問題
次の 1 〜 5 の文は,公共測量における地形測量のうち,現地測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 1. 現地においてトータルステーション(以下「TS」という。)又はGNSS測量機を用いて,地形,地物等を測定し,数値地形図データを作成した。 2. 基準点にTSを整置して細部測量を行うことが困難であったため,TS点を設置した。 3. 設置したTS点を既知点として,TSを用い,別のTS点を設置した。 4. TSを用い,地形,地物等の測定を放射法により行った。 5. 障害物のない上空視界の確保されている場所で,地形,地物等の測定のため,ネットワーク型RTK法による観測を行い,観測終了後に後処理により解析を行った。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
地形測量の現地測量に関する正誤問題です。正答は3(選択肢3が誤り)。
選択肢3が誤りの理由:TS点(トータルステーション点)は基準点から直接設置できない場合に補助的に設けるものです。しかし,設置したTS点をさらに既知点として別のTS点を設置することは,作業規程の準則では認められていません。TS点から別のTS点への「連鎖」は誤差が累積するため,禁止されています。
選択肢1,2,4,5はすべて正しい記述です:
- 1:TS・GNSS測量機による数値地形図データ作成は正しい現地測量の方法
- 2:基準点への整置が困難な場合はTS点設置が認められている
- 4:放射法(機械点から各細部点を視準・測定する方法)は現地測量の標準的方法
- 5:ネットワークRTK法による現地測量は認められている(上空視界確保の条件付き)
公共測量における現地測量の規定に関する問題です。正答は3。
選択肢3(誤り)の詳細
作業規程の準則(第66条・第68条)では,TS点の設置について以下のように規定しています。
- TS点は基準点(三角点・電子基準点・4級基準点等)を既知点として設置する
- TS点をさらに既知点として別のTS点を設置することは禁止(いわゆる「TS点からのTS点設置」)
理由:TS点の設置には測位誤差が伴います。TS点から別のTS点を設置すると誤差が連鎖的に累積し,細部測量の精度が保証できなくなります。これは多角測量のトラバースが既知点(基準点)で閉合・結合する必要があるのと同様の理由です。
選択肢1(正しい)
TSとGNSS測量機を組み合わせた現地測量は標準的な手法。TSは市街地・林内,GNSSは開けた場所で使い分けます。
選択肢2(正しい)
TS点は基準点への整置が困難な場合の補助点として認められています。基準点(既知点)をバック・フォーサイトに使って方向角を確立します。
選択肢4(正しい)
放射法:機械点1か所から多方向の細部点(地物・等高線特徴点)を視準・測定する方法。効率的で最も一般的な細部測量の方法です。
選択肢5(正しい)
ネットワーク型RTK(VRS・FKP等)はリアルタイム精度確認が可能。後処理解析も認められています。
現地測量の法的規定と技術的背景,測量士レベルへの接続です。正答は3。
TS点設置の規定と誤差累積防止(選択肢3)
作業規程の準則では,TS点(補助基準点)は4級基準点以上の既知点から設置し,既知点2点以上を後方交会点法または簡易型トラバースで設置します。TS点から別のTS点への「二次設置」を禁じるのは,誤差伝播の観点からです。
誤差伝播の定量的評価:基準点精度 σ₁,TS点設置精度 σ₂ の場合,TS点の合成精度は √(σ₁² + σ₂²)。TS点から別TS点を設置すると √(σ₁² + σ₂² + σ₂²) となり,基準点精度の保証が失われます。これは公共測量の精度管理(作業規程の準則 第68条:細部点の精度規定)に反します。
ネットワーク型RTK法と後処理解析(選択肢5)
ネットワーク型RTKは,国内の電子基準点ネットワーク(IGS・国土地理院)を活用した補正情報を利用し,cmレベルの精度でリアルタイム測位が可能です。上空視界確保(仰角15°以上)・観測時間(例:10秒×2セット)・FIX解の確認が要件です。後処理解析(PPP: Precise Point Positioning,PPK: Post-Process Kinematic)では,GNSS搬送波位相データを精密暦・精密時計データで解析し,単独測位より高精度を達成します。
UAV(ドローン)を用いた三次元計測との融合
近年の現地測量では,UAV搭載のカメラ・LiDARによる三次元点群データが地形図作成に活用されます。作業規程の準則(第68条改正)では,UAVにより取得した点群データから数値地形図データを作成する「UAV写真測量」が明文化され,TS・GNSS法との精度比較・統合が求められます。測量士試験では,これらの新技術と従来手法の精度・用途比較が出題される傾向があります。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和7年度 測量士補試験 問14(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

