問題
落雷によって発生する過電圧の被害から情報システムを守るための手段として,有効なものはどれか。
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答え合わせ
- A
- B
- C
- D
自信の3択
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解説
答えは a「サージ保護デバイス(SPD)を介して通信ケーブルとコンピュータを接続する」 です。
雷が近くに落ちると、電線や通信ケーブルに一瞬だけとても高い電圧(サージ)が流れ込み、パソコンやネットワーク機器が壊れることがあります。SPD(サージ保護デバイス)は、この異常な電圧を地面(アース)へ逃がして機器を守る「関所」です。
👉 覚え方:雷の過電圧=サージ=SPDで守る。
ほかの選択肢:b 自家発電=停電したときの備え/c 通信線を2系統にする=回線が切れたときの備え/d 制御回路のディジタル化=過電圧を防ぐ仕組みではない。
なぜこれが正解か
正解は a。落雷が起きると、直撃しなくても近くの電線や通信線に高い電圧が生じ(誘導雷)、瞬間的な過電圧・過電流(サージ)が機器に流れ込む。SPD(Surge Protective Device:サージ保護デバイス)は、ふだんは電気をそのまま通し、規定を超える電圧がかかったときだけ電流を接地(アース)側へ逃がして、機器にかかる電圧を抑える。電源線だけでなく、LANや電話線などの通信ケーブル側にも入れるのがポイント。
各選択肢の解説
- a:正解。過電圧そのものを抑える対策。
- b:自家発電装置は停電への備え。過電圧の侵入は防げない。
- c:通信線の2系統化は回線の切断への備え(可用性の向上)。両方の線からサージが入れば、どちらの系統の機器も被害を受ける。
- d:制御回路のディジタル化は過電圧対策とは無関係。電子回路はむしろサージに弱い。
覚え方・ひっかけ注意
「どの脅威に対する対策か」を一対一で結びつける。
- 落雷による過電圧 → SPD(避雷器)・接地
- 停電・瞬断 → UPS・自家発電
- 回線障害 → 回線の二重化
自家発電は「電気が来なくなる」ことへの対策で、「異常な電圧が入ってくる」ことへの対策ではない、と区別する。
理論的背景
雷によるサージには、建物や電線に直接落ちる直撃雷、近くの落雷で電線・通信線に高電圧が生じる誘導雷、落雷で大地の電位が上がり接地線から逆に流れ込む逆流雷がある。情報機器の被害で多いのは誘導雷と逆流雷で、電源線・通信線・アンテナ線など建物に引き込まれるすべての線が侵入経路になる。
雷保護は、避雷針・引下げ導線・接地極で雷電流を大地へ流す外部雷保護と、SPDの設置や等電位ボンディング(機器や配線の接地をまとめて電位差をなくす)で建物内の機器を守る内部雷保護に分けて考える(IEC 62305 シリーズなどの雷保護規格)。SPDは、過電圧がかかったときだけ電気を通しやすくなる素子(バリスタ、ガス入り放電管など)で電流を接地へ逃がし、機器にかかる電圧を許容値以下に抑える。
実務での使われ方
- 分電盤(受電側)と機器の手前の2段階にSPDを入れ、大きなサージは入口で、残りは機器の手前で抑える多段構成が一般的。
- LAN・電話回線・同軸ケーブル用の通信用SPDも併用する。電源だけ守っても、通信線から侵入すれば機器は壊れる。
- 屋外との通信区間を光ファイバにすると、電気を通さないため通信線経由のサージを断てる。
- SPDは大きなサージを受けると劣化・故障するため、表示窓などで状態を定期点検して交換する。
試験での位置づけ
物理的・環境的セキュリティ(ファシリティ管理)の分野。基本情報では「脅威と対策の対応」を問う形が多く、落雷・停電・火災・地震・水害などの脅威と、SPD・UPS・自家発電・消火設備・免震・耐震ラックなどの対策を正しく結びつけられるかが問われる。ITサービスマネージャやシステム監査技術者では、データセンタの設備や施設管理の観点で出題される。
選択肢の発展補足
- b:自家発電装置は長時間の停電への備え。発電機が起動して電力が安定するまでの間はUPSで持たせ、その後に発電機の電力へ切り替える、という組合せで使う。
- c:経路の異なる2系統の回線は、工事による切断や通信事業者の設備障害などへの備え(可用性の向上)。同じ地域の落雷では両方の系統にサージが入りうるので、過電圧対策にはならない。
- d:制御回路をディジタル化しても過電圧への強さは上がらない。半導体部品はむしろ過電圧に弱く、SPDで守られる側である。
出典と作り方
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 春期 問58/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。

