行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 基礎法学 問13|裁判制度・三審制と各裁判所の役割

問題

行政書士 | 基礎法学

日本の裁判制度(三審制)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

日本の裁判は原則として三審制で、第一審→控訴審→上告審と3回まで審理を受けられます。誤っているのはウです。刑事訴訟法465条1項は、略式命令を受けた者または検察官は、告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求ができると定めています。「正式裁判の請求はできない」は条文と逆です。アの三審制の仕組み、イの民事第一審が地方裁判所と簡易裁判所に分かれること、エの最高裁判所が違憲審査の終審裁判所であること(憲法81条)、オの高等裁判所の判決に対する上告理由(刑事訴訟法405条)は、いずれも正しい記述です。

ウが誤りで正答です。略式命令は、簡易裁判所が検察官の請求により、公判を開かずに100万円以下の罰金または科料を科す手続です(刑事訴訟法461条)。検察官は請求の前に、被疑者に通常の審判を受けられることを告げ、略式手続によることに異議がないかを確かめなければなりません(461条の2)。そのうえで、略式命令を受けた者または検察官は、告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求できます(465条1項)。

アは正しい記述です。刑事では地方裁判所・簡易裁判所の第一審判決に控訴ができ(372条)、その後に上告があります。イも正しい記述です。民事の第一審は、訴訟の目的の価額などによって簡易裁判所と地方裁判所に振り分けられます。エは憲法81条のとおりです。オも正しい記述です。405条は、高等裁判所がした第一審または第二審の判決に対し、憲法違反・憲法解釈の誤り、最高裁判所の判例と相反する判断などを理由に上告できると定めています。上告審が主に法律問題を扱う「法律審」であることがわかります。

【理論的背景:三審制の意義と構造】

三審制は、同じ事件について最大3段階の審理の機会を設け、事実認定や法律の適用の誤りを正すとともに、法令の解釈を統一するための仕組みです。第一審と控訴審では主に事実関係を審理し、上告審では主に法律問題を審理します。刑事訴訟法でいえば、地方裁判所または簡易裁判所がした第一審の判決に対して控訴ができ(372条)、高等裁判所がした第一審または第二審の判決に対しては、憲法違反・憲法解釈の誤り、最高裁判所の判例と相反する判断などを理由として上告ができます(405条)。上告理由が憲法と判例に絞られている点に、上告審が法令解釈の統一を担う「法律審」であることが表れています。最高裁判所は、一切の法律・命令・規則・処分が憲法に適合するかどうかを決定する権限を持つ終審裁判所です(憲法81条)。

【各選択肢の正誤と論拠】

アは正しい記述です。第二審への不服申立てを「控訴」、第三審への不服申立てを「上告」と呼ぶ用語の使い分けは、民事・刑事に共通です。

イは正しい記述です。民事の第一審は、訴訟の目的の価額などに応じて簡易裁判所と地方裁判所に振り分けられ、その基準は裁判所法が定めています。「どちらかが管轄裁判所となる場合がある」という表現に誤りはありません。

ウが誤りです。略式命令を受けた者または検察官は、告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求でき(465条1項)、請求は略式命令をした裁判所に書面でします(同条2項)。請求が適法であれば通常の規定に従って審判が行われます(468条2項)。

エは正しい記述です。違憲審査の最終判断権が最高裁判所にあることから「憲法の番人」と呼ばれます(憲法81条)。

オは正しい記述です。405条1号〜3号が定める上告理由(憲法違反・憲法解釈の誤り、最高裁判所の判例と相反する判断、判例がない場合の大審院・高等裁判所の判例と相反する判断)を要約しています。

【略式手続の詳細と正式裁判】

略式手続は、簡易裁判所の管轄に属する事件について、公判を開かずに100万円以下の罰金または科料を科す手続です(461条)。その際、刑の執行猶予や没収などの付随処分もできます。被疑者の手続保障のため、検察官は請求の前に、略式手続の内容と通常の審判を受けられることを説明し、異議がないことを確かめ、被疑者は異議がないことを書面で明らかにします(461条の2)。この書面は略式命令の請求書に添付されます(462条2項)。正式裁判の請求は第一審の判決があるまで取り下げることができます(466条)。正式裁判では、裁判所は略式命令に拘束されません(468条3項)。つまり、正式裁判で略式命令より重い刑が言い渡されることもありうる点に注意が必要です。

【試験での位置づけと学習ポイント】

裁判制度の問題では、三審制の用語(控訴・上告)、各審級の役割(事実審と法律審)、略式手続の要件と救済(異議がないことの確認、14日以内の正式裁判の請求)がよく問われます。「不服を申し立てる方法がない」という断定が付いた記述は、まず条文に救済手段がないかを確かめてください。

【根拠条文】

刑事訴訟法 第372条(控訴)・第405条(上告理由)・第461条(略式命令)・第461条の2(略式手続についての異議の確認)・第462条(略式命令の請求)・第465条(正式裁判の請求)・第466条(正式裁判の請求の取下げ)・第468条(正式裁判の審判)

日本国憲法 第81条(最高裁判所の違憲審査権)

【補足】

本問は三審制の基本と、略式命令に対して正式裁判の請求ができる点(刑事訴訟法465条)を問うもの。上告理由が憲法違反・判例違反などに限られる点(405条)もあわせて押さえる。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録
  • 定期監査誤りの選択肢が2つ読める状態だったため、選択肢を1つ差し替えました。解説の条番号の誤りも訂正しました(刑事訴訟法の条文と照合)。
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 刑事訴訟法 第461条・第461条の2(略式命令)・第465条(正式裁判の請求)・第468条(正式裁判の審判)・第372条(控訴)・第405条(上告理由)。日本国憲法 第81条(最高裁判所の違憲審査権)。 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 裁判制度・三審制と各裁判所の役割
  • 頻出度B

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