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基本情報 平成26年度 秋期 問55|マネジメント系に関する問題

問題

基本情報 | 平成26年度 秋期 | 分野:マネジメント系

PMBOKによれば,プロジェクトのリスクマネジメントにおいて,脅威に対して適用できる対応戦略と好機に対して適用できる対応戦略がある。脅威に対して適用できる対応戦略はどれか。

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答え合わせ

正解は D
  • A
  • B
  • C
  • D

自信の3択

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解説

答えは d「受容」 です。

PMBOKのリスク対応戦略は、脅威(マイナスのリスク)と好機(プラスのリスク)で使う戦略が違います。

  • 脅威側:回避・転嫁・軽減・受容
  • 好機側:活用・強化・共有・受容

選択肢の a 活用/b 強化/c 共有 は、どれも好機(チャンス)を生かすための戦略。脅威にも使えるのは、両方に共通する d 受容(あえて対策せず受け入れる)だけです。

👉 覚え方:「マイナスは『回・転・軽・受』、プラスは『活・強・共・受』」。受容だけ両方に共通。

なぜこれが正解か

正解は d。PMBOKのリスクマネジメントでは,脅威(マイナスのリスク)と好機(プラスのリスク)に対して異なる対応戦略を定義している:

  • 脅威への対応:回避(Avoid)/転嫁(Transfer)/軽減(Mitigate)/受容(Accept)
  • 好機への対応:活用(Exploit)/強化(Enhance)/共有(Share)/受容(Accept)

受容は,リスクを認識したうえで積極的な対策をとらず,発生したときに対処する戦略で,脅威と好機の両方に適用できる。選択肢の中で脅威に適用できるのは受容だけである。

各選択肢の解説

  • a 活用(Exploit):好機側。好機を確実に実現させる戦略。
  • b 強化(Enhance):好機側。好機の発生確率や影響を高める戦略。
  • c 共有(Share):好機側。好機を最も生かせる第三者と分け合う戦略。
  • d 受容(Accept):脅威にも好機にも適用できる(正解)。

覚え方・ひっかけ注意

「脅威は『回避・転嫁・軽減・受容』,好機は『活用・強化・共有・受容』」。受容は両方に共通。「転嫁」と「共有」が紛らわしい:転嫁=脅威の影響を第三者に移す(保険,契約),共有=好機を第三者と一緒に獲得する(共同事業,提携)。脅威の「軽減」と好機の「強化」もペアで覚える。

理論的背景

PMBOK第6版のプロジェクトリスクマネジメント領域では、リスクを「脅威(マイナスリスク)」と「好機(プラスリスク)」に分け、それぞれ4つの対応戦略を定義(第7版では原則ベースに再編されたが対応戦略は実務で継続使用)。

脅威への対応4戦略:

1. 回避(Avoid): リスクを排除する。計画変更、要件削除、技術選定変更等

2. 転嫁(Transfer): リスクを第三者に移転。保険、契約条項、外注

3. 軽減(Mitigate): リスクの発生確率や影響を減らす

4. 受容(Accept): リスクを受け入れる。能動的受容(コンティンジェンシー予備)/受動的受容(モニタリングのみ)

好機への対応4戦略:

1. 活用(Exploit): 好機を確実に発生させる

2. 強化(Enhance): 好機の確率や影響を高める

3. 共有(Share): 第三者と協力して好機を獲得(JV、提携)

4. 受容(Accept): 好機が発生した時点で対応

リスクは定性分析(確率/影響マトリクス、リスクヒートマップ)→定量分析(モンテカルロシミュレーション、感度分析、期待金額価値)→対応計画→監視のPDCAサイクルで管理。

実務での使われ方

IT プロジェクトの典型リスクと対応例:

  • 技術リスク: 新技術採用→PoC実施で軽減、または採用回避
  • 要件リスク: 要件変更→アジャイル/イテレーティブ開発で軽減
  • スケジュールリスク: 遅延→クリティカルパス管理、リソース追加(軽減)、契約条項で転嫁
  • セキュリティリスク: 漏洩→暗号化・アクセス制御(軽減)、サイバー保険加入(転嫁)
  • サプライヤリスク: 単一ベンダー依存→複数調達先確保(軽減)

リスク登録簿(Risk Register)にリスク識別子・概要・確率・影響・対応戦略・オーナー・期限を記録し、プロジェクト管理ツール(Jira、ServiceNow、Microsoft Project等)で追跡。EVMとの統合で「コンティンジェンシー予備」「マネジメント予備」を別管理する。

アジャイル開発ではスプリント単位のリスクレビュー、Definition of Done、デモ等を通じて継続的にリスクを検出・対応。

試験での位置づけ

FE/AP/PM/STのマネジメント系で必出。①リスクマネジメントのプロセス(識別→分析→対応→監視)、②脅威/好機の4戦略×2、③定性的/定量的分析手法、④EMV計算、⑤デシジョンツリー、⑥モンテカルロ法、が主要論点。本問は基礎中の基礎で取りこぼし厳禁。

選択肢の発展補足

ERM(Enterprise Risk Management)は企業全体のリスク管理フレームワークで、COSO ERM 2017、ISO 31000等が国際標準。プロジェクトリスクはERMの一部として位置付けられる。

サイバーセキュリティリスク管理ではNIST CSF、ISO 27005が標準。最近はSCRM(Supply Chain Risk Management、NIST SP 800-161)が重要性を増している。SolarWinds事件以降のSBOMやSLSAフレームワークもサプライチェーンリスク対応の一環。

AIプロジェクトの台頭で「AIリスク管理」が新領域として注目(NIST AI RMF 2023)。データバイアス、モデルドリフト、ハルシネーション、プライバシー、ガバナンス等の固有リスクへの対応が必要。生成AI時代のリスク戦略は「回避(使わない)」から「活用+ガードレール構築」への移行が進む。

この問題の根拠出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成26年度 秋期 問55
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成26年度 秋期 問55/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。