問題
酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)における酸素欠乏危険場所の区分(第1種・第2種)、具体的な危険場所および測定・換気等の措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはアです。し尿・汚水などを入れたことのある槽の内部(令別表第六第9号)は第二種酸素欠乏危険作業の場所で、作業開始前に酸素と硫化水素の濃度を測定します(酸欠則第3条)。
イ→ケーブル等を収容するマンホール(第3号)は第一種。第二種は第3号の3・第9号・第12号の場所に限られます。ウ→相当期間密閉されていた鋼製タンク等(第4号)は酸素欠乏危険場所です。エ→第二種では酸素18%以上かつ硫化水素10ppm以下に保つよう換気します(第5条)。オ→測定記録は3年間保存です。
第一種・第二種酸素欠乏危険作業の比較:
| 区分 | 場所 | 作業開始前の測定 | 換気の基準 | 作業主任者 |
|---|---|---|---|---|
| 第一種 | 令別表第六の場所のうち第二種以外 | 酸素 | 酸素18%以上 | 酸素欠乏危険作業主任者(酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者) |
| 第二種 | 令別表第六第3号の3・第9号・第12号の場所 | 酸素及び硫化水素 | 酸素18%以上かつ硫化水素10ppm以下 | 酸素欠乏危険作業主任者(酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者) |
令別表第六の主な場所:
| 第一種の場所(例) | 第二種の場所 |
|---|---|
| 第3号 ケーブル・ガス管等を収容する暗きょ・マンホール・ピット | 第3号の3 海水が滞留している(していた)熱交換器・管・暗きょ・マンホール・溝・ピット等 |
| 第4号 相当期間密閉されていた鋼製のボイラー・タンク・反応塔・船倉等 | 第9号 し尿・腐泥・汚水・パルプ液等を入れてある(あった)タンク・槽・管・暗きょ・マンホール・溝・ピット等 |
| 第8号 しょうゆ・酒類・もろみ・酵母等の発酵する物を入れてある(あった)タンク・むろ・醸造槽 | 第12号 厚生労働大臣が定める場所(酸素欠乏症と硫化水素中毒のおそれのある場所として大臣が定めるものに限る) |
| 第10号 ドライアイスを使用している冷蔵庫・冷凍庫等 | |
| 第11号 ヘリウム・アルゴン・窒素・フロン・炭酸ガス等の不活性の気体を入れてある(あった)施設 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 第9号の場所は酸欠則第2条第8号により第二種で、第3条第1項は第二種の作業場では「酸素及び硫化水素」の濃度を作業開始前に測定するよう定めています。
- イ(誤): 第3号の場所は第二種の列挙(第3号の3・第9号・第12号)に入っていないため、第一種です。
- ウ(誤): 第4号は「相当期間密閉されていた鋼製のボイラー、タンク、反応塔、船倉その他その内壁が酸化されやすい施設(その内壁がステンレス鋼製のもの又はその内壁の酸化を防止するために必要な措置が講ぜられているものを除く。)の内部」を酸素欠乏危険場所としています。
- エ(誤): 第5条第1項は、第二種の場所では「空気中の酸素の濃度を十八パーセント以上、かつ、硫化水素の濃度を百万分の十以下」に保つよう換気することを求めています。
- オ(誤): 第3条第2項は、測定の記録を3年間保存するよう定めています。
【理論的背景】
酸欠則第2条は、用語を次のように定義しています。
- 酸素欠乏: 空気中の酸素の濃度が18パーセント未満である状態
- 酸素欠乏等: 酸素欠乏の状態又は空気中の硫化水素の濃度が百万分の十(10ppm)を超える状態
- 硫化水素中毒: 硫化水素の濃度が百万分の十を超える空気を吸入することにより生ずる症状が認められる状態
- 酸素欠乏危険作業: 令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業
- 第一種酸素欠乏危険作業: 酸素欠乏危険作業のうち、第二種酸素欠乏危険作業以外の作業
- 第二種酸素欠乏危険作業: 令別表第六第三号の三、第九号又は第十二号に掲げる酸素欠乏危険場所(第十二号は、酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る)における作業
