問題
次の文は,公共測量における地上レーザスキャナを用いた数値地形図データの作成について述べたものである。 ア 〜 オ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 地上レーザ測量とは,地上レーザスキャナを用いて地形,地物等を計測し,取得したデータから三次元点群データ及び数値地形図データを作成する作業をいう。 平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)以外の座標系で計測する場合,原則として,計測方法は ア を用いる。地上レーザスキャナによるレーザ光を用いた計測では,地形,地物等に対する方向,距離の他に イ が計測される。 イ の差異は地物の判読に利用することができる。 計測したデータを ウ の座標に基づいて平面直角座標系に変換することで, エ を得ることができる。 ウ は,計測条件を満たす範囲の オ に設置することを原則とする。
答え合わせ
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自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
地上レーザスキャナ測量の用語に関する問題です。正答は2(ア: 相似変換法又は後方交会法,イ: 反射強度,ウ: 標定点,エ: オリジナルデータ,オ: 外)。
各用語の解説:
ア:地上レーザスキャナが独自座標系(スキャナ座標系)で計測する場合,既知点を用いて座標変換を行います。「相似変換法又は後方交会法」が採用されます。「器械点・後視点法」はTSの整置方法です。
イ:地上レーザスキャナはレーザ光の反射を検出します。距離・方向のほかに「反射強度(レーザの反射光の強度)」が計測され,地物の材質や濡れ具合の判別に使えます。「色」はRGBカメラで取得する別の情報です。
ウ:スキャナ座標系を平面直角座標系に変換するために使う基準点が「標定点」です。「検証点」は変換精度を検証するために使う点で,変換自体には使いません。
エ:変換直後のデータが「オリジナルデータ」です。そこから地面(グラウンド)のみを抽出したものが「グラウンドデータ」です。
オ:標定点は計測範囲の「外」に設置します(外側配置により精度の外挿を避け安定した変換が可能)。
地上レーザスキャナ測量の作業規程の準則に基づく問題です。正答は2。
ア:相似変換法又は後方交会法(座標変換方法)
地上レーザスキャナは独自のスキャナ座標系(機器原点基準)で三次元点群を取得します。これを平面直角座標系に変換する方法:
- 後方交会法:スキャン画像中の既知点(標定点)を用いて,スキャナの位置・姿勢を推定してから変換
- 相似変換法(ヘルメルト変換):4パラメータ(回転・スケール・並進)または7パラメータで座標系を変換
「器械点・後視点法」はTSを既知点に設置して後視方向を確立する方法で,TSに適用するものです。
イ:反射強度
地上レーザスキャナはパルスレーザまたは位相差方式で距離を測定し,反射レーザパルスの強度(反射強度,リターン強度)も同時記録します。反射強度はターゲット材質・色・濡れ状態・入射角に依存します。路面・草地・コンクリート・金属の区別,植生の推定(NDVI代替)に活用されます。
ウ:標定点,オ:外
標定点(コントロールポイント)は座標変換の基準点で,計測範囲の外周に配置します(外側配置)。外側に配置することで,外挿によるモデル不安定を防ぎます。一方,検証点(チェックポイント)は変換精度を独立して評価するために使用し,標定点とは別個に設置します。
エ:オリジナルデータ
座標変換直後の全計測データがオリジナルデータ。そこから地面点のみをフィルタリング(グラウンドフィルタリング)したものがグラウンドデータで,DTM(数値標高モデル)作成の原料となります。
地上レーザスキャナ測量の技術的背景と最新動向です。正答は2。
地上レーザスキャナの測距原理と点群密度
TLS(地上型LiDAR)はパルス方式(TOF: Time of Flight)または位相差方式で距離を計測。スキャン速度は数十万〜数百万点/秒,水平・垂直スキャン角(360°/270°等)で三次元点群を高密度に取得します。測距精度は数mm〜数cm(距離依存)。公共測量では地形図縮尺(1/500・1/250)に対応する点群密度(例:1/500では4点/m²以上)が作業規程の準則(第2章UAV写真測量・地上レーザ部分)で規定されます。
座標変換の精度管理(標定点・検証点配置戦略)
後方交会法による座標変換精度:残差が標定点で2 cm以内,検証点で5 cm以内(1/500地形図相当)。標定点を「外側」に配置する理由は,内挿(内側)より外挿(外側ならば外挿なし)の方が数値安定性が高いためです。実際には標定点を外周に均等配置し,変換パラメータの分散を最小化します。
反射強度データの活用(測量士レベル)
反射強度は「強度画像」として可視化され,通常の空中写真と異なる画像解析が可能です。道路面の舗装材の違い(アスファルト vs コンクリート),雨水が溜まる箇所(反射強度低下),建物の材質(金属屋根の高反射)などを判読できます。近年,点群データとRGB画像を融合したカラー点群(colorized point cloud)により,より詳細な地物判読が実現されています。インフラ維持管理(橋梁・トンネル点検)や文化財三次元記録への応用も拡大しており,測量士として「i-Construction」推進に関わる重要技術となっています。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和7年度 測量士補試験 問15(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

