる場合は、密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置を設けることを要しません。
  • イ: 呼吸用保護具の使用を命じられた労働者には、使用する義務があります(第12項)。
  • ウ: 測定後は、結果に応じて換気装置の風量の増加その他必要な措置を講じ、その効果を確認するための測定も行います(第3項・第4項)。
  • エ: 掃除の方法は「水洗等粉じんの飛散しない方法」に限られます(第11項)。
  • オ: 装着確認の記録は3年間保存です。測定の記録の保存期間(作業方法を用いなくなった日から3年を経過する日まで)とは起算点が異なります。

【根拠】特定化学物質障害予防規則第27条第2項・第28条の2・第38条の3・第38条の21、労働安全衛生法施行令別表第三第二号33・34の2。

【補足】オ(誤): 面体を有する呼吸用保護具の装着確認は1年以内ごとに1回、記録は3年間保存(第38条の21第9項)。ア(正): 全体換気装置による換気又は同等以上の措置(第1項)。イ(正): 有効な呼吸用保護具(第5項)。ウ(正): 作業方法の採用・変更時の個人ばく露測定(第2項)。エ(正): 毎日1回以上の掃除(第11項)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 特定化学物質障害予防規則第38条の21(第1項 全体換気・第2項 個人ばく露測定・第5項 呼吸用保護具・第7項 測定結果に応じた呼吸用保護具・第9項「一年以内ごとに一回、定期に、当該呼吸用保護具が適切に装着されていることを厚生労働大臣の定める方法により確認し、その結果を記録し、これを三年間保存しなければならない」・第11項 掃除)・第27条第2項。溶接ヒュームは安衛令別表第三第二号34の2(第2類物質)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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  • 溶接ヒューム・金属アーク溶接等作業に係る特化則の措置
  • 頻出度A

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