つまり、第一種か第二種かは、場所が令別表第六のどの号に当たるかで決まります。第二種の場所でも酸素欠乏症のおそれがなくなるわけではなく、測定・換気の基準には酸素も含まれます。
【実務・条文構造】
令別表第六の主な場所:
- 第1号 一定の地層(上層に不透水層がある砂れき層のうち含水・湧水がない又は少ない部分、第一鉄塩類・第一マンガン塩類を含有する地層、メタン等を含有する地層、炭酸水を湧出する地層、腐泥層)に接し又は通ずる井戸等の内部
- 第2号 長期間使用されていない井戸等の内部
- 第3号 ケーブル、ガス管その他地下に敷設される物を収容するための暗きょ、マンホール又はピットの内部
- 第3号の2 雨水・河川の流水・湧水が滞留している(していた)槽・暗きょ・マンホール・ピットの内部
- 第4号 相当期間密閉されていた鋼製のボイラー・タンク・反応塔・船倉等の内部
- 第5号〜第7号 酸素を吸収する物質の貯蔵施設、乾性油ペイントが乾燥前に密閉された施設、穀物・飼料の貯蔵や果菜の熟成等に使うサイロ・むろ・倉庫等の内部
- 第8号 しょうゆ・酒類・もろみ・酵母等の発酵する物を入れてある(あった)タンク・むろ・醸造槽の内部
- 第10号・第11号 ドライアイスを使用している冷蔵庫等、不活性の気体を入れてある(あった)施設の内部
主な措置:
- 作業環境測定(第3条): その日の作業を開始する前に酸素(第二種は酸素及び硫化水素)の濃度を測定し、記録を3年間保存
- 測定器具(第4条): 測定に必要な測定器具を備え、又は容易に利用できるようにする
- 換気(第5条): 酸素18%以上(第二種は加えて硫化水素10ppm以下)に保つよう換気。純酸素を使用してはならない
- 作業主任者(第11条): 第一種は酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者、第二種は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から、酸素欠乏危険作業主任者を選任
【試験での位置づけ】
「第二種は令別表第六第3号の3・第9号・第12号の場所」「ケーブル等のマンホール(第3号)や醸造槽(第8号)は第一種」「作業開始前の測定は第二種なら酸素と硫化水素」「換気は酸素18%以上(第二種は硫化水素10ppm以下も)」「測定記録は3年保存」がよく問われます。マンホールでも第3号(ケーブル等)は第一種、第9号(汚水等)は第二種と、号で区別する点に注意します。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 第9号の場所は、し尿・腐泥・汚水・パルプ液その他腐敗し又は分解しやすい物質を入れてあり、又は入れたことのある「タンク、船倉、槽、管、暗きょ、マンホール、溝又はピット」の内部です。
- イ: 同じマンホールでも、海水が滞留している(していた)もの(第3号の3)や汚水等を入れたことのあるもの(第9号)は第二種になります。
- ウ: 第4号では、内壁がステンレス鋼製のもの又は内壁の酸化を防止するために必要な措置が講ぜられているものは除かれています。
- エ: 換気に純酸素を使用してはなりません(第5条第3項)。
- オ: 測定の記録事項は、測定日時・方法・箇所・条件・結果・実施者の氏名、防止措置を講じたときはその概要です(第3条第2項)。
【根拠】酸素欠乏症等防止規則第2条・第3条・第4条・第5条・第11条、労働安全衛生法施行令第21条第9号・別表第六。
【補足】ア(正): 第9号の場所は第二種、作業開始前に酸素及び硫化水素を測定。イ(誤): 第3号(ケーブル等のマンホール)は第一種。ウ(誤): 第4号の鋼製タンク等は酸素欠乏危険場所。エ(誤): 第二種は硫化水素10ppm以下も換気の基準。オ(誤): 測定記録は3年間保存。
- 酸素欠乏症等防止規則第3条・第2条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第21条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)第2条(第8号「第二種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険場所のうち、令別表第六第三号の三、第九号又は第十二号に掲げる酸素欠乏危険場所…における作業」)・第3条(作業開始前の測定、記録3年間保存)・第5条(換気)、労働安全衛生法施行令別表第六(第3号 ケーブル等を収容するマンホール等、第4号 鋼製タンク等、第9号 し尿・汚水等を入れたことのある槽等)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

