問題
次の a 〜 e の文は,ベクタデータとラスタデータについて述べたものである。ラスタデータについて述べているものだけの組合せはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 a. 地形,地物等について,座標値を持った点,線又は面で表現するため,正確な位置や形状を表すのに適している。 b. 地図等を微小な格子状の画素(ピクセル)に分割し,画素ごとに輝度や色調などの情報を与えて表現することができる。 c. GISソフトウェアを用いて,ある行政区域内の特定の地物を抽出して,その数を求めることに適している。 d. GISソフトウェアで,ある地物を任意の倍率に拡大や縮小しても,地物を構成する線分の太さを変えずに表示することができる。 e. 気温や降水量など,面的に連続変化する事象を表すのに適している。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
ベクタデータとラスタデータの特性を区別する問題です。正答は4(b, eがラスタデータ)。
ラスタデータの特性:
- 地図を格子(ピクセル)に分割し,各ピクセルに値(色・輝度・数値)を持つ(b)
- 面的に連続変化する現象(気温・降水量・標高)の表現に適している(e)
ベクタデータの特性:
- 点・線・面(ポリゴン)の座標値で地物を正確に表現する(a)
- 特定の地物を抽出してカウントする(GIS空間解析)に適している(c)
- 拡大・縮小しても線の太さが変わらない(解像度独立)(d)
ラスタデータは拡大するとピクセルが見えて粗くなります(解像度依存)。
ベクタとラスタの特性比較の詳細問題です。正答は4(b, eがラスタ)。
ラスタデータの特性(b, e)
b(ラスタ):ラスタデータは規則的な格子(グリッド)に分割された「ピクセル(画素)」の集合体。各ピクセルに1つの属性値(標高・温度・カラー値RGB)を持ちます。空中写真・衛星画像・DEM(数値標高モデル)・スキャン地図がラスタ形式の典型例です。
e(ラスタ):面的に連続変化する現象(スカラーフィールド)はラスタ形式が適します。例:気温分布図・降水量マップ・標高モデル(DEM)・傾斜図。これらはピクセル値として数値を格納し,グラデーション表示・等値線生成に使います。
ベクタデータの特性(a, c, d)
a(ベクタ):点(Point)・線(Line)・面(Polygon)の幾何オブジェクトとその属性テーブルで構成。正確な位置(座標精度に依存)と形状を保持します。
c(ベクタ):GIS空間演算(選択・抽出・結合・集計)はベクタデータが得意。属性テーブルを使ったSQL的なクエリで,特定の行政区域内の建物数・道路長などを計算できます。
d(ベクタ):ベクタデータは数式(座標)で地物を定義するため,解像度に依存しません(スケーラブル)。拡大しても線は常に細い1本の線として表示されます(ラスタは拡大で粗くなる)。
ベクタ・ラスタデータの技術的詳細とGIS活用への接続です。正答は4。
GISデータ形式の技術的背景
ベクタフォーマット(代表例):
- Shapefile(ESRI):DBF属性テーブル+SHP幾何データ+SHX索引
- GeoJSON(Web標準):JSON形式の座標とプロパティ
- GML(国土地理院・公共測量標準フォーマット):XMLベースのOGC標準
- GeoPackage(SQLiteベース):ラスタ・ベクタ混在可能な軽量フォーマット
ラスタフォーマット(代表例):
- GeoTIFF:地理参照情報埋め込みのTIFF(DEM・オルソ写真)
- PNG/JPEG(タイル):Webタイル地図(xyz-tile)で使用
- NetCDF:気象・海洋データの多次元配列形式
- HDF5:大規模衛星データ(MODIS・Sentinel等)
ラスタとベクタの変換処理(測量士レベル)
- ラスタ→ベクタ(ベクタライズ):ラスタ画像の等値線→ベクタ線,ポリゴン化(GIS操作)
- ベクタ→ラスタ(ラスタライズ):ベクタ地物を指定解像度のラスタに変換(GIS操作)
例:DEM(ラスタ)から等高線(ベクタ)生成,空中写真(ラスタ)から建物輪郭(ベクタ)のAI抽出,道路(ベクタ)から道路バッファ(ラスタ)のハザードマップ生成。
i-Construction・デジタル国土におけるデータ活用
国土地理院の「電子国土基本図」はベクタ形式(GML/FGD形式)で提供。国土交通省の「国土数値情報」もGML/SHPで配布。GISを使った公共測量成果の管理・更新・公開は測量士の基本業務であり,ベクタ・ラスタの特性を理解したデータ選択・処理能力が求められます。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和7年度 測量士補試験 問24(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

