問題
図 21 は,国土地理院がインターネットで提供している二次元の地図「地理院地図」の一部(縮尺を変更,一部を改変)である。この図にある裁判所の経緯度として最も近いものを次の 1 〜 5 の中から選べ。 ただし,表 21 に示す数値は,図の中にある税務署及び保健所の経緯度を地理院地図で読み取った値である。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 【図 21】国土地理院「地理院地図」(那覇市付近) 【表 21】 | | 緯度 | 経度 | |----|------|------| | 税務署 | 北緯 26°12′38″ | 東経 127°40′35″ | | 保健所 | 北緯 26°12′24″ | 東経 127°41′38″ |
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
地理院地図上で既知2点の経緯度を基準に,裁判所の経緯度を比例配分(線形内挿)で求める問題です。正答は 4「北緯26°12′31″,東経127°41′11″」です。
地図上では,緯度・経度の目盛を既知2点(税務署・保健所)の位置を基準として内挿します。図21の地図上で裁判所の位置が,税務署と保健所の中間やや東寄りにあることから,経緯度の値を線形補間して求めます。
選択肢4「北緯26°12′31″,東経127°41′11″」が裁判所の位置として,税務署(北緯26°12′38″・東経127°40′35″)と保健所(北緯26°12′24″・東経127°41′38″)の間の適切な位置に対応します。
【地図上の経緯度読み取りと線形内挿の方法】
地理院地図での経緯度読み取りの原理
地理院地図(Web メルカトル投影)では,画面上の経緯度目盛が正確に刻まれており,任意の地点の経緯度を基準点との相対位置から推定できる。
既知2点の位置関係の確認
税務署: (26°12′38″N, 127°40′35″E)
保健所: (26°12′24″N, 127°41′38″E)
緯度差: 38″ − 24″ = 14″(税務署が北・保健所が南)
経度差: 40′35″ → 41′38″ = 63″(保健所が東)
裁判所の位置推定(線形内挿)
図21の地図上で,裁判所は税務署と保健所の中間付近に位置している。
緯度方向: 税務署(38″)と保健所(24″)の中間付近 → 約31″が中間値
経度方向: 税務署(40′35″)と保健所(41′38″)の間で,やや東寄りだが保健所より西 → 約41′11″
→ 北緯26°12′31″,東経127°41′11″(選択肢4)
各選択肢の位置的検討
- 選択肢1: 東経127°42′05″は保健所より東 → 地図上の範囲外に相当
- 選択肢2,3: 経度127°41′02″〜14″は裁判所付近だが緯度の値が異なる
- 選択肢5: 北緯26°12′51″は税務署より北で,図の範囲を超える
【地理院地図の投影法と経緯度計算の精密理解】
地理院地図の投影法(Web メルカトル)
地理院地図は「Web メルカトル投影」(EPSG:3857)を採用。正確にはメルカトル投影(円筒等角投影)の一種で:
- 経線は平行な直線
- 緯線も平行な直線(高緯度ほど間隔が広い)
- 各地点での縮尺は東西・南北が等しい(等角投影)→ 面積は保存されない
低緯度(赤道付近)では歪みが小さく,高緯度ほど拡大される。北緯26°付近の日本(沖縄)では歪みは比較的小さい。
1秒(角度単位)の地上距離(那覇市付近・北緯26°)
緯度1秒の地上距離: ΔD_lat = a × (1 − e²) / (1 − e² sin²φ)^(3/2) × Δφ
(φ = 26°,Δφ = 1″ = π/(648,000) rad)
≒ 6,356,752 × 1/(648,000) × π ≈ 30.8 m
経度1秒の地上距離: ΔD_lon = a × cos φ / √(1 − e² sin²φ) × Δλ
(a = 6,378,137 m,e² = 0.00669437,φ = 26°)
≒ 6,378,137 × cos26° / √(1 − 0.00669437 × sin²26°) × π/648,000
≈ 6,378,137 × 0.8988 / 0.9991 × 4.848×10⁻⁶ ≈ 27.8 m
税務署・保健所間の地上距離の概算:
緯度差14″ × 30.8 m = 431 m(南北)
経度差63″ × 27.8 m = 1,751 m(東西)
直線距離 = √(431² + 1751²) ≈ 1,803 m
地理院地図の位置精度と実務活用
地理院地図の位置精度:地図情報レベル 25,000(国土基本情報)相当で ±17.5 m(2σ)。
高分解能サービス(基盤地図情報・国土基本情報・地形分類)では,地図情報レベル 2,500〜500 相当のデータも提供されており,都市計画・防災・インフラ管理に広く活用されている。
上位資格(測量士)への接続
測量士試験では,投影法の数学的変換式(ガウス・クリューゲル投影の収差計算),地図の精度評価(RMSE・平均誤差),地図更新の法的義務(測量法第40条:成果の公表)などが問われる。また,GIS(地理情報システム)との統合活用(座標変換・空間解析)も重要トレンドである。
- 測量法第40条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問21(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

