測量士補

測量士補 地図編集 問17出典: 令和8年度 問24

問題

測量士補 | 地図編集 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の文は,ベクタデータの GIS による活用について述べたものである。ア 〜 ウ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 ベクタデータは,ア を持った点又は点列によって地形や地物を表現できる図形データであり,線分の長さや面積を求める幾何学的処理が容易である。 例えば,防災分野においては,ネットワーク化された イ データを利用し,自宅から最寄りの指定緊急避難場所までの最短ルートを表示することができる。他にも,浸水が想定される ウ と各市区町村の区域の面データを用いて,市区町村別の浸水想定面積を集計することができる。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

GISのベクタデータに関する穴埋め問題です。正答は「1」です。

各空欄の答え:

  • ア:座標値(ベクタデータは「座標値」を持つ点・線・面データ。「画素値」はラスタデータの概念)
  • イ:道路中心線(ネットワーク解析(最短経路探索)には「道路の中心線」データが使われる。「道路縁」は道路の端の線であり,ネットワーク構造を持たない)
  • ウ:範囲の面データ(浸水想定区域は「面(ポリゴン)データ」。各市区町村の区域と重ね合わせて面積計算するためには「面データ」が必要。「建物の点データ」ではなく面データが適切)

ベクタデータはGIS(地理情報システム)での空間分析の基本データ形式であり,ラスタデータ(画素値の格子)と対比されます。

【ベクタデータとラスタデータ・GIS空間分析の整理】

ア:座標値 vs 画素値

ベクタデータとラスタデータの比較:

| 項目 | ベクタデータ | ラスタデータ |

|---|---|---|

| 基本要素 | 点(座標値)・線(点列)・面(閉多角形) | 格子(グリッド)の画素値 |

| 位置表現 | 座標値(X,Y)で表現 | 格子の行・列番号+解像度 |

| 代表例 | 道路・行政界・建物 | 衛星画像・標高メッシュ・航空写真 |

| 面積計算 | 幾何学的計算(簡単) | 画素数カウント(近似) |

| ネットワーク解析 | 可(線の接続関係) | 不可(構造なし) |

イ:道路中心線 vs 道路縁

最短経路探索(ルーティング)に必要な要素:

  • ノード(交差点)とエッジ(道路区間)の接続構造
  • 各エッジの属性(距離・通行可否・速度制限等)

道路中心線データは,道路の中央を通る線データで,ノード・エッジ構造(トポロジー)を持ち,ネットワーク解析が可能です。「道路縁」は道路の境界線であり,ネットワーク構造を持ちません。

ウ:範囲の面データ vs 建物の点データ

浸水想定区域の集計:

  • 浸水想定範囲:面データ(ポリゴン)として表現
  • 各市区町村区域:面データ(ポリゴン)
  • 重ね合わせ(オーバーレイ解析):面×面 → 重複面積を集計

「建物の点データ」では面積の重ね合わせ計算は不適。点データはカウント(建物棟数)には使えるが,浸水面積の集計には面データが必要。

正答1の確認: ア:座標値,イ:道路中心線,ウ:範囲の面データ → 選択肢1。

【GISベクタデータ分析の深層:トポロジー・空間演算・国土地理院データとの統合】

ベクタデータのトポロジー(位相幾何学的関係):

GISにおけるトポロジーは,地物間の空間的関係を規定します:

  • 隣接関係(Adjacency):2つのポリゴンが辺を共有する
  • 包含関係(Containment):一方のポリゴンが他方を内包する
  • 連結関係(Connectivity):線データのノード間の接続

ネットワーク解析(最短経路・到達圏分析)はこの連結関係に基づきます。ダイクストラ法(最短経路アルゴリズム)が道路ネットワークの最短ルート探索に広く使われています。

GIS空間演算の種類(測量士補・測量士試験向け):

| 演算 | 内容 | 本問との関係 |

|---|---|---|

| バッファ解析 | 地物から一定距離の範囲を生成 | 避難場所から500 m圏等 |

| オーバーレイ解析 | 複数レイヤの重ね合わせ | 浸水範囲×市区町村区域(ウ) |

| ネットワーク解析 | 最短経路・到達圏計算 | 最短避難ルート(イ) |

| 空間結合 | 位置関係で属性を結合 | 避難場所と行政区域の関連付け |

| ポイントインポリゴン | 点がポリゴン内かを判定 | 建物が浸水区域内かを確認 |

国土地理院の公開GISデータ(実務活用):

  • 基盤地図情報:建物・道路・行政界等のベクタデータ(JPGIS形式)
  • 地理院地図(ベクター):タイル形式のベクタデータ(Mapbox Vector Tiles)
  • 浸水想定区域図:国土交通省・都道府県が提供する面データ
  • 避難場所一覧:国土地理院・地方公共団体が提供する点データ

これらの公開データを組み合わせた「避難ルート表示システム」は,選択肢のイ・ウで示された分析の実例です。令和6年能登半島地震等での防災GIS活用が注目されており,測量士試験でも防災・減災へのGIS応用が今後重要テーマになると予想されます。

この問題の根拠出典: 令和8年度 測量士補試験 問24(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和8年度 測量士補試験 問24(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。