問題
次の文は,ユニバーサル横メルカトル図法(以下「UTM図法」という。)及び平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)について述べたものである。 ア 〜 オ に入る語句又は数値の組合せとして最も適当なものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 UTM図法と平面直角座標系で用いる投影法は,ともに横円筒図法の一種であるガウス・クリューゲル図法であり,これらは ア 図法である。 UTM図法に基づく座標系は,地球全体を経度差 イ の南北に長い座標帯に分割し,各座標帯の中央経線と赤道の交点を原点としている。その縮尺係数は,中央経線上において0.9996,原点から東西方向に約 ウ km離れたところで1.0000である。 平面直角座標系は,日本全国を エ の区域に区分している。その縮尺係数は,座標系原点を通る子午線上で0.9999,座標系原点から東西方向に約 オ km離れたところで1.0000である。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
UTM図法と平面直角座標系の特性に関する問題です。正答は5(ア: 正角,イ: 6°,ウ: 180,エ: 19,オ: 90)。
各空欄の正解:
ア(図法の種類):ガウス・クリューゲル図法は「正角」図法(任意の点での角度が真の角度と一致)です。「正距」図法(距離が正確)や「正積」図法(面積が正確)とは別物です。
イ(UTMの座標帯幅):UTMは地球を経度差「6°」ごとの座標帯(全60帯)に分割します。
ウ(UTMで縮尺係数1.0000になる東西距離):UTMでは中央経線上の縮尺係数が0.9996(中央で最小),原点から約「180 km」東西に離れると1.0000になります。
エ(平面直角座標系の区域数):日本の平面直角座標系は全国を「19」系に区分しています(1系〜19系)。
オ(平面直角座標系で1.0000になる東西距離):平面直角座標系では原点の縮尺係数が0.9999,原点から約「90 km」東西に離れると1.0000になります。
UTM図法と平面直角座標系の比較問題です。正答は5。
ア:正角(等角)図法
ガウス・クリューゲル投影(横メルカトル投影)は正角図法:
- 微小な図形の角度が保存される(等角写像)
- 面積・距離は保存されない(縮尺係数により変形)
- 正角図法の特徴:経緯線が直交する,等角航路が直線
イ:UTM 6°帯
UTM(Universal Transverse Mercator)は地球を6°幅の座標帯に分割(60帯)。日本は主にゾーン51〜55に含まれます(北緯範囲は80°S〜84°N)。
ウ:UTM 180 km
UTM縮尺係数 m(Y) ≒ 0.9996 × (1 + Y²/(2R²)),m = 1.0000 のときY:
Y² = (1.0000/0.9996 − 1) × 2R²
= 0.0004 × 2 × (6380)² km²
= 0.0004 × 81,448,800 km²
→ Y ≒ 180 km
エ:19系
平面直角座標系は1〜19系(2002年改正で16→19系に拡張,奄美・沖縄・小笠原等対応)。
オ:90 km
m₀ = 0.9999,m = 1.0000 のときY:
Y ≒ √{(1/0.9999 − 1) × 2 × 6380²} ≒ 90 km
UTM図法と平面直角座標系の比較・技術的背景の深層解析です。正答は5。
正角図法の数学的定義と実用的意味
正角写像条件(コーシー=リーマン方程式):∂x/∂λ = ∂y/∂φ,∂x/∂φ = −∂y/∂λ
(x, y: 投影座標,λ: 経度,φ: 緯度)
実用的意味:正角図法では,地図上で計測した角度(方位)が地球上の真の方位と一致します。これにより,地図上でのベクトル演算(方向角・偏差計算)が楕円体面と投影面で整合します。測量・航法・GPS地図アプリが正角図法(WebメルカトルもTMの一種)を採用する理由はここにあります。
UTMと平面直角座標系の設計哲学の違い
| 項目 | UTM | 平面直角座標系 |
|------|-----|--------------|
| 目的 | 全世界統一 | 日本国内精密測量 |
| 帯幅 | 6° | 各系で可変(狭い) |
| 原点縮尺 | 0.9996 | 0.9999 |
| 1.0000点 | 約±180 km | 約±90 km |
| 最大縮尺係数 | 約1.0004(帯端) | 約1.0001(系端) |
平面直角座標系の原点縮尺0.9999(UTMより大きい)は,系の幅が狭い(最大180 km)ため,端部での歪みが小さく,より均等な縮尺分布を実現します。これが日本の精密測量で平面直角座標系を使い,UTMを補助として使用する理由です。
縮尺係数と距離精度(測量士の実務)
平面直角座標系で計算した座標間の「直線距離」は,縮尺係数による補正後の楕円体面上の距離と一致します。精密な距離計算では:
L_真 = L_図 / m̄(m̄: 路線平均縮尺係数)
この補正は高精度を要する測量(基準点測量・地籍調査)では必須です。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和7年度 測量士補試験 問22(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